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【投機の流儀 セレクション】日本株投資に強気派が現れる(英フィナンシャルタイムズ)

日本株は中期的にボックス相場にはまり込んで、しばらくはそこから抜け出せそうもないが、ボックス相場は所詮臨時の姿であって、いずれは上か下へ大きく動くことになる。どちらに動くかが問題だ。ここで日本の株式相場は他の国々よりも低調だけれども力強い動きが出てきていることをほとんど見過ごされている、とする英フィナンシャルタイムズの記事がある。
①日銀によるデフレ退治はその終わりが見えそうになり、インフレ傾向が始まった。
②日本企業は潤沢な手元資金を持つに至った。
③観光客収入が5兆円以上も年末にかけて現れる。
来年は10兆円ぐらいあるかもしれない。10兆円はGDPの2%に相当する。アベノミクスの7年間でGDPの成長率は通算して1.1%だったから2%の観光収入は大きい。90年代のバブル崩壊から失われた30年を経ている間に投資家は市場から引退している者が多く、2000兆円を超す個人金融資産は証券市場から離れている部分が世界で一番多い。日本は通貨安の恩恵を受けている。これも「悪い円安論」に消されつつある。対ドルで32年ぶりの円安ということは局面によっては大きな日本経済のメリットとなる。弱い材料にばかり目を奪われて実際の長期的な先行きの明るさを示すデータには目を向けない傾向が最近流行っている。これがボックス圏内を形成している。世界的に見てPERもPBRも利回りも割安な日本株がボックス圏を形成しているのは以上のような経緯であると思う。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)市況コメント
(2)信用取引買い残が縮小している=「将来の売り圧力が緩和される」、裁定の売り残が高水準になっている=「将来の買い戻し勢力が大きくなる」
(3)「円安=株安か?」「円安=輸出に有利=輸出立国の日本は株高」の常識が覆るのか
(4)「史上最大の相場操縦」
(5)行き詰ったプーチンが戦術核兵器使用でまた行き詰る
(6)中国の「不動産バブル」、遂に最終局面
(7)脱デフレ時代か? 値上げは悪いことか?
(8)円ドル為替レートは日米金利差だけでは決まらない
第2部 中長期の見方
(1)世界の株式市場で先行きに対する警戒感がやわらいだ
(2)日本株投資に強気派が現れる(英フィナンシャルタイムズ)
(3)総合経済対策と、日銀の利上げは今はしない方針
(4)デフレを脱却して「物価が上がり賃金も上がる」。これが健全な市場経済なのだ
(5)日本人の大半はインフレに慣れていない
(6)米国がドル高でインフレを抑えようとすると被害が大きい
(7)バイデン政権はインフレ抑制に目途が付けばドル高是正に動く可能性がある
(8)日銀が超金融緩和を脱すれば海外投資家は日本株投資に向かう
(9)米中間選挙ラリー
(10)育ちの悪い者が天下をとるとロクなことはない
(11)ウクライナ侵攻は朝鮮戦争化するのか?つまり、長引いて「引き分け」の形で終わりにするのか?

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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