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【投機の流儀 セレクション】日銀が株式市場から抜けてから、市場はダイナミズムを取り戻した

日銀がETF購入を抑制すると発表したのは3月19日。政策修正を本格化させたのは4月で約半年を経る。その間日銀がETFを買ったのは2日だけで、7月・8月は2ヶ月間買わなかった。しかし、8月には日経平均は800円上昇した。日銀が政策変更してから半年間、大幅下落もあり、大幅上昇もあった。以前に、「動画」では「日銀が株式市場への介入を止めてから株価はダイナミズムを取り戻した感がある」と述べたが、その通りであろう。

2010年、民主党政権の政治不作為時代、白川元日銀総裁の時にETF購入の政策を始めた。7月に大幅に下げたが、日銀は買わなかった。

その反動もあって、相場はダイナミズムを取り戻した。7月・8月の2ヶ月間を見れば日経平均はマイナスだったが、8月の月間上昇幅は日銀が政策修正を決める前の2月以来の大幅反発だった。日銀が株式市場から抜けてから株式市場はダイナミズムを取り戻した。こう書いてくると、まるで日銀が悪かったかのような論調になるがそうではない。日銀は出るべき時に出て「官製株価操作」という役割を果たし終わったのだ。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)落ち着いた見方をすれば、こうなろう
(2)市場の様相
(3)市場の勢いと海外情勢
(4)米に早期利上げはなしとの観測で、3週間ぶりに国内投資家が外債買い越し
(5)侮れない「勢い」というもの、「選挙大好きな日本株」
(6)河野氏と岸田氏
(7)政局の「人事」は文字通り「ヒトゴト」だから関心引くが、本来「政局より政策」なのだ
(8)「苦労人の菅さん」の限界、及び日経新聞の8月末の調査では河野・石破16%、岸田13%となるから若手議員はその辺をどう動くか
(9)日経225銘柄のうち、3銘柄を入れ替える
(10)自民党総裁選は、現総裁が不出馬ということで市場は激変したが――次には政局より政策だ
第2部 中長期の見方
(1)岸田総裁候補の見識を見る
(2)「景気の本格回復は冬以降に」
(3)「街角景気」は3ヶ月ぶりに悪化
(4)蓋棺論的に見た白川前総裁にも黒田総裁
(5)「晴れた日にはGMが見える」
(6)日銀が株式市場から抜けてから、市場はダイナミズムを取り戻した
(7)世界の中央銀行から意図的に緩和脱出を遅らせている日銀
(8)8月20日には一旦27000円を割り込んで、年初来最安値を付けた。27000円割れから見れば、1000円大台を4回変えた。TOPIXはバブル後の最高値を示現した。日経平均で言えば、4万円に相当する
(9)日銀は金融緩和の長期的な持続を標榜しているが、日銀による国債の購入を減らし始めたことは事実だ。但し、日銀は用心深く静かに行うであろう


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
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