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【投機の流儀 セレクション】米株に比べて日本株は…

米株式市場に比べて日本株はハイテク株の物色は別世界だった、つまり「蚊帳の
外」だった。循環物色で物色内容が変われば日本株は出遅れているので海外投資家の注目を集める可能性はある。まして、海外投資家はアベノミクス始まって以来壮年期相場の天井まで20兆円買い越したが、それを全部売ってしまってまだ5兆円の売りこしになっている。もう売る分はない。
米国の長期金利(10年国債が基準となる)が1%を大きく下回る低金利が続いている。したがって、債券市場から株式市場に資金が流れ込む動きが出るであろう。

そのきっかけはワクチンが開発されその効果が発揮され、それが一般に行き渡る見通し(行き渡らなくても見通しさえ付けば良い)が次の相場の大きな契機となるだろう。 元々ハイテク市場の株価はPERやPBRや利回りではとても買えないところまで来ていた。例えば、テスラは今年に入ってから5倍以上になり、時価総額もトヨタの2倍以上になったがPERは1000倍を超えている。物色対象が変わるとすればバリュー株・景気敏感株・オールドエコノミー株、こういうものが今まで蚊帳の外に置かれていたから、こういうものに循環物色が来れば大きな相場につながる可能性はある。ワクチンも見通しが付けば消費者行動が変わる。消費は日本のGDPの6割を占める。アメリカでは7割を占める。代表的な百貨店株に見られるように消費関連は長期間低迷した。景気敏感株でオールドエコノミーの代表である日本製鉄(5101)は800円から1180円まで戻った。
やはりオールドエコノミーの代表格で景気敏感株の日本郵船(9101)は1100円から1926に上がった。このように景気敏感株やオールドエコノミーや消費関連株、に循環物色が来れば大きな相場になる可能性がある。こういう銘柄は元々指標から見て割安だったから海外から買いが入れば日本の古いタイプの投資家(例えば筆者のような)はそれに追随するか先回りして買う可能性もある。
きっかけはワクチンである。その効力とそれが普及する見通し(繰り返すが見通しだけで良い。株式はそれだけで動く)がポイントである。日本株買いの場合は今まで蚊帳の外に置かれていた景気敏感株・消費関連株・オールドエコノミーなどであろう。ウォーレン・バフェットがいち早く商社株5社を発行株数の5%を買い、米の「5%ルール」に従って公表した。これなどはそれの象徴であろう。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)企業業績――証券大手3社の業績予想
(2)先週の三つのイベント
(3)物色対象に変化か、そうなると相場は強い
(4)景気敏感株に買い、グロース株からの転換あれば日本株全体は底堅い
(5)直近の資金の動き
(6)米株に比べて日本株は…
(7)国内総選挙、11月1日投開票説に現実味がある
第2部 中長期の見方
(1)米中の限定軍事衝突はあり得る
(2)バイデン大統領が実現したらどうなるか
(3)安倍政権時代を再評価する時代が来る
(4)口座新設がコロナ前に比べて5割増えた
(5)カントリーリスク悪化上位10ヶ国、改善上位10ヶ国
(6)コロナが生んだ米国株の特色
第3部 景気循環学会副会長は「2025年に『超景気』が来る」と昨年著した自著で説く――景気変動の見方に別の方法があるということ、専ら景気変動のサイクルから見る見方、株価変動面から言えば「日柄」から見る見方
(1)景気を「景気動向指数」から見るのではなく、「変動サイクル」から考える見方」――株式相場で言えば日柄から見ることと似ている(長期波動と大国の興亡、世界の覇権を10年後には中国がとるかという問題を含めて)
(2)「日本経済 恐慌の予兆――下降するコンドラチェフの波」 (3)「第三の超景気」景気循環学会副会長(みずほ総研)


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
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