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【投機の流儀 セレクション】株は悲観ムードの今こそ買い

「株は悲観ムードの今こそ買い」
これは米著名投資家のケン・フィッシャー(フィッシャー・インベストメンツ創業者)の週刊ダイヤモンド誌9月17日・24日号の標題の文言である。
以下、これを私見を一切交えずに客観的に要約する。
1月の高値から米ドル建てでマイナス20%下がった株式は、20%を突破した6月中盤以降、ニュースは世界の「破滅」を表すかのような見出しを報じてきた(筆者註:NY市場では20%以上の上昇トレンド・下降トレンドはNYダウ創設の1896年以降130年間で14回しかない。したがって、20%のトレンド変化は弱気相場入り・強気相場入りを意味するとされている。
したがって、6月中盤以降は世界の株式は弱気相場に入ったということになる。カッコ内は筆者註)。
極端な円安が東証株価の株価を和らげたが、多くの人々はこの先より大きな悩みの種が待っていると思い込んでいる。但し、それは誤りだ。たいていの下落と異なり、この世界的な弱気相場が投資家心理が主導している、言わば市場の調整に似た特徴だ。
異例の深度は無数の懸念から生じて投資家を混乱させている。私がおそらく「不信の悲観論」(Pessimism of Disbelief:PoD)と呼んできたものを生じさせた点だ-それこそが今、日本の国内外で相場回復の礎を築いてもいる。以上は原文通りに掲載した。

以下、客観的に要約する。
このところ不信の悲観論が偏在している。ドイツの調査会社センティックスがまとめる投資家信頼感指数は、日本経済の見通しについて2009年3月(前年8月に生じたリーマンショック後の最安値で日経平均は一瞬7,000円割れ)の時の世界金融危機の深淵にあった時以来の最低水準にある。以上は原文通り。

不信による悲観が蔓延していた2020年のことだ。同年2月の日本の鉱工業生産が前年同月比26%減といった、悪い遅行系列のデータがニュースを独占してコロナ禍の制限に伴う下落を引き伸ばした。
筆者註:この時の3月19日の1万6,500円割れが仮称「コロナ相場」の始動点となった。本稿はその4日前の日曜日に「百年兵を養うは、この一日に用いんがため」と檄を飛ばした。それは本稿20年3月15日号だった。そこから11ヶ月で日経平均は1.83倍になった。今はそのコロナ相場の始動点と同様な現象を呈しているというのがケン・フィッシャーの言い分である(週刊ダイヤモンド誌9月17日・24日号)。
以上、筆者註と書いた部分以外は原文通り掲載したか、または客観的に要約した。

【今週の目次】
第1部 当面の市況
(1)市況コメント
(2)1ドル140円なら今期経常利益8%に増大
(3)所謂「7年周期説」というものがある。たまたま2022年は「7年周期説」の年に該当する。
(4)「円安進行は1ドル=144円~146円」、この見方が35%
(5)国葬中止の騒ぎに思うこと―支持率40%、不支持率40のデッドクロス
(6)コロナ第7波にピークアウト感
(7)名門企業で割安ではあるが成長性が少ないから全く動かなかったという銘柄が底堅い動き
(8)この1ヶ月間はディフェンシブ銘柄が強かった
第2部 中長期の見方
(1)岸田首相の国民世論と「党内世論」の食い違い矛盾―ここから出る岸田短命説
(2)「株は悲観ムードの今こそ買い」
(3)旧統一教会叩きには少し違和感を覚える
(4)ふたたび「新しい資本主義」とは何か?
(5)日本の多くの政権が戦後の高度成長期を学んで経済再生の方策を描いてきたのは間違いである
(6)黒田日銀総裁のレトリックに罪はないか?
(7)長期的な見方については別の角度からの考え方がある。
(8)人材・人財・人罪・人在
(9)何故予見するのか、準備するためだ
(10)「バフェット氏には逆らうな」
第3部 読者との交信
「週報」についての交信(9月13日、K様との交信)

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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