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【投機の流儀 セレクション】コロナショックとリーマンショックの本質的な違い

本稿は、およそ相場に関係する要因は、市場外要因であれ内部要因であれ、全てに目を配り,「セイテイ、偸眼にしてハクロウを避く(★註)」の訓えを踏み行うつもりのものであります。
(★註)セイテイ=トンボのこと、偸眼にして=ちらりと見る、ハクロウ=カマキリのこと。トンボはチラリと盗み見るだけでカマキリの刃を避ける、の意。従って浅く広く多岐にわたるが、目次を付けておくから関心ある部分だけを拾い読みすることもまたよいでありましょう。

既報でも述べたがこの二つは比較にならないし、リーマンのことは参考にはならない。コロナの場合は、①意思のない敵・見えない敵という言わば天災のようなものによる実体経済の急激な悪化、それを先取りした急落であった。その恐怖感が2ヶ月間で7,500円も下がるという平成史上最速の下げを演じ、また急落したものは急騰するから、3月末は3日間で3,000円上がるという、これも平成史上稀有なことが起こった。そして2週間で半値戻しをするという稀有なことが起こった。リーマンショックの場合は違う。これはサブプライム・バブルの破綻という過剰債務の過剰リスクが生んだことであり、市場経済の破綻が実体経済に影響を及ぼした。この意味でコロナショックとは全く逆である。コロナショックは、実体経済の急激悪化を先取りした金融市場の急落、これがコロナショックである。金融市場の問題から起こって金融市場が破壊された、これがリーマンショックである。したがって現象がリーマンショックとは全く違う。参考にはならない。
例えば恐怖指数と言われているVIX指数などは明らかにそれを表している。リーマンショックの時は85ポイントを超えるところまで上昇したが、逆三角形型で終息した。コロナショックの時はグラフに書くと一直線上に上がり一直線上に終息した。日足で言うヒゲのような形状を呈した。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)先週末は感染拡大と中国株安で下がって引けたが、週明け目先は買い先行で始まろう
(2)下値にテコの入った「人工相場」
(3)膠着相場に波乱の予兆
(4)日本株の外国人持ち株比率は前年度に比べて僅かに上昇した
(5)6月第4週の海外投資家は3週連続で日本株を売り越した
(6)週初で明らかになった東京都知事投開票
第2部 中長期の見方
(1)景気は「大幅に悪化」「極めて厳しい」
(2)中長期の見方;下期見通し
(3)LME先物の銅、5か月半ぶりの高値
(4)自粛解除で人出が増加し第2波を招けば景気は二番底に陥る、しかし下値は深くはない
(5)コロナ第2波の影響
コロナ第2波と経済実勢の回復
(6)コロナショックとリーマンショックの本質的な違い
(7)感染第2波を招けば景気は二番底に陥る恐れ
(8)安倍政権の緩みが隅々にまで現れた、余命いくばくもない
(9)中安倍政権余命10ヶ月の宣告
(10)ポスト安倍は誰だ
(11)トランプ大統領再選なるか
(12)四面楚歌のトランプとバイデン大統領誕生説
(13)「グローバリズムに対する危機」に関する補稿
(14)FRBの役割の変化
(15)「三友地価予測指数」
第3部 読者との交信蘭
京都のIさんとの交信(7月7日)


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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