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【投機の流儀 セレクション】アメリカに不吉な予兆

米国で消費者信頼感指数の算出のため、ミシガン大学が実施するアンケートの一つに「翌年に株価が上昇する確率」のアンケートがある。12月時点で、「翌年に株価が上昇する確率」が64%になっているという。(日経新聞12月27日号)。

この確率は、ITバブル相場終焉の2002年以降で最高である。

こういう時は、好材料はすでに出尽くしていることが多い。株高予見確率が高いほど、実際の株式市況は弱まる、というアノマリーがある。

いま、こんなことを言うと非難されるが、高度成長時代(1973年まで)は、「大衆週刊誌に株の話が出たら要警戒だ、婦人雑誌に株の話が出たら間違いなく天井だ」という「兜町の常識」があった。

実は2007年夏、「小泉郵政改革相場」で日経平均株価が2003年春から2倍半になった頃、筆者は信州蓼科高原にいたが、そこへ遊びに来た妻の友人たちが一斉にREITの話ばかりして盛り上がっていたのを見て、その1年前に聞いていたサブプライム債券の危険性に加えて警戒心を筆者は強く持った。その1か月後に仏パリバ銀行のサブプライム債券破綻、日経平均は5千円下がった。サブプライム破綻を契機にしたリーマンショックはその翌年9月だった。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)先週の超閑散市況──「閑散に売りなし」
(2)当面の市況:その顔は「異相」だ
(3)今年最後の週は、「激動の昨年12月」と打って変わって超閑散・無相場
「閑散に売りなし」の格言通りの最終週間
(4)トランプの「再選ファースト」で振り回される株式市場
(5)「This is Japan銘柄」、代表格である自動車株の動向

第2部 中長期の見方
(1)アメリカに不吉な予兆
(2)2020年の見方
(3)米中貿易の「第1次合意」に意外性
(4)海外要因は目先的には一段落したが…
(5)変調のシグナル
(6)「2021年3月期は大幅増益に転ずる」という前提がなければ、今の株価レベルは説明がつかない「期待先行」のレベルだ
(7)年明けから起こり得る警戒サインの点滅
(8)トランプ大統領は再選される、そうすると株は下がる
(9)中長期の見方:来年、株式市場に最も影響力のある人物
(10)中長期の見方:「富裕層、暴落予想が過半」と所謂「ファンドマネージャー」なる者の実態
(11)日本株は企業のファンダメンタルズよりも外部要因に左右されることは事実だ
(12)米中貿易戦争の本質−1:トランプよ、あわてるな
(13)米中貿易戦争の本質−2:重大な情報はヒトが運んでくる
(14)重大な情報はヒトが運んでくる─2
(15)「負けない投資家に学ぶ」「気まぐれ相場の歩き方」
(16)「噂で買って事実で売れ」“Buy on the rumor, Sell on the fact.”

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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