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【投機の流儀 セレクション】マザーズなど新興市場堅調――個人投資家のストックマインド旺盛

先週、マザーズは年初来高値に迫った。第1市場で言えば1月高値の2万4080円に相当する。
コロナ第2波が警戒される中で大型株やオールドエコノミー株は輸出企業が多いので敬遠され、国内需要中心のITサービス産業に個人投資家資金が集まった。個人投資家のストックマインドは決して冷え込んではいない。

私事に亘るが筆者も本部隊はキャッシュポジションを高くとったままで休ませておいて、ゲリラ部隊をマザーズ市場に少々稼働させて多少の利益は出したが、こういうことを重ねても本格的な金融資産は構築しがたいと思っている。

IT業務には筆者は詳しくないがそれは一向に支障ない。短期投資のつもりでいるから専ら需給関係で見ている。発行株部数と流通株数と売買株数とを子細に見ていれば小型株の動きは読める時がある。想定と違ったら直ちに投げる。
具体的には17日の「動画」で、70万株の流通株数だけで9410円から4週間で4万円なったり、そこから2週間でまた2万円で買えたりする例を報告した。需給関係の読める同一銘柄で4回やって4回うまく行った。

一度手を染めると「病みつきになる」ということを筆者は多くの失敗者を見て承知しているつもりだから実は先週、一切の手を引いた。今、敢えて古典を引けば、「三十六計、逃ぐるをこれ上策とす」である。こういうものは「退き際が肝心だ」という訓えを、(忸怩たる気持ちで告白するが実は)現職時代に顧客の資金で学ばせてもらった。こういうことを言うと顰蹙を買うだろうが、本質的に筆者は賢いわけではない、投資家は失敗から学ぶものだ、ということを述べたかった。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(はじめに)目先・中長期を睨んで
(1)先週初月曜日の午後の後半に突然の急落
(2)第1市場は、か細い相場付きだ
(3)当面の市況は全体から見れば「無相場」というか「往来相場」の範囲
(4)国内の景況感は一応底は打ったようだがレベルは低い
(5)先週号第1部(1)で「穏やかに始まっても不安定な展開になる恐れはある」としたが・・・
(6)マザーズなど新興市場堅調――個人投資家のストックマインド旺盛
(7)現在の株価水準はPBRで見た限り「適温相場」の上限に近い 。しかし、PERで今の株価は語れない。
第2部 中長期の見方
(1)「コロナショック」はリーマンショック以上のGDPマイナスだし、「90年前の大恐慌以来」と言うが、両方とも参考にはならない
(3)NYダウに下落局面入りの示唆か――下方トレンドへの転換の可能性
(4)バイデン政権になればどうなるか――語れないこともない新・日米蜜月時代の到来
(5)トランプ、高齢層・白人女性層・ホワイトハウスの相当部分などの支持率低下
(6)株価は「コロナバブル」の危うさを抱えているのか
(7)中長期及び当面の市況
(8)第2波警戒の動き
(9)「戦後最悪の景気」と「戦後最大の経済対策」
(10)NY市場に大きな影響を与える労働市場
(11)大相場の始まりか、中間反騰か
(12)天安門を忘れたらトランプは再選されてしまう!
(13)平成元年6月の天安門事件で野蛮な独裁王朝の実態を見た西側諸国に対して親中の態度を露わにして見せた海部内閣・宮澤内閣という平成初期の日本の対中外交の失敗が現在の覇権主義中国を生んだ、これは既報で何度も述べたがこれに対する重要な追加
(14)「嶌信彦通信」より
(15)株価に遅行して連動してきた不動産相場はどうなる?
第3部 読者との交信
「熱心な読者Tさん」との「財政出動の始動と実体経済への奏功と株価上昇とのタイムラグ及び賞味期間」についての交信(6月17日)

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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