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【投機の流儀 セレクション】「This is Japan」という銘柄は間違いない

「出口戦略の時機に迷う日銀」「動けぬ日銀」「悩み多き時機を抱えた日銀」 これを株式市場は見透かしているかのように見える。

おそらく4月の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除を決めるだろうと筆者は予想している。そしてその後、割合に早い段階で0.25%程度の利上げに踏み切るであろう。何度も述べるが、これは本当のところ「脱デフレ宣言」の意味であり、当然に今春の春闘がインフレを上回る賃上げが進むと見て「成長と分配の好循環」が動き出したことを認定したことになり、日本経済にとって本当は良いシグナルなのだ。

ところが「日銀は当面動けないだろう。このまま低金利が続くだろう」と日銀を見透かした市場は、筆者の考え通りには解釈しないで「利上げ=株下落」ととるのではないだろうか。
もし、ここで大幅な波乱があったとしたら、そこは絶好の買い場だと筆者は考えている。何を買っていいか判らない場合は日経レバレッジ(1570)を買うのも一つの手であるが、最も賢いのは時価総額が大きく、PBRとPERが低く、利回りが結構あって、歴史もあって、世界に名の知れた企業で時価総額も大きい(そうでないと海外投資家やファンドは買ってこない)という、いわゆる「大通りにある銘柄」「『人の行く裏に道あり花の山』の掘り出し物ではなく『大通りにある銘柄』」が一番当たりはずれのない銘柄である。

ちなみに私事に亘るが、筆者は東京電力(9501)を何度も何度も売買して、結果的には失敗はなかった。300円台〜400円台を買い、700円台後半〜800円台は売るといったことをここ10年何度も繰り返したし、古河電工(5801)なども2100円台を買って、2400円前後を売るということを4回繰り返した。レゾナック(旧名昭和電工)(4004)も2200円台を買い、3000円近いところは利食いした。日本製鉄(5401)を同様に安いところは買って吹き値は売った。何回もやった。典型的なのは海運御三家だった。

このように1.誰でも知っている銘柄 2.時価総額が大きい 3.歴史もある 4.PBRもPERも低い、いわゆる「大通り銘柄」が深く突っ込んだら買っておくのが間違いないと思う。「This is Japan」という銘柄だ。

2020年3月19日のように、一瞬でアベノミクス期間の上げ幅の半値を下げてしまって、PBRも0.8倍、PERも10倍となったような時は一刻を争う。銘柄を選んでいる暇がないから日経レバレッジ(1570)を可動資金の半分ぐらい買った。短期間で5割増えたので売った。売らなければ、もっと利益は出た。筆者はいつもそうだ。早めに売ってしまって、売らなければもっと利益が出たということを繰り返している。

格好つけて言えば「自分だけが儲ければいいというものではない。儲けさせてもらった銘柄は市場にお返ししておく」ということになるが、実態は「せっかち」なのである。だから買い遅れることは滅多にないが、売るのが早過ぎる。売る場合は、筆者の意見を鵜呑みにしない方がいいと思う。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)昨年3月に東証が企業向けに出した経営改善要請は、海外投資家に意外と効いた。対日投資の1月第2週の買い越し額が1.44兆円となり、これは昨年の3月、保合い離れした時以来の大きさである。1月第2週は日経平均2200円高となる。
(2)「最も注目する投資主体」を訊く設問に対して、個人投資家とこたえた割合が23%に増えた。
(3)1月17日(水)は半年ぶりの振幅値幅─「波荒きは天底の兆し」か?
(4)反落した日は大型著名株の底堅さが目立った。
(5)信用取引の買い残高が4週間連続して減少
(6)金融と財政で需要超過を作り出して、好循環を起こす。
(7)マイナス金利の解除は、本当は「脱デフレのミニ宣言」であり、好ましいことだが、市場はそう採らない。
(8)「This is Japan」という銘柄は間違いない。
(9)海外勢とシタタカな個人投資家
(10)1月12日(金)の「幻のSQ」が「炭鉱のカナリア」か?

第2部;中長期の見方
(1)地殻変動の原因となる巨大なエネルギーは深海のプレートの移動から始まるから、深く静かに徐々に行われるのが本当は好ましい。
(2)百貨店をはじめとして、小売企業の業績が好調。日本は高い授業料を払って、且つ30年間という長い1〜3学期を経て、経済成長反対ということの愚かさを学んだ。
(3)「アフターコロナ」が脱デフレにつながった。好機はある!!
(4)「ミニ政変」は何を生むかについて、ゼミ友との交信─岸田首相は自ら「岸田派(宏池会)を解散する」という珍種の手を打つと表明
(5)ロンドンの金融センター機能は復活しつつある。

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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