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【投機の流儀】日米株式に楽観ムード。この背景の危うさ


第1部 当面の市況

(1)8月はFOMCの開催がなく、短期筋が「鬼の居ぬ間に洗濯」とばかりにサマーラリーの佳境にある米市場だが……
先週末の米国市場では、NYダウは終値3万3706ドル前日比▼292(▼0.8%)、ナスダック指数は1万2705ポイント前日比▼260(▼2.1%)の下落となった。CME日経先物は2万8745円、現物の週末値より200円程度安い水準で取引を終えている。

米国市場の局面は、6月CPIショック安値を境にして「逆・金融相場と逆・壮年期相場の間」の中間反騰局面にあると本稿では見ている。今回の安値が大底との判断は時期尚早で、中間反騰局面が終わると、次に実勢悪を織り込む「逆・壮年期(逆・業績)相場」へ移行する流れを現時点のメインシナリオとしていることに変更はない。

そして、200日移動平均線に到達したこと、サマーラリーのアノマリーなどからは、中間反騰局面の佳境場面に入ってきていると捉えている。

米国市場における「サマーラリー」は、具体的には7月4日の独立記念日から9月第1月曜日のレーバーデーの期間を指し、2022年は9月5日(月)となる。特に8月はFOMCの開催がなく、短期筋は「鬼の居ぬ間に洗濯」とばかりに、200日移動平均線水準までのテクニカル的な「自律反発の域」で戻りの騰勢を加速させてきた。
しかし、NYダウは200日移動平均線に到達し、19日時点でのNYダウ終値:3万3706ドルに対し、200MA:3万3858ドルと、200日線を超えた水準の維持は3営業日にとどまり、週末に再度200日線を割り込んできている。またNY市場の騰落レシオ(25日)は134%と、相場の好循環と過熱の綱引きの状態にある。

次回開催のFOMC(9月21日)の接近につれて、市場の楽観は徐々に後退してくるだろう。

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