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【投機の流儀 セレクション】日本企業の「稼ぐ力」底上げ


日本は言うまでもなく、エネルギーの殆どを輸入に頼るため、資源価格が上昇すれば輸入物価が押し上がる結果になる。2021年4月以降、輸入価格は前年比2桁ペースで上昇した。ところが最近、日本企業が海外貿易で受けるコスト高の圧力が緩んできたという(日経新聞8月10日号)。

そうなると、設備投資や賃上げに勢いがつく。「成長と分配の好循環」が生まれる。これを岸田政権が標榜し出してから1年半を経て、その兆しは見えてきた。「30年ぶりの賃上げ」「過去最高のボーナス」「設備投資に弾み」が現象面に出でてきた。

 このタイミングで筆者が言いたいのは一つだ。
岸田総理の実子の問題、政策の提言に力あるとされている副官房長官のスキャンダル、このようなことは筆者に言わせれば大勢に影響ない。票田をマーケットに例えれば、政治家の商品価値は政策立案力と執行力だ。これが「本質」だ。「本質」と「大勢に影響ない些事」とを区別したい。

マスメディアも商売だから、煽情的ニュースは載せたがる。筆者はそれが悪いとは言わないが、「国民の教養レベル以上の政治は生まれない」なる名言を拳々服膺して、我々は臨みたい。

【今週号の目次】

第1部;当面の市況
(1)市況コメント
(2)「日本株買い、第2幕の胎動」─「胎動」=未だ、生まれてはいない。
(3)日本の低金利は、未だ続いている。
(4)「日本経済の大底を買う相場」「悪材料出尽くしの日本を買う相場」
「衰退する30年の終わりを予知し、次の躍進への期待を買う相場」
(5)Wトップは、簡単には抜けない。
(6)日本株の独歩高に一服感か?
(7)「昔の名前で出ています」の復活
(8)市場参加者の間では、企業業績への期待感が高まっている。その裏付けもある。
(9)日本企業の「稼ぐ力」底上げ
(10)「価格帯調整ではなくて、時間調整だ」この続きは?
(11)日本企業の稼ぐ力が上向いている。
(12)個人投資家だけでは上昇相場の第二幕は実現しない、その訳は?
(13)値嵩株の効き目

第2部;中長期の見方
(1)GPIFが黒字最高19兆円、この好事に潜むのは売り圧力
(2)年金に好悪両面あり
(3)植田総裁は、実は政策修正に半歩踏み出した。
(4)本来は市場で決まる長期金利をも、当局がコントロールしようという趣旨のYCC
(5)インフレ対策の転機が世界に起きている中での植田日銀
(6)FMSの怪異
(7)二つの地政学リスク─1.トランプ大統領出現 2.台湾有事
(8)「実を言うと、天下のCIAもウクライナ戦争の核心的な部分については、よく判っていない」
(9)ドイツ銀行の調査では、米経済は暗くない。
(10)円安を決める主導権が米国の金融市場に握られた。
(11)マイナンバーの問題ではない。デジタル庁だけの問題ではない。政治官僚と専門家との仕組みの問題である。

第3部;読者との交信蘭

蛇足;持ち株を売る時の注意を述べたい。

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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