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【投機の流儀】コロナ禍を契機に抜本的に考え直す問題――市場がそれに気が付いて自律的な動きをし始めるのを恐れる

第1部 当面の市況

(1)先週末の様相
先週木曜に日経平均はコロナ前のレベルまで回復した。日本株がコロナで急落する前の2月21日を「コロナ前のレベル」とすれば、2万3386円である。
故に6か月半ぶりに「コロナ前」を回復した達成感もあり下がるところへ来ていた、そこへNY大幅安に遭遇した勘定だ。

マザーズ市場が個人投資家の買い主力として2年3か月ぶりの水準に及んだ。
2年3か月前と言えば、日経平均で言えば老年期相場の盛んな頃である
2日の米ナスダック総合株価指数は史上最高値を更新した。
これにて第一幕は済んだとばかりに金曜日には勢い良く下がった。
先週週末、NYはあれだけ上がったのだから下がるのは道理でもあろう。下がったものは上がるし、上がったものは下がる。契機は、前日夕刊に載ったロビンフッド証券へのSECの調査である。この証券会社が投機資金を場につなぐ主力であった。ロビンフッダーという個人投資家群である。注文処理の開示を怠ったということでSECの調査を受けていることが明らかになった。800ドルの下げを演じ、つられて日経平均は360円安から始まったが時間の経過とともに落ち着きを取り戻した。
前々日からの菅さんの発言で地方銀行株再編の動きの思惑が働いて福島銀行がストップ高、栃木銀行がストップ高した。こういう動きがいつかは出るだろうと以前に「動画」で筆者が「地銀株の一部も買い候補に入れている」「と報告したことがあった。但し、ここから地銀の大相場が来るとは思えない。東日本震災の時も仙台の地銀株で、仲間に「火事場泥棒」と揶揄されながらストップ高を取ったことがあった。こういうのは「間欠泉銘柄」だから筆者ならストップ高は即刻売る。
中国で8月の製造購買担当者景気指数(PMI)が発表、9年7カ月ぶりの高水準。米国で同じく米サプライマネージメント協会(ISM)の景況感指数の発表、4カ月連続上昇、1年9カ月ぶりの高水準。どれも株式市場に直接に影響する数値である。株式市場のボラティリティが高まっているのは無理もない。
ところで、日本株は相対的に先進諸国に対して非常に出遅れている。昨年末に対して米S&P500種株価指数は8%高、中国株は約10%高に対して日経平均は3%安の水準だ。先週号での述べたように日本株の舞台にはスーパースターが1人もいない。

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