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【投機の流儀 セレクション】買い一服感が横溢して、膠着状態

日経平均株価は4月18日(火)先々週末から先週火曜日まで、終値で言う限りは8日間連続続騰であった。しかし、上げ幅は小さいし、売買高も多くはない。3月の戻り高値を抜いたところで、先週火曜日は終えた。8連騰の上げ幅は1200円。上昇株が大きかったのは商社株と内需株だったが、これらに買い一服感が横溢して、膠着状態をもたらすであろう。

週末は6日連騰の後は連日が小確りだった。週末の騰落レシオ(25日)は135%でやや買われ過ぎというところであるが、ちょうどこのぐらいが「適温」であって、140%・150%と進むにしたがって活況を呈するケースが少なくない。25日との乖離率はプラスの2.3%。これもちょうど見方によっては「適温」というところであろう。が、実際は戻り高値圏内のボックス内を抜けない。

米国景気の先行き不透明感(★註)や、円高の進行が重荷となって、利益確定売りに押される場面もあった。米国では経済指標が弱含んでいるものが相次いで株価指標はそろって下落し、それが日本側にも波及して日本株は小安かった。東証株価指数TOPIXは3日続落したが、連騰の後にしてはしっかりだったというところであろう。

8日連騰の後も戻り高値圏で崩れない。3月期決算期企業に関しては決算を待ちたいとの気もあり、小型株に資金が回った。19日(水)に公開したジェノバ(5570)などは、470円の売り出し値段に対して2100円で初値が付く有様だった。初値がこれほど離れたことも最近では珍しい。

米ベージュブック(表紙がベージュ色だからこう呼ばれているが、FRBの一部の地区連銀の報告書)によると、FRB地区連銀が銀行の融資機軸の厳格化を報告したという。したがって、5月のFOMCに出される貸し出し態度調査も厳格化されるであろう。再来週で利上げ打ち止めと見る東京市場は8日連騰の後にしては底堅い。

(★註)市場は常に不透明と決まっている。透明な市場などない。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)市況コメント
(2)当面の市況─買い一服感が横溢して、膠着状態
(3)異次元緩和解除は2年後、当面は円安・株高だという見方
(4)日経平均株価で「25000円と30700円の間」のボックス
(5)欧州主要50社の株価指数、高級ブランドが牽引し、22年ぶりの高値を更新
(6)最近の日本株式市場で内需株が高いが、これは日本経済が堅調である兆し
(7)当面の市況を子細に見ると・・・
(8)植田日銀の政策について予想する。
(9)欧米の金融市場の不安は、まだ片付いたとは言えない。
(10)衆院解散して選挙に打って出るなら、岸田首相はウクライナを訪問した時にロシアへも寄ってくるべきだった。

第2部;中長期の見方
(1)米、景気後退入りはある─株を買う時期
(2)次期大統領選の行方
(3)先進国の中で日本が比較的優位
(4)中長期強気の根拠─その1:東証が出す改革案、その2:NISA改革案
(5)日経ヴェリタス紙4月16日号の特集「人口減少に『待った』」
(6)岸田首相の「異次元の少子化対策」
(7)人口減が判っていても、日本に投資する海外勢
(8)日本の最大成長産業は農業だと述べ続けてきたが、観光業でもある。
(9)華僑ならぬ「印僑」の広範な活躍
(10)原油価格は長期的に見たら安定しない─イランとサウジアラビアは、必ずしもうまく行っているわけではないから
(11)「REIT 霧は晴れるか─植田日銀で転機、金利上昇に克つ銘柄探し」
(12)人口問題─人口減少して栄えた国は古代から無い。
(13)人口減少で栄えた国は古来無いが、労働力逼迫が「30年間の停滞」を打ち破る可能性を見つけるかもしれない。
(14)トルコ大統領 接戦
(15)トルコ事情
(16)中長期の見方として東電の話

第3部;読者との交信欄

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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