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【投機の流儀】日本株の相対的優位性

第1部;当面の市況

(1)市況コメント

6月高値以降の日経平均は4ヵ月に渡り下落が続き、値を保っていたバリュー株も崩れた10月の株式市場は大きく悲観に傾き、ブラックマンデー再来を指摘する弱気派の意見も台頭した。 
しかし、11月に入り、一気に6月高値水準に接近する戻りを見せている。

【大局観の確認】
大局的な視点に立てば、日経平均は2012年11月のアベノミクス相場始動以降、右肩上がりの構造的トレンドが相場を下支えしており、平成バブル崩壊での右肩下がりの下落局面とは大きく異なる。加えて、来年からの新NISA制度は、構造的トレンドを更に支える材料となる。

コメ相場師・牛田権三郎の三猿金泉秘録に「耳に弱変を聞きて、心に弱変の渕に沈むことなかれ。ただ心に買いを含むべし」とある。右肩上がりの長期上昇トレンドが継続する前提では、相場が悲観に傾いた時こそ、好機到来として迎えられる投資姿勢を今後も堅持したい。

【短期視点】
週末の米国市場は小動き。ナスダック指数の11月騰落率は+10%と、これまでの上昇ピッチが速く、週末要因もあり、様子見の動きとなっている。
尚、CME日経先物終値は33495円と、週末現物値(33585円)より90円程度安い水準で取引を終えている。

米中対立での規制強化が重しとなっていた半導体のSOX指数は「半導体サイクルの底打ち期待」と「15日(水)に行われた米中首脳会談に向けての期待」で、11月騰落率は+16%の大幅高となっている。
この動きを背景に、11月の国内市場でも半導体が牽引するかたちで日経平均の騰勢に繋がっている。物色の流れは、米景気後退を意識してか、景気敏感株の戻りはやや弱く、金利低下を好感したグロース株の騰勢が目立つ。

様々な懸念材料で悲観に傾く市場であったが、取り敢えずは悲観に傾き過ぎた修正局面となっている。この修正局面が年末まで継続するかを注視していきたい。

米金利低下を好感した半導体のSOX指数は3週間で+16%上昇、連動する国内半導体ETFも+22%の急上昇となっている。一方で、米10年債利回りは短期的な下落一服の水準に接近してきている。
12月12・13日のFOMCを控え、短期的な上昇一服局面は近づいていると捉えている。

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