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【投機の流儀 セレクション】2024年相場を考える──超長期で見れば上昇志向ではあっても大きな反落が何度も起きる

2024年を考えると
1:3月期の上場企業の純利益は前期比13%増の見込み。

2:春闘の賃上げも昨年以上のものが見込める。
超長期で言えばメガトレンドの変化によって30年間下降し続けた日本が復活するものと考 えるが、そのプロセスで大きな波乱が何回も何回も起こるであろう。アベノミクス大相場の7年間で日経平均は2.8倍になったが、その期間に15%前後の下げは7回あった。15%と言えば今のレベルに当てはめれば日経平均5000円位に相当する。
24年1月現在、今ほど国内外の波乱要因を多く列挙し得る期間はまたとなかったと言って いいぐらいだ。例えば、中台問題は日中問題に転ずる。トランプの登場による混乱。日米の金融政策の真逆から起こる混乱(円高円安の振れ幅が大きくなる可能性など)。目下続いている二つの戦争の結果によって起こり得る日本への影響、岸田政権の崩壊、それによる「成長と分配の好循環」の事実は継続したとしても政策として標榜するものが消えると「大相場は政策とつきものだ」のテーゼがなくなる。

いちいち列挙するまでもない。何かが起こるのが株式市場というものだ。株式相場の変化には「唐突」という言葉はない。必ず因果関係が在って現象する。現に、日経平均が2.8倍になったアベノミクス大相場の期間でさえも14〜15%の下落は4回あったし、20%を超す下落も3回あった。
今の日経平均で言えば5000円幅〜8250円幅(25%下落、アベノミクス相場の15年12月1日〜16年2月12日までの下げ幅)、あるいは20.36%、今の相場で言えば6700円幅の下落(アベノミクス相場の青春期相場の終焉をつくった、俗に言う「バーナンキ・ショック」、13年5月22日〜6月13日までの20.36%下落。

このように、日経平均が2.8倍になった7年間の大相場でさえ大幅攪乱が7回も起きている。今年以降、大幅高な攪乱が時には生じて「もはやメガトレンドの変化を買う相場は終わりだ」「岸田政権崩壊とともに長期相場も崩壊した」と半数以上の人が思い込むような事態が生じるであろう。この時こそ「賢者の投資と愚者の投資」が峻別される時であろう。

コメ相場の格言に曰く「野も山も、ヒトも我も弱気なら,戯けになりてコメを買うべし。
*筆者註:「野も山も」=政治も経済も森羅万象が全て弱気で、の意)
「ヒトも我も」=評論家もアナリストも弱気で、自分自身も、の意)
「我も」=自分自身も弱気になっている。それを超越して買うのだ。従って自己超越の哲学が要る。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)今年に入っての最初の二日は、こうだった。
(2)北陸震災に思う─石川県志賀町にある原発は大丈夫だった。

第2部;中長期の見方
(1)マイナス金利の解除は、年前半に決断か。
(2)2024年の台風の目はどこにあるのか、列挙してみよう。

第3部;2023年はこんな年だった。「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」
(1)2023年はこんな年だった─その1
(2)2023年はこんな年だった─その2

第4部;2024年相場を考える─超長期で見れば上昇志向ではあっても大きな反落が何度も起きる
(1)大きな反落が何度も起きる。
(2)極めて波乱に富んだ年になるだろう─「遊泳の名人は激流を好む」(木佐森吉太郎著「新株式実戦論」)
(3)日経ヴェリタス紙が市場関係者を対象にしたアンケート(回答者は68人)を要約する。
(4)2024年を考えるに当たって、重要なポイントを要約しよう。
(5)植田日銀総裁は「近い将来の金融政策の修正を示唆する内容」を示した(2023年12月25日経団連講演)。
(6)経常利益は大幅に増えるが、日米の円ドル為替の動きは微妙
(7)岸田内閣が標榜する「成長と分配の好循環」は、このようにして実現する方向へ動く。
(8)日経ヴェリタス紙のアンケートによる「2024年、買いたい株」と2024年の日経平均高値の予想と円安の予想
(9) 米中対立が決定的に重要な理由─日本に有利になる。
(10)アクティビスト(「物言う株主」)は一昔前の「総会屋」とは違う。

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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