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【投機の流儀 セレクション】委縮しつつある日本

「世界の中の大国」として足りなかったのは政治力だったような気がする。経済交流が東西で遮断されていた冷戦時代、国際的な製造業の拠点は日本と西ドイツに集中した。その結果、日本と西ドイツは米国に次ぐ経済力や技術力を誇るようになった。ところが、今は世界第二位の経済・技術の大国ではなく、中国・韓国を含めてアジアのいくつかの国は日本と同格か日本以上の力を付けた。日本が謳歌してきた米国一極による世界秩序の安定は揺らぎ、強い円も失いつつある。日本の対外政策の前提となった技術立国はもはや存在しない。例えば、英国は経済大国の地位は既に失って久しいが、エリザベス女王逝去に対する世界の反応を見ても判るようにソフトパワーは今も圧倒的に強い。日本にはそれさえもない。安倍首相は衰退する日本を再び経済大国に押し戻したという大功績があった。しかし、今はそれもしぼみつつある。

【今週の目次】
第1部 当面の市況

(1)市況コメント
(2)日本市場に織り込まれていない短期的な材料は、NY大幅高or大幅安
(3)ファンダアメンタルを無視した為替市場の「相場操縦」の効き目は少ない
(4)年末までの大まかな見方
(5)日本国内の中長期債、海外勢は8年半ぶりの最大の売り越し
(6)日銀の景況感
(7)鉱工業生産の9月・10月の見通しは上方修正
(8)「QUICK投資家心理指数は4ヶ月連続で弱気」
(9)ファンダメンタルを無視した相場操縦だけでは円安は止められない
(10)「悪い円安論」「良い円安論」
(11)円は12日に146円台後半を付けて9月22日の為替介入時よりも安値を付けた――14日には147円台に入った
(12)日米金利差という為替相場のファンダメンタル要素の落ち着き所
(13)進む円安で外国人労働者が減った
(14)米中間選挙、有権者の関心度でコロナ問題は15位で最下位――既に
(15)個人資金が海外投信へ2.4兆円弱の流入
第2部 中長期の見方
(1)岸田政権の支持率急落は無理もない
(2)「アベノミクス離れ」ができない岸田政権の衰退
(3)委縮しつつある日本
(4)衰退中の日本を救うのは新機軸しかない
(5)プーチンの狡猾さ
(6)ウラジミール・プーチンの奇々怪々――そして誰も居なくなる
(7)追いつめられたプーチン
(8)ゴルバチョフが世界に遺したもの
(9)「次の株価暴落を乗り切る投資法」
(10)米国株の逆金融相場(筆者註:逆青春期相場のこと)は年末まで」
(11)「資産形成支援と所得格差拡大の二律背反は避けて通れない
(12)東電株の行方
第3部 読者との交信欄
初心者と思われる方からの質問(10月10日受信)

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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