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【投機の流儀 セレクション】今、言えることは「需給に勝る材料なし」だけだ

海外投資家は昨年は米国株に注力し、日本株は継続的には売り傾向にあった。だが、11月から潮目が変わって買い越しになった。12月にはもっと買い越した。各国の政府・中央銀行の財政出動と金融緩和の共演による過剰流動性相場は一巡し、幕間を置かず業績相場の理想買い相場に入ってしまった。これからは理想買いから現実買いになる。つまり、青春期相場から壮年期相場になる。その間に普通ならば一旦調整がある。今回は「100年に一度」と言われたリーマンショック以上のショックが世界中を襲っているから「普通はこうだから今回もこうだ」とは言えないかもしれないし、「普通はこうだから今回は余計にこうだ」と言えるのかもわからない。ただ、今回はっきりしていることはコロナショックという世界大戦級の事件に対する政府・中央銀行の資金供給である。その資金の一部が株式に向かっている。まさしく、「需給に勝る材料なし」だ。

【今週号の目次】
はじめに
第1部 当面の市況

(1)大発会から3日間は高値圏内で保合っていたが週後半から様子見姿勢だった投資家の買いが強まった
(2)恒例の日経新聞正月の著名経営者20氏へのアンケート
第2部 中長期の見方
(1)中長期の見方の基礎として―Ⅰ
(2)中長期の見方の基礎として―Ⅱ;2021年を考えるための「2020年という年」
(3)2021年の市況の見方
(4)中長期な見方は、期待と不安とがいずれも非常に大きな年、それが2021年だ
(5)世界の成長率少々引き下げ
(6)金融緩和継続と業績回復、これが頼みだ
(7)「景気回復とワクチンが左右する」JPモルガン・アセット・マネジメントの意見
(8)今、言えることは「需給に勝る材料なし」だけだ
(9)米長期金利が益々上がれば「債券重視・株離れ」の可能性
(10)日本の政局の内部
(11)バイデンは早ければ今年中にレームダック化する
第3部 中国の「2023年問題」
(1)中国に「揺らぎ」が早々に出る
(2)中国の2023年問題 ;続き
(3)パックスアメリカーナ(米国の平和)がパックスチャイナになるのか
第4部 バイデンのパリ協定復帰とエネルギー問題
(1)「原発は30年に2割が妥当」
(2)原発と東京電力株

1月16日(土曜日)13時からのオンラインセミナーお知らせ
お陰様で御参加者募集は好調です。
1月16日のセミナーの折には、「動画」や週報ではお伝え出来なかったことも含めて、いろいろお伝えしたいと思います。
事前に、ご質問なりご意見なり御感想・ご批判をお聞かせ下されば、解答能力の範囲でお答えします。
ご参加ご希望の方は「まぐまぐ」へお申し込みください。宜しくお願い致します。
なお、先着50名様とは事後に私と、お一人様20分ずつ電話会話できることにしていましたが、夙に50名様を超えましたことを報告いたしてお詫び申し上げます。50名様との電話会話日時の打ち合わせは御希望をお聞きして(株)まぐまぐを通して調整いたしたく思いますのでご了承ください。

はじめに
週明けは騰勢を駆って大幅続伸という訳には行かない。小幅値動きか強保合というところだろう。米の雇用統計の悪さを見ないふりして上下院民主党で大型経済政策が決まりやすいと「いいとこどり」するNYだ。
上下両院が民主党なら、バイデンが唱えていた富裕層への増税ありという悪材料には「当面は見ない振りする」というところだろう。これを市場では「グレイリノ;灰色の犀」と言ってきた。

一方、内部要因は良い。空売り筋は多いし、25日移動とは5%強の開きで、僅かに過熱気味といったところだ。売買代金もようやく3兆円を超えた(11月いっぱいの3456円高の期間は4兆円越えが続いた)。

20世紀最高値と21世紀最安値との下げ幅の半値戻りの近傍で6月~10月まで5カ月を膠着し(私ごとながら筆者は3月安値を大量に買ったが、この「半値戻りの因縁場」で大半を利食いしてしまった。Wボトムを想定したからだ。
待望の中間反落なしで、10月までの因縁場を11月に一挙に抜けてから1ヶ月で3456円幅を駆け上がり、次は20世紀最高値と21世紀最安値との下げ幅の黄金分割比のレベルで3週間の膠着を見せ、年末年始の2週間で一挙に上抜けた。
相場の生理から言えば、30年ぶりの2万8000円乗せに「敬意を表して」週明けは一旦は保合に入るところ。


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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