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【投機の流儀】日銀は緩和継続を明確にするスタンスを打ち出すだろうがETF買いに変化か

第1部 当面の市況

(1)週末の動きを含めて3月相場をどう読むか
①レンジ相場の動き
日本市場は2月末日の1200円安の前日のレベルまで週末に戻し25日線を上回った。しかし、これを本格上昇の新たな動きと見るのは尚早だと思う。さりとて物色範囲が変遷しつつ買われているから趨勢的な下落もなく高値圏内のレンジ相場内の動きと見る方が無難であろう。
②NY市場
週末の米国市場ではNYダウとS&P500が終値で最高値を更新した。米追加経済対策とワクチン普及加速でマクロ環境が急速に見直されている。
一方、債券は売られ、長期金利は一時1.64%と2020年2月以来の水準をつけた。景気敏感株が買われ、ボーイング+6.8%、キャタピラー+4.2%でNYダウの上昇を牽引、一方金利上昇を受けてハイテク株は売られ、ナスダックは下落となっている。
➂22年3月決算とPER
国内上場企業の業績見通しは、証券アナリストと大手証券3社による予想が公表されている458社を対象にした日経新聞社の集計によれば一応、市場が織り込んできたレベルのようである。
今のPERが28.7倍だから22年3月期利益レベルに機械的に換算すると17.7倍になる≒過去5年平均17.3倍、となる。(日経新聞13日版によれば換算後は「18.5倍」とあるが筆者の機械的計算では17.3倍である。大した違いではない。
➃日銀は緩和継続を明確にするスタンスを打ち出すだろうがETF買いに変化か
日銀は来週18~19日に金融政策決定会合を開くが、その点検結果を公表する。景気が悪化すれば政策金利の水準をさらに下げることができるという見解もあわせて示す方針らしい。粘り強く金融緩和を続けていく方針を改めて明確にするであろう。
しかし、日銀が「年6兆円を目安にETFを買い続ける」という購入額の目安を削除する気かもしれない。それは日銀の昨今の行動に現れている。21年1月~先週末までのETF購入額は3500億円だから年換算では1兆7000億円にしかならない。
今の株式市場は、「日銀が買い支える株式市場」という副作用を意識するレベルであると日銀は見ているに違いない。もし、今週の政策決定会合で日銀がETF購入額について言及しなくも、日銀が21年1月以降の行動を見れば年換算1.7兆円しか買ってこなかった。これで市場がどう動くか、日銀に試されている東京市場だと思われる。日銀が政策決定会合をどう発表するかも重要だが、1月以降の日銀の行動を見れば明らかっであろう。

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