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【投機の流儀 セレクション】決算発表たけなわの中に生じていた現象

① まずは、主力の想定以上の減益だ。
アサヒ、純利益44%減、ユニ・チャーム24%減益、オリンパス27億円の赤字(世界シェアで一位の内視鏡が振るわなかった。強みが消えるか?という不安)、大成建設、五輪関連一巡して最終38%減益、帝人、純利益47%減、伊藤忠、資源かっかう下落で29%減益。昭和電工、最終赤字545億円、神戸製鋼最終赤字350億円、国際帝石1300億円最終赤字、これらに対して上場幾年も経ないメルカリが48%増収。
20年度を通せば大和が9.5%減益、野村が15%減益というから、最悪と見做される今回の発表を今後に回復せねばならないということになる。
② 何よりの特色は「跛行相場」の現出だ。今は「差別用語」と称して跛行相場という語を避けたいのか「K型相場」(★註)などというが、上がる株と下がる株とが明確に似分かれる姿である。全面高とか全面安ではない。(★註)「動画」で世界景気がV字型かU字型かL字型か、という話の時に筆者のパートナーの石原氏が「K字型になる」というので、それは業種別に言うのか、国別に言うのか、そうなければ「跛行型」でありそれは株式市場の姿を言うのではないかと話し合った場面があった、それである。
③ 決算発表の一つのヤマは時価総額で世界30位(★註)の中で唯一入っているトヨタであったろう。週6日(木)に注目を集めたトヨタの4~6月期決算が発表された。日本で最大の時価総額を占める企業であり、世界全体の事業を手掛けている企業であるから注目を浴びるところであった。市場予想(QUICKコンセンサッス)より良く終値は日経平均弱含む中で153円高で引けた。
(★註)平成バブルの時は時価総額世界10位に中の7社は日本の企業であった。東京市場の時価総額はNYとロンドン市場を足した金額より大きかった。
今は世界50位の中にトヨタ1社だけとなった。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)決算発表の山場を3日~7日に迎えて先週は3日続落で終わった
(2)決算発表たけなわの中に生じていた現象
(3)8月最初号として目先を見れば・・・
(4)「二日シンポは荒れる」か、まして8月は三日シンポ (5)日経平均2万2,000円割れたら下値の目途は
(6)当面の市場
(7)当面と中長期のドル為替――静かな円高 ドル、月間の下落率は約10年
(8)「運用賢者に学ぶ流儀」――副題;コロナ時代を生き抜くアクティブ投資術
第2部 中長期の見方
(1)仮称「アベノミクス景気」は2018年10月を景気動向指数研究会が「山」と認定した。これは、株価の大天井は2018年10月2日(2万4,270円)と本稿で言ってきたことと符合する
(2)世界経済の回復は①V字型か②U字型かスウッシュ(ナイキのロゴマークの形)型か④レの字型か⑤L字型か (3)「ポスト安倍」を考える (4)7月末に公表された「骨太の方針」には日本の将来ビジョンを描く気概が欠如している
(5)日経商品指数42種は景気動向指数の先行指標11系列の中の重要部分であるが、これが20ヶ月連続低下している
(6)「官僚たちの冬」が日本国を弱体化させる
(7)安倍政権の弱体化について;学生時代のゼミ友N氏との交信
(8)中長期の見方:ふじた・つとむ氏(元シティグループ証券副会長・ファンドマネージャー・現在一橋大学大学院特任教授)の見方


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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