見出し画像

【投機の流儀 セレクション】プーチンは誤算を重ねてウクライナは自信を強める

ウクライナは大国ロシア(実は経済的には小国であって軍事大国だけに過ぎない)を相手に半年以上持ち堪えた。西側が相応の武器供与を行っている程度で各国政治家の世論の支援はあっても援軍は出していないのに、である。祖国の存亡がかかっているからウクライナ兵の士気は高いと思う。
一方、プーチンは情勢を読み誤り、ウクライナ政府を簡単に転覆できると信じて侵攻を命じた。プーチンが何を語ろうともその誤算は事実となって表れている。
ウクライナのゼレンスキー大統領はコメディアン出身で、勝利の体験としてはダンスで優勝したことぐらいだ、そんな男を失脚させてウクライナ全土を掌握するのは簡単だとプーチンは判断した。だが、ロシアの長い歴史を見ても、ロシアの軍隊が戦争に勝った経験がないと断言してもいいと筆者は思っている。ナポレオンには勝ったが、あれは寒波に負けて撤退したのだ。ヒトラーにも勝ったが、あれもヒトラーが寒波に負けて撤退したのだ。雪が降れば上杉謙信は撤退した。それを武田信玄は勝った勝ったとは言わなかった。物流の関係で撤退するだけだったから。
ロシアは中世に蒙古軍にモスクワを攻められた経験もある。ロシア軍は戦争に勝った経験はないと筆者は思う。

【今週の目次】
第1部 当面の市況

(1)市況コメント
(2)保合圏内での乱高下
(3)9日のメジャーSQ日前の「魔の水曜日」を過ぎて木曜に200日線を回復した
(4)9月7日の円ドル相場は144円台
(5)9月の配当落ち分
(6)経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」以降、株式時価総額は世界で約700兆円を喪失、日本一国が吹き飛んだに等しい
(7)8月、自社株買い最高
(8)「孤高の日銀」と「景気を犠牲にしてでも金融引き締め覚悟のFRB」
(9)日銀は無為無策どころではない。日本株に対する大きな投資機会をつくり出しているのだ。このことは稿を改めて述べたいと前項で述べたのはこれである
第2部 中長期の見方
(1)岸田政権短命説、「軽率」且つ「汚れた内閣」に支持は戻らず
(2)岸田首相の言う「新しい資本主義」とは何か?
(3)再びFRBの今後について
(4)「『台湾戦争』は避けられない」
(5)手詰まりの台湾情勢
(6)増大する台湾海峡危機
(7)プーチンは誤算を重ねてウクライナは自信を強める
(8)日銀総裁の人事について
(9)2022年4月から始まった高校におけるマネー教育
(10)岸田政権、原発政策転換を決断
(11)「会社は誰のものか」というおかしな議論
(12)トルコリラ建ての債券をお持ちの方へ
第3部 「中長期の循環の局面」と超長期の「構造的本質の変化」とがある――本稿が重視してきた科学と哲学

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
https://amzn.to/2AebYBH
『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
https://amzn.to/2vd0oB4
『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
https://amzn.to/2AeQ7tP
『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
https://amzn.to/2vbXpZm
その他、著書多数。以下よりご覧ください。
https://amzn.to/2va3A0d

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?