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【投機の流儀 セレクション】市場はコロナ第4波を恐れていない

株価は既にコロナ禍からの脱却を充分に織り込んでいる。22年3月期決算は60%増益だということを織り込んでいる。22年3月期決算は60%増益だということを織り込んでいる。コロナ第4波を恐れていない。筆者は昨年3月に1万7,000円~1万8,000円のところを本気で稼働資金の8割ぐらい使って株を買った。オールドエコノミーも含めて我々の言葉で言うところの「大通り銘柄」を片っ端から買った。1年持っていれば2倍以上になったものも半数以上あるし、3~4倍になったものも中にはある。しかし、筆者はコロナ第2波で二番底が来ると思っていたからダブルボトムの時にまた買い直せばよいと思って4~6割の利益をとったところでほとんど全部売ってしまった。そのことを週報メルマガで報告すると「山崎さんの流儀に反するのではないか?」というメールもいくつかいただいた。あまり、売ったり買ったりするものではないが、しかし、筆者はコロナ第2波が必ず来てダブルボトムがあると7割以上の本気で信じていた。そういう意味では筆者は相場に裏切られた。移動平均を60年代後半に日本に持ち込んだグランヴィルというアメリカのチャーチストの言葉で「大衆投資家は相場に常に裏切られる」という名言があるが、筆者もその中の一人だったわけである。しかし、5割の利益で売って、それを持っていれば10割の利益になったと言って悔しがることはない。自分が5割だと思えばそれで良いのであろう。稼働資金が多くあるということは心の安定にもある。相場を安定した目で見ることもできる。人によって流儀が違う。必ずしも失敗だとも思っていない。鉄鋼株や海運株などは6~7割上がったところで売って、売った後に2~3倍になった。売ってから上がったものは人の株だ。自分とは関係がない。自分がいいと思えばそれでいいのだとしよう。筆者は常にそう思ってきた。「株は売りが難しい」などと賢しらげに言う人が多い。それは大天井圏内で売って儲けを存分に取ろうとするからだ。空売りならば難しいだろう。しかし、利食いの売りは自分がそれでいいと思えばそれで良いのであって、大天井で売り尽くそうなどと思うと間違う。昔から「天井売らず、底買わず」と言われてきた。天井圏で売れるものではない、大底圏内で買えるものでもない、ほどほどのところで良しとしようというほどの意味である。「天井売らず、底買わず」である。
幸せは青い鳥が運んでは来ない。稼働資金が運んでくる。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)当面の市況
(2)投資主体別売買動向
(3)三角保合というのは臨時の姿であるからいずれかへ動かなければならない
(4)当面の見方:日経平均はレンジ相場と言い続けてきたが……
(5)当面の市況:全体像から見れば、この株式相場は数ヶ月は続く(仏証券会社のストラテジスト)
(6)個人投資家は潤沢な運用資金を持っている
(7)海外勢の売り越しとアービトラージー
(8)米国が新高値を付ける中、出遅れ修正の動きは欧州に出る?日本に出る?
(9)資本効率改善のための自社株買いが継続している
(10)“Sell in May.”の意味
(11)コロナ第4波の問題――市場はコロナ第4波を恐れていない
第2部 中長期の課題
(1)過剰流動性市場に隠れたリスク――1
(2)過剰流動性市場に隠れたリスク――2:「確率は低いが発生すれば影響は大きいリスク」(「テイルリスク」と呼ばれている)
(3)日米首脳会談
(4)菅政権が直面する日米中の三角関係
(5)日本が踏み絵を踏まされる台湾有事への覚悟
(6)外交に活路を見出すしかない菅首相
(7)衆院選挙はいつか?→外交に活路を求める?
(8)円ドル相場
(9)先週号(22)の続き:トルコリラの動き
(10)2020年を振り返れば
(11)中長期指標から観て今のレベルはどういう位置にあるか
(12)ジャーナリスト嶌信彦通信(2021年4月9日vol.271の要約)

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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