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【投機の流儀】日銀が株式市場から抜けてから、市場はダイナミズムを取り戻した

第1部 当面の市況

(1)落ち着いて見方をすれば、こうなろう
先週末の米国市場では、米国の景気回復への鈍化懸念から、NYダウは271ドル安で5日続落となった。新型コロナの感染拡大で、年後半の米国経済成長率見通しの引き下げが相次いでいることが重しとなっている。

米国株安を受けてCME日経先物は29970円だが、12月物に切り替わった日経先物は9月の配当落ち分を引いた価格で取引されている。自民党総裁選投開票日と同じ9月29日(水)の権利落ち分は180円程度と推計されており、これを考慮すれば、週末現物値より200円程度下落での週明けスタートとなる。

先週の国内市場は、約6ヶ月の調整期間に市場を覆っていた霧が晴れて、一気に「選挙は買い」へと方向性が出た。また10日(金)メジャーSQ算出に向けての需給の力も加わり、日本株の出遅れ修正の動きで、日本株独自の力強い動きとなった。尚、9月物のメジャーSQ値は30085円93銭で、SQ値が3万円を超えるのは1990年6月以来となる。

9月29日(水)の総裁選に向けては「期待」は持続する。しかし、目先は市場の温度計である騰落レシオ(25日)は135%(120%超水準が通常時のピーク圏)まで上昇し、ここからは過熱感との綱引きとなってくる。また市場全体の動きを示唆するTOPIXの週末値は2091と、1989年12月高値(2886)から2012年6月安値(692)の下落幅(▲2194)の61.8%戻し(2047)を素通りしたが、一旦はこの水準に敬意を払うところであろう。

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