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【投機の流儀 セレクション】過剰流動性の力

1月末2日間の970円下落の後、2月に入って5日間で1,118円幅を上昇し、1月末の暴落前を抜いてコロナ後の高値2万8,980円(1月14日)に200円にまで迫った。
大和証券によれば、20年3月は24%減益、21年3月は19.6%減益、そうするとコロナ前60.8%のレベルになってしまう。コロナ前の水準に戻るとすれば21年度(22年3月期)の増益は65%以上でなければならない。
65%上昇したとしてコロナ前のレベルに戻るだけだから、今、コロナ前の高値2万4,420円(18年10月2日の大天井)の18%以上も上にいるということになる。レベルの問題で言えば辻褄が合わない。
しかし、株価というものは「レベル」ではなくて「方向」を重視する。
22年3月期の後も引き続き大幅増益があるはずだと想定していることになる。また、バイデン政権も菅政権も大きな問題なく進行するものと想定していることになる。米中対立はトランプの残した遺産であるが、これに対するバイデンの引き継ぎ方も順調に進むと想定していることになる。これが過剰流動性の為せる業と言わねばならない。

【今週号の目次】
はじめに
第1部 当面の市況
(1)国内個人も海外勢も買い越し。末期に近いのか?これからか?
(2)過剰流動性の力
(3)1月末の2万8,000円割れ、一瞬25日移動平均線割れ、これは「短期的な乱高下」か「潮目の変化」か、と先週号で述べたが・・・・
(4)時価総額3年ぶりに700兆円、長期的にはCDPとの比較において「超活況ライン」、ないしは「多少は高値警戒ライン」
(5)NY株価と日本市場の類似点、およびITバブルとの類似点
(6)本稿1月31日号で、日柄整理に入るだろうということだったが・・・
(7)NY市場、ポイントは三つある。
(8)アメリカ分断がNY市場に波乱を起こした
(9)なぜ投機家による一部銘柄の急騰が相場全体の調整になっているか
(10)野村総研株(コード4037)の1月末の暴落から何を思うか
第2部 中長期の見方
(1)バイデンの苦悩――その3
(2)バイデンの苦悩――その4
(3)これからの世界経済と今の株価レベル
(4)「FRB緩和縮小へ透ける思惑」
(5)新型コロナウイルスは中世欧州のペストの騒ぎとは違う
――目に見える害は目に見えて改善される
(6)当面および中長期の見方:年初から想定外、米金利上昇1.1%台、これは今後の何を意味するか
(7)中長期の課題:日本の最大成長産業は農業だと10年以上前から本稿で言い続けた
(8)日本政策投資銀行渡辺社長
(9)勝手なコジツケ計算による少々明るい話しをしよう
(10)米長期金利の上昇は何を語るか
(11)ROE(「自己資本利益率」)と自己資本比率
第3部 少々モノを考える
(1)「保守」と「懐古趣味」
(2)「技術者」と「技能者」
(3)「リベラル」とは何か

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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