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【投機の流儀】「悪い円安」論の誤り

第1部 当面の市況

(1)週明けの市況
週明けは穏健ながら小安く始まろう。
先週末の米国市場では、NYダウは終値3万2899ドルで▲348ドル(▲1.0%)の下落となった。市場予想を上回った米雇用統計の結果を受け、金融引き締めへの警戒が再び台頭(雇用統計順調は金融引き締めへの警戒感となり、景気上昇中の現象とは逆になる)、ハイテク株中心のナスダック指数は▲2.5%とNYダウに比べて下落率は高くなっている。尚、CME日経先物は27565円、週末値より200円程度安い水準で取引を終えている。

NY相場の趨勢が下落基調の中でも、一方的に下がり続けることはなく、短期的な戻りを繰り返しながらも下落トレンドを形成する。先週の日経平均株価は週間で+979円(+3.6%)と、久々に値幅を伴った戻りとなったが、まだ短期的な戻りの範囲を超えてはいない。

基調転換の最初の関門となる200日移動平均線(2万7940円、6/3現在)を目前に、今週末10日発表の5月米CPI、翌週14~15日のFOMCを控え、目先の分岐点を迎える局面となってくる。

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