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【投機の流儀 セレクション】二番底待機組、あるいは大底待機組は空振りに終わるか、またはバーゲンセールを買う好機を得るか

これは筆者には判らない。「判らない間に稼げるだけ稼いでおこう」という短期筋が作る相場が昨今の市況である。その相場には当然その場を演ずる主役が現れる。しかし、その主役は第二幕・第三幕になると取って代わるから、新たな大相場の主役になることはない。言わば「幕間つなぎ」である。

過去の下げ相場では概ね例外なく二番底、またはトリプルボトムを迎えた。第2次大戦後米国株の大勢的な下降トレンドは16回あったが、その中の15回は二番底または三番底は一番底よりもさらに深い下値を付けた。今回は2002年から2003年にかけての日本のSARSの例は参考にならない(あれはアジアのごく一部だけの件だったから)。日本の例で見ても02年秋から相場は下がり、03年春に13年ぶりの大底を打ち、SARSの騒ぎの中で小泉郵政改革相場という平均で2倍半になる大相場をSARS騒動の中で迎えた(7600円→18652円)。
また、1918年から20年にかけての「スペイン風邪」の例も参考にならない。あの時は世界で5000万人死亡し、日本でも44万人(公表39万人)死亡したが日本の全人口の約半数が感染したことによって免疫抗性が自然発生的に出来上がり、株式市場はその騒動の最中から未曾有の活況を遂げた(その反動が昭和恐慌をもたらしたとさえ言える)。当時の日本の感染拡大による抗性獲得をスウェーデンは今回のコロナウイルスで試みたが、これは政府よりの一学者の説であって誤りであった。それが判った時にはスウェーデンは北欧周辺国の何倍もの死者を出した後だった。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
(1)マザーズ・ジャスダックの新興市場は新境地に入ったが…
(2)海外勢が14週間連続売り越し
(3)二番底待機組、あるいは大底待機組は空振りに終わるか、またはバーゲ
ンセールを買う好機を得るか――過去の例は参考にならない
(4)PBRとPER
(5)大相場はすでに終わっていた――コロナが来ようと来るまいと――
(6)PBR重視の相場があった
(7)この四半期決算の赤字は東日本大震災の11年1~3月期以来9年ぶりの赤字企業の多さを示した。
(8)当面の市況及び中長期の見方:
(9)今、最も重要なことは二番底を想定したキャッシュ温存
第2部 中長期の見方
(1)米中対立の結果
(2)中国、V字型回復に期待は遠ざかる
(3)ポストコロナは経済・金融分野でも盟主は不在になる
(4)「コロナ恐慌」とその後の株高説――“What he says”よりも“What he does”を見よう
(5)「コロナショック」は「金融不安」を恐れるのではなくて「極度な経済縮小」を恐れる
(6)「4,000円」「6,000円」「8,000円」
(7)「4人に1人、金融資産が2割以上減」
(8)「億り人は嵐から逃げない」
(9)W・バフェットでさえも1~3月に約5.3兆円の赤字を計上、稀代の目利きとされた孫正義のソフトバンクgrは3月期に9000億円の赤字に陥った
(10)金融知識の高さと投資行動の関係
(11)コロナショックを奇貨として「トンデモ本」が出回るであろう
(12)バリュー株とグロース株
第3部 読者との交信蘭
交信「PBRについて」(5月18日)


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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