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【投機の流儀 セレクション】岸田新総裁と株式市場

総裁選の1回目の投票で岸田氏がトップになると、彼は比較的財政規律を重視していることから国債先物が買われ日経平均下がるという場面があった。 株式も為替も政策に反応しやすくなっている。29日の引け後に新総裁、したがって実質的には新首相が決まったことになるが、その29日と翌30日は岸田新総裁の誕生は株式市場にネガティブだという見方が先行した。岸田新総裁が掲げる所得再分配政策は「大きな政府」(米国で言えば民主党)を志向するものである。
投資家は規制改革路線の河野氏が優勢と見て日本株に見直し買いを入れていたが当面は失望売りが出やすいだろう。しかし、こういったイメージで動く相場は政策見通しとその影響については消化不良であるような気がする。今後は10月の衆院解散、11月の総選挙という流れで年内は 8月20日に付けた2万7,000円に付けたダブルボトムの少々上を下限とし、2月と9月に付けた3万トビ台前後を上限としてその間のボックス圏の相場ではなかろうかという想定をしておきたい。海外投資家が重視する成長戦略を打ち出せるかどうかが、そのれレンジ相場を突破できるかどうかは海外投資家が重視する成長戦略をどのように打ち出せるかが鍵であろう。したがって、消化不良の間はレンジ相場を抜け切れない。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

はじめに
(1)2週間前に本稿は「治に居て乱を忘れず」と書いたが・・・
(2)「株は知っていた」
(3)日銀が3ヶ月ぶりにETF買い
(4)岸田新総裁と株式市場
(5)自民党新総裁誕生に対する海外の反応
(6)米、超緩和の出口戦略の想定は流動的
(7)高いPERに米投資家は不安を覚えた
(8)円安の有利さと中国の実勢悪
(9)先進諸国が望む日本の新首相は「長期政権を維持できる人」であるらしい
(10)中間反落はあり得たが・・・
(11)本稿では中間反落と見ているが、もし、この相場は壊れた、と思ったら中間反騰での売りの備えよう
(12)中国恒大集団とFOMCの結果
第2部 中長期の見方
(1)「成長と分配の好循環」「分厚い中間層に行き渡る分配政策」
(2)恒大は33兆円の負債だから“Too big to fail”(大きすぎてつぶせない)
(3)「国民的熱狂をつくるな」
(4)人気ナンバーワンの木野内栄治氏は衆院相場は3万2,000円台と言っている
(5)金融政策に欧米と日本で大差
(6)関電・九電株の空売り、東電株の信用買いというアービトラージはあり得た
(7)中国恒大集団の件
(8)FRBの金利政策に左右される日本市場
(9)輸出立国の日本のあり方は円安頼みの政策運営に限界が見えてきた
(10)コロナウイルスは静かに収まる
第3部 読者との交信蘭
H様との交信(9月28日受信)

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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