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【投機の流儀 セレクション】ファンドマネージャーの「買わざるリスク、持たざる恐怖」

<1>海外要因、<2>ファンダメンタル、<3>需給要因、この三つで上がった日本株に対するファンドマネージャーの「買わざるリスク、持たざる恐怖」

2019年という年は1月安く始まり、11月に年内最高値を付けた。年足で言えば今のところ長大陽線である。

この背景は、<1>海外要因=米中貿易問題の緩和、<2>ファンダメンタル=株価指標で割安、すなわちPERは世界市場と比べて割安、予想配当利回りは世界市場と比べて高い。<3>需給要因で言えば、海外投資家が日本株を買い越した。それは国内投資家の売り越しを上回った、ということであろう。

かいつまんで言うと上記の3つである。海外投資家が2012年11月以降のアベノミクス大相場の始動以来、買い入れた累計額はほぼ全額を売却し尽くしたはずだ、ということを既報で既述した。

したがって、日本株がPERや予想配当率やPBRで見て世界水準から見て割安であることから「買わざるリスク、持たざる恐怖」に駆られるファンドマネージャーは急いで日本株の組み入れ比率を高めた。これが9月以降の上昇の内部要因の主因である。そして、それに対する空売りの買い戻しである。これが内部要因であった。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)先週の場味
(2)信用取引の買い残が2週間ぶりに増加
(3)グロース株に対するバリュー株
(4)グロース株(成長株)とバリュー株(資産価値重視)とで選手交替の可能性
(5)景気ウォッチャー指数、内閣府が11日発表
(6)昨年1月高値と10月高値との(今のところは)Wトップの天井は日本史上最高値とその後の最安値との概ね半値戻りのレベルだ
(7)8日にピークを迎えた上場企業の決算発表とVIX
(8)11月第1週、日経平均541円高に対し、売りにまわる国内年金と個人資金
(9)海外勢の株式買い越しが続いた

第2部 中長期の見方
(1)金利と株価と企業決算がバラバラに動いているという米国市場
(2)ファンドマネージャーの「買わざるリスク、持たざる恐怖」
(3)政局の話し
(4)2020年前半から景気息切れリスク
(5)昨年2018年という年は特殊な年だった─「ほど良い大団円」だった

第3部 長期の見方
(1)長期の景気から読み解く
1:プロのファンドマネージャーK氏の言い分
2:嶋中雄二氏(景気循環学会副会長・三菱UFJモルガンスタンレー参与)
3:経済学者の田原昭四教授の説(景気循環学会元副会長・元経企庁景気統計課長)
4:サマーズ氏(元米財務長官。ハーバード大学教授)
5:故篠原三代平教授(文化勲章受章者・景気循環学会名誉会長・一橋大学名誉教授)
(2)景気循環を、そのサイクルから読み解く

第4部 「ベルリンの壁」から満30年にして思うこと
(1)先週週初に思う「ベルリンの壁から30年」
(2)「ベルリンの壁」から満30年を迎えた11月9日、この続き


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
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