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【投機の流儀 セレクション】どんな大相場でも、中間反落のない相場はない。この原則に例外はない──「大相場」は中間反落がなければ成立しない

この標題で「大相場」というのは、平均株価が最低2倍前後、概ねは2倍を超える2.5倍である。いざなぎ景気相場2.5倍、列島改造相場(過剰流性相場)2.5倍、平成バブル相場5倍、小泉郵政改革相場2.2倍、アベノミクス相場2.9倍等々である。

これらの全てに中間反落があった。「いざなぎ景気」の時の中間反落(半値を切った)は景気の先行きを示す反落だという弱気に対して、当時は権威のあった経企庁が「踊り場」「景気の陰り」という言葉を使い、これで成長相場は終わったわけではないことを示唆した。結果はその通りであった。

バブル相場の時の中間反落は派手で、下げ幅も大きかっただけに「ブラックマンデー」と命名されて、NY株大幅下げという外部要因をきっかけとした。この中間反落は26000円が20000円まで短期間で整理されたという派手さであった。だからこそ、PER60倍まで買うという派手な平成元年の史上最高値、それを抜くのに34年間かかったという大天井を示現した。

アベノミクス大相場の時は日経平均で2.9倍になったが、その期間にも大幅な中間反落が何度もあり、日経平均が10%から14%下げることが7回あった。下げ幅で言えば2015年12月1日の高値から中間反落に入って25%安、2か月半下げた。今で言えば、10500円安に相当する。そして、中間反落の底から1.6倍になった。「大相場」は、中間反落がなければ成立しない。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)どんな大相場でも、中間反落のない相場はない。この原則に例外はない──「大相場」は中間反落がなければ成立しない。
(2)今の相場の根本的な位置を確認しておきたい。
(3)予想変動率が2ヶ月ぶりの高水準となった。
(4)週末の模様
(5)半導体を囃す空気が変わって、下げた。
(6)実質賃金、26ヶ月連続のマイナス 
(7)「成長と分配の好循環」は上手く行きつつある。しかし、実質賃金が26ヶ月連続のマイナスという事態はそれを阻止する要因になり得る。
(8)円安の長期化で賃上げ効果が消失する恐れ
(9)本質的には、円安は日本に有利なのだ。
(10)財務省が円安阻止、12日にも「介入」 
(11)円ドル相場について
(12)「トランプラリー」の走りか?

第2部;中長期の見方
(1)史上最高値圏内の平均株価にいる現在、近い将来をどう見るか?
(2)年度末(25年3月)までの見方
(3)「日本の変化を買う相場」
(4)成長株は半導体以外にも・・・
(5)高い成長性がなくても、着実に業績を伸ばして行けるバリュー株
(6)円高への転換の可能性はある。
(7)NYダウと日経平均の動きは、夏場にデカップリング(関係分断)の傾向がある
(8)「ポスト岸田」の動きについての一面からのカット
(9)菅義偉は本当に真のキングメーカーなのか?─主役なきポスト岸田の幻想
(10)組織原理の一つである民主集中制について─日本共産党は健全野党として存続したが、中国共産党は創業者である毛沢東の想いと違ってしまった。
(11)「台湾有事」─「戦争とは、外交以外の手段で遂行する政治の延長である」
(12)トランプ相場2.0の問題
(13)岸田首相の言う「資産運用立国」の胡散臭さ

第3部;「わが投資術─市場は誰に微笑むか」(清原達郎著 講談社2024年刊)

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
https://amzn.to/2AebYBH
『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
https://amzn.to/2AeQ7tP
『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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