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【投機の流儀】黒田日銀から代わる「植田日銀」はどう動くか?


第1部 当面の市況

(1)市況コメント

インフレ高止まりと早期の利上げ休止観測の後退で金利上昇が続いており、先週末の米国市場では主にハイテク株が売られ、NYダウは3万2816ドル前日比336(1.0%)安、ナスダック指数は1万1394ポイントで前日比195(1.7%)安となった。
米金利上昇でドル円相場は一時、昨年12月20日の黒田ショック以来の136円台半ばまで円安に振れている。CME日経平均先物は27340円と、円安を受けて米国市場の下落に比べて小幅で、週末現物値より100円程度の下落となっている。

週末の日本市場市況は、TOPIXバリュー株指数がTOPIXグローバル指数よりも相対的に堅調な事態があった。「バリュー銘柄の人気は好景気を示唆する」と大和証券の木野内英治氏は述べているが、果たしてそういうものだろうか。

「好景気を示唆する」となれば成長力を買う、グロース株主導ではなかろうか。彼は筆者が25年前から会員である景気循環学会のメンバーであり、景気循環には一見識あるはずだが、今回の株式市場の銘柄別の動きと好景気示唆とは少々関係ないように思う。バリュー株主導ということは、むしろ投資家が守りの姿勢に入ったと見えるが、如何であろうか?

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