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「野田の日記・あとのほう」感想/日記よ、また会う日まで

 今回は前回の続きですが、ここから読んでも構いません。
また、今回も先に参考文献等を紹介します。

出典
野田クリスタル
「野田の日記・あとのほう」
よしもとブックス

クイック・ジャパンウェブ
「#大宮セブン/大宮よしもと の記事一覧」
https://qjweb.jp/tag/oomiya-seven/
2021年9月15日(水)閲覧

テレビ朝日・アメトーーク
「2017年7月16日(日) 夏休みだよ!!ザキヤマ&フジモンがパクりたい-1グランプリ」
https://www.tv-asahi.co.jp/ametalk/backnumber/0813/
2021年9月15日(水)閲覧

2012年「野田クリスタル、独立」

 この年は日記にも書かれてありますが、野田さんは長年のアルバイトを辞めて、実家も離れ一人暮らしになりました。なので、私のお気に入りも

2012/10/24(水)卒業

とアルバイトの最終日についてです。涙を誘う展開でも、やはりは野田の日記らしくオチは決まっています。
日記とは関係ないですが、私も短期ですが郵便局で年始年末のアルバイトをしていました。何回もしているので野田さんが日記で綴っていた仕事も深く共感できます。でも、私もこのバイトをそろそろ止めたいと考えておりますが、タイミングが分かりません。

 そのため、日記からアルバイト・実家ネタが無くなり、古参ファンだった私は少しばかり寂しさを覚えました。だからといって、面白さが半減したわけではありません。野田さんの生活水準が上がったと私は明るく受け止めています。

2013年「変わらない、日常」

 この年は、マヂカルラブリーとしてまたしても大きな変化があった訳ではありません。そんな年の私のお気に入りは

2013/02/20(水)あと使いかけの春雨も入っていた

と暫く続いていた野田さんの一人暮らし奮闘記の一つです。これは特に起承転結がしっかり構成されているのがオススメポイントで、何度も読み返したくなります。
 こんなに笑いの取れる日記を書き続ける野田クリスタルさん、それが閉鎖されてしまっても無事書籍化されて何度も読み返せるのは大切です。いつか、「日記文学」ならぬ「ブログ文学」も文学史に刻まれるのでしょうか。

2014年「野田クリスタル、仕上がる」

 この年に野田さんは美少年らしい痩身から肉体改造が完成して、現在のマッチョになります。日記でもこの体型でかつての衣装が着られなくなった(面白体型故に)と述べています。筋肉関係の日記も増えてきて、またしても古参ファンである私も少しは困惑しましたが、今では神話の英雄みたいだと憧憬の眼差しで応援しています。
ちなみに、私は何度も肉体改造に(サボって)失敗しています。格好良くなりたい気持ちは燻ったままです。

 また、この年夏に大宮ラクーンよしもと劇場が設立し、同年秋にはマヂカルラブリーは同劇場専属芸人ユニット「大宮セブン」に加入しました。
つまり、この年はマヂカルラブリーにとって大きな変化の年でしたが、私のお気に入りは

2014/05/23(金)トップの写真も変えない

とこの年の動向と一切無関係なこちらを選びました。マヂカルラブリーのHPの運営元「魔法のiらんど」のリニューアルでHPの仕様が変わったと言う内容ですが、その実情は…と少し哀愁の漂う切ない現実が待っていました。私も閲覧者としてこれはショックだと思っている点があります。この日記には書かれてありませんが、このリニューアル前まで今までの日記は容易に遡れましたが、この仕様変更で手間が掛かるようになってしまい面倒になってしまいました。それでも、野田の日記は面白いので運営終了まで読み倒す程楽しんでいたのも事実です。

 他にも、この年から日記の文量も増えて今まで以上に読み物としての充実性が高くなっています。この時は(運営終了することは除いて)このまま日記を継続してほしいと平和ボケで願っていましたが、あれによって打ち砕かれるのは何も考慮していませんでした。

2015年「日記、発売」

 この年は初めて「野田の日記」が販売されました。と言っても、「書籍」扱いではなく「タレントグッズ」扱いだったので、購入可能な実店舗は吉本の劇場併設グッズショップか吉本の公式オンラインショップ限定でした。私は劇場通いが趣味でしたが、それでも見掛けることは少なかったため購入は断念しました。ちなみに、2018年には完全版がまたグッズとして販売されていました。
またこの年はM-1グランプリが再開しましたが、悲劇を経験してからの栄光を掴み取るのはまだ先の話です。

 さて、私のお気に入りは

2015/06/06(土)他の4つも十分怪しい

とまたしても動向とは関係ない選考になりました。こちらは大宮の劇場で開催されました1日中掛けて行われる単独ライブです。と言っても、複数のライブを自分たちが主催できる形式で他の芸人も経験していました。けれども、1日を自由使えるとしたらどうしても変なライブも生まれてしまう、それに野田さんが突っ込んでいく内容です。
思えば、私は人生で一度もマヂカルラブリーを生で見たことがありません。今は特にそれが難しいので、自分の不甲斐なさが更にのし掛かりますが、「いつかは出来る」と言う漠然とした意思では叶わないとも悟りましたから、生で見る計画は立ててみたいものです。

 そして、この頃になると日記も大宮に染まっています。私のお気に入りもですがアルバイト・実家から卒業して日記の活動範囲が狭くなったと感じていたものの、大宮時代に突入してから広がって野田さんが幾分か少し社交的になられたのか日記の題材を集めやすくなったのかどうかは分かりませんが彩り豊かと楽しくなっているのは嬉しかったです。

2016年「野田ゲー、市場に」

 この年は初めて野田さん考案ゲーム、通称「野田ゲー」が初めてアプリゲームとして市場に出ました。私も何本かダウンロードして少しは楽しんでいましたが、すぐに飽きたと言う情けない顛末に終わっています。ただ、現在しているスマホではダウンロード出来ないゲームがあるのでそれは機種変更してから取り掛かりたいと決めております。

 そして、マヂカルラブリー(結成以前から)のHPが解説されて10周年でした。それに伴い、私のお気に入りも

2016/02/20(土)11周年すら危うい

とそれのお祝いかと言えばそうでもない内容です。先述の通り、まだまだ日記は続くんだと私は起こるかもしれない2つの未来を軽視していました。
 日記はこれから自分たちも経験する大きな戦いの舞台を他人事だと感じているなどまだ変わることのない悪戦苦闘の日常の日々を過ごす内容でしたが、今年で最後とは思っておりませんでした。

2017年「最高の舞台から、急転直下」

 この年は突然日記の更新頻度が激減しました。その理由は後にして、初めてM-1グランプリの決勝進出した年でもありましたね。そして、あの悲劇に遭われてしまいました。
そんな大事件が起きた年の日記で、私のオススメは

2017/07/21(金)そもそも誰一人気づかない

と初めてアメトークに出演した後の話です。そもそもどの回に出ていたのか忘れていましたが検索したら、「パクりたい-1」の回でした。発見した瞬間、そうだあの漫才「天然おバカさんキャラ」を披露した事を思い出しました。
さて、日記はアメトーク出演後に街中で芸能人として指摘されるのかと言う内容です。知名度が上がることはそう簡単ではありませんねと読了して頷きました。

 そして、ここ来て突然野田の日記の更新頻度が下がってしまったと考えられる大きな要因は「Twitter」です。野田さんはこの年の始めに開設しまして、そちらの更新頻度がみるみるうちに高くなりいつの間にかブログは滅多に書かなくなりました。
芸人で同じようなことが天竺鼠川原さん(但し、野田さんと違い文章で遊ぶタイプではなく文体で遊ぶタイプだけどこちらも好き)にも以前起こりましたので危惧していたら、野田さんも案の定同じ穴の狢になってしまい少しショックでした。しかし、川原さんは現在ここnoteでブログやエッセイを再開しましたのでそれは幸いです。
 これ以外に理由があると思われますが、こんな面白い日記がこんな簡単に継続しなくなるのはどうしても受け入れがたいですが、楽に短文を落とし込める機能の方が使い勝手良いのは否めませんね。

2018年「日記、終了」

 この年でHPに書かれた野田の日記が投稿されたのは最後で、

2018/04/07(土)S字のポーズで

の一回しか書かれていませんのでお気に入りとかは決めてません。しかし、この年はキングオブコントの決勝進出した等の目出度い話題もありましたものの、日記が更新されなくなり寂しさで一杯になりました。
 そして、翌2019年は一度も更新されず、翌々2020年3月一杯で「魔法のiらんど」はHPサービスを廃止して自由にWeb上で「野田の日記」は見られなくなってしまいました。

2020年「手に入れた、栄冠」

 こちらの日記は全て書き下ろしです。全て野田さんがこの年で優勝したR-1ぐらんぷりとM-1グランプリが題材です。日記には一筋縄で賞レースを攻略していたわけでもなく、栄冠を授かっても全ての人間がこの功績を褒めていない現代的寓話で綴られていました。目の前の出来事を受け入れるのは難しく、自分の正当性ばかりが肥大化して大事なものを見失う人間に私はなりたくありません。
キングオブコントが控えておりますが、今度も無事に終えられないのでしょうか。

 こうして、野田の日記は一度幕を閉じました。長い道のりでドラマチックではない泥臭い日々がずっと綴られていただけ、それでもずっと楽しませてくれました。
世の中は格好いい事ばかりではない、日記もどこかで成功に繋がったきっかけなんぞ書かれてはいない、ふとした瞬間に掴み取ってもいい、どこかで優しさはあると気付かされました。

はむはむ日記

 こちらは野田さんのTwitterで更新されている中で家族、メスのキンクマハムスターであるはむはむの飼育日記を載せたものですね。一度も哺乳類のペットを飼った事がない私ははむはむちゃんの可愛さに即メロメロです。
どれも可愛すぎるのでお気に入りは決められません。長生きしてほしいですね。

後書き

 ここまで、「野田の日記」を振り返りつつ感想文を書き続けましたが、野田さんは本当に文学的な日記を若い頃から書きしたためのは凄い事だと感銘しています。事実だけではなく当時の心理描写が述べられてあるからです。今から当時を振り返るのではなく、その当時に書かれていたので変に美化されていないのが良いですね。
そして、執筆中に某番組で野田さんの弱点や繊細さが露見されていたので、そう言えば日記の書き方もそれに反映されているのに気付かされました。文章中の柔らかだけど針で刺すような感触がピース又吉さんやオードリー若林さんのようで、芸人としてだけでなく文筆家としての彼らも好きなので自然とハマった要因でしょう。
ちなみに、弱点の一つ「下戸」は野田の日記にも書かれてあります。その一つは「はじめのほう」の裏表紙側の帯に一部書かれてある2007年分です。

 私は芸人の書く文章が元々好きなので、先に述べた方々以外でも令和喜多みな実野村さん、Aマッソ加納さん、オズワルド伊藤さん、トンツカタン森本さん等もお気に入りです。
先述のように一部の方々はnoteで活動しているので気軽に楽しめられますし、また一部の方々は文章を書籍化して私も所有しています。野田さんもnoteをやってほしいと願っていたりもしていますが、HPを運営していたのでそこに踏み入れるのは難しいでしょう。

 今回も商品情報を載せます。

 そして、2021年10月2日(土)にはキングオブコント2021が開催、マヂカルラブリーは優勝できるのか今からハラハラドキドキしています。

 ちなみに、この2冊は地元の本屋に置いてなかったのでネット通販で買い揃えましたが、購入後に吉本の公式オンラインショップにサイン本が販売されていることに気付き少しだけ後悔しています。後で買うのかは現在未定です。

最後に、野田の日記よ、またどこかで会う日まで待っています。

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