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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.361 薬増強での闘い

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
去年の7月から始めたタフ感想ですが、年末までで19話…今年は年始から書き始めるので、約40話もあると思うと…(今から)ブルッちまうよ。


◆前回までのあらすじ

ホワイト・ナイト・バトル第3試合。序盤は苦戦気味だった龍星だが、途中からはサーシャの動きを読み切り隙を突いたカウンターで左わき腹を破壊。これで勝負あり……と思われたが、カウントを取るために近づいたレフリーが謎の薬を飲ませ、ドーピングによって強化されるサーシャ。髪は逆立ち、黒目をむいたドーピング人間を相手に龍星はどう闘うのか?


◆悪魔憑依

サーシャ「ウオオオオ!!」
司会「悪魔の咆哮だあっ さあ"人格変換現象"が始まったあ」

ドーピングにより理性を失い、雄叫びをあげるサーシャ。誰の目から見ても不正は明らかであり、熹一は「変な薬飲ましたやろ」と非難するが、レフリーも何事もなかったかのように合図を送り試合再開。
サーシャは先ほどまでとは比べ物にならないパワーとスピードで襲い掛かる。龍星はその猛攻をなんとか捌くが徐々に端に追い詰められていく…。

しれっと"人格変換現象"とかいう謎ワードが……と思ったけど、精神病理学関係(解離性障害)の用語みたいですね。
……えっ、ということはサーシャって多重人格者なのん?ジーキルのお仲間やん。
ハイド「ぼうっ」
サーシャ「ばうっ」

繋がったな。
司会は「いつものキター」的なテンションで言っているけど、サーシャって頻繫に人格変換現象起こして闘っているのか?

ヨシフ「悪魔が憑依したわけではない あの姿が本来のサーシャ むしろ薬で抑制していた」
は?つまりレフリーの渡した薬は増強剤ではなく、もともと服用していた抑制剤を中和する薬ってことなんか?なんかまどろっこしいな。


◆合成麻薬

場面変わってVIP席。ヨシフは鬼龍に対して1950年に麻酔薬の一種として開発されたPCP(フェンサイクリジン)について語り出した。
鬼龍「エンジェル・ダスト(天使のかけら)か?」
ヨシフ「フッ なぜか危険なものには美しい名称をつけたがる」

実はエンジェル・ダストには予想不可能な副作用と凶暴性を誘発する致命的な欠陥があり、78年に使用禁止となった危険薬物だった。

R国はそれをさらに改良(改悪と言うてくれや)、より強力な錯乱作用と超幻覚作用をもたらす新型合成麻薬"スイート・デビル(悪魔の優しさ)"を開発していた。

はうっ 年始からモンキー・ワード・センス炸裂(いつもの)。
スイート・デビルのせいでフェンサイクリジンのちゃんとした俗称であるエンジェル・ダストもモンキー・ワードに見えてくるんだよね、こわくない?あと、何しれっとヤバい合成麻薬をR国は作っているんですかね?こんな副作用だらけの麻薬に一体なんの意味があるんだよ…改良の方向性が違うだろ方向性が。

そして案の定、スイート・デビルは軍関係者から民間へ流出し、国内で中毒患者が蔓延することになった。
ヨシフ「そう サーシャは"スイート・デビル・ベイビー"なんだ」
サーシャはそういったスイート・デビル中毒患者の両親から生まれ、誕生した時点でスイート・デビルの影響を受け継いでいた。

R国「そこでだ エンジェル・ダストを土台に…より強力なスイート・デビルを開発することにした」R国のあほ。
自国への影響デカすぎだろ。こんだけヤバい副作用のある薬、軍でも使い道ないと思うんですけど。
◆誰が何の目的でそんなものを…?
薬物は胎盤を通じて胎児に影響を与えるので、生まれながらの薬物中毒者もあり得るらしいですね…おー怖(というかザ・ハードのコカイン・ベイビーやん)。


◆哀しき過去

スイート・デビルの影響により、10歳の時点で常人の数十倍の怪力を生み出すことができたサーシャは素手で母・父・兄を惨たらしく殺害。しかも、凶暴性誘発や超幻覚といった副作用のせいで、自身の引き起こした惨劇を覚えておらず、良心の呵責かしゃくもなかった。
ヨシフ「ただひたすらに無邪気に破壊を楽しむ スイート・デビルの抑制剤がなければ制御不能の悪魔だ」

哀しきモンスターすぎるだろ…。
生まれながらにしてヤク中で狂っているとか本人どうしようもないやん。

お前ら(サーシャの両親)…なんでヤク中の状態で子供なんか作ったんだ。
スイート・デビル中毒患者になる前に産んだっぽい兄貴がいるだけに、ことの悲惨さがエグイですね。ほとんどR国のせいじゃん。

ただ…少し気になるんだけど、サーシャの服役理由って過去に3人殺したからでしたよね。
これが今回の両親&兄だったら数が合うけど、当時の記憶が無いなら身に覚えのない犯罪で服役してたことになるし、当人は疑問に思わないのん?
それに10歳の頃の殺人が理由で今までずっと服役してたのも色々と辻褄が合わない気がする(サーシャが今何歳か知らんけど、もしかしてあの見た目で龍星と同い年くらいなのか?)。


◆猛攻

龍星はサーシャの打撃を掻い潜り"片足タックル"を敢行するが…、
龍星「(ビクともしない)」
体格差からか足を取ることができず、そのままタックルを潰されラグビーのプレースキックのように蹴り上げられてしまった。

ここにきて体格差の不利がキツいっスね。観客も「いいぞ 日本人をぶっ〇せ」とノリノリで草なんだ(R国民野蛮すぎやろ…)。あと、何気に構図が悪魔王子VSリカルドの片足タックルに似てる。

サーシャ「うがっ」
熹一「よっしゃあ 足関いったれ」

だが、龍星はその蹴り足をキャッチして寝技に移行、膝十字固めをキメて「ブチッ」膝靭帯を破壊。今度こそ勝負ありか…?

いやー、やっぱり普通の打撃や関節技を駆使した闘いは読んでいて楽しいですね(オカルト技も好きだけど)。一応、描写的にサーシャの右ひざ靭帯は終わったぽいけど、痛覚遮断で立ち上がってくるのかな?それかタフ・ワールドに蔓延している二重関節(ダブルジョイント)か…。

今のところサーシャの強さは悪魔憑依状態でようやくビッグ・ハンドちょい下くらいに感じる。

◆破壊はしたが…!? ←痛覚をシャットアウトできても靭帯切れたらもう動けないやろ…多分(でもタフ・ワールドは靭帯切れても戦闘続行なんだよなぁ)。
次号、きまったか…!? ← "関節"はきまってるよね、"関節"はね。


◆まとめ

新年早々モンキー・エンジン全開!
スイート・デビル(悪魔の優しさ)やらスイート・デビル・ベイビーやら猿渡先生のワード・センス炸裂の回でしたね。この至高の技を継ぐ者がいないなんて、あまりにも勿体ない。
今回、サーシャの哀しき過去が描写されたけど、こっから幻魔・精髄破滅拳で救済路線か、はたまた意図して惨劇を起こした生まれながらの極悪人路線か……私は後者の可能性が高いと思っています。だって猿渡先生だもん(信頼だよ)。

では、今年も「TOUGH外伝 龍を継ぐ男」と毎週感想伝をよろしくお願いします。


◆次号予告

次のプレボNo.5は1月15日月曜日です。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第361話