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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.384 薄氷の歩行法

[ログ]
宮沢熹一が長岡龍星の師匠になった!▼

龍星は悪魔王子に勝てる?
▶はい/いいえ


◆前回までのあらすじ

悪魔王子との決戦に向けて静虎の知人である武術の達人・周師匠の元を訪れた龍星と熹一。出会って早々、修行で死にかけている周師匠を救出するという騒動があったが、龍星は無事修行を付けてもらえることに。
その修行は凍結した池の上に落ちているボールを拾いに行くという至極単純なものだったが、春の雪解けで脆くなっている氷上に悪戦苦闘することになる。そこへ焦れた熹一が乱入してくるが……。


◆絶体絶命

前回、解けかけた氷に悪戦苦戦する龍星に手本を見せると言って突撃してきた熹一。最初はいい勢いでボールまであと少しというところだったが案の定、氷を踏み抜きすぎて足場が崩壊。そのまま極寒の池の中に滑り落ちてしまう。あわや"溺死"or"凍死"の状況に陥る熹一だが、そこへアドレナリン全開で救出へと向かう龍星。何とかその手を掴み取るが引き挙げようとすると自身の足元の氷もひび割れて絶体絶命の状態に。
龍星「熹一さん 一気に上げますよ イチ ニッ サンッ 」
それでも果敢に熹一を助けようとする龍星、なんとか引き上げることには成功するが同時に足場が完全に崩れてしまう。

宍〇開「ファイトおおおおお!!」

「いっぱあああああつ!!」ケ〇ン・コスギ

(リポD CM書き文字)

熹一のために命を張る龍星……見事やな(ニコッ)。
自分より体格がデカい相手を不安定な足場&片手で持ち上げるあたり凄いパワーなんだよね。ガルシアの心臓が覚醒していないときはそこまでパワーキャラのイメージがないけど前回の走りといい、龍星の火事場の馬鹿力はイカレてる。


◆窮地を脱する

 
    お

 お
  お
(PC書き文字)

龍星はそのまま熹一を肩で担ぎ上げて池岸まで氷が割れるより速く全力疾走。周師匠はその姿を見て、龍星の切迫した状態でのアドレナリン分泌量は常人のそれ・・を遥かに超えていると称賛する。

龍星すげぇ…2人分の重さで薄氷が壊れるより速く走っているし。
熹一は意識が朦朧としているっぽいのでちょっと救出が遅れたらガチでヤバかったですね。命の恩人ですよ命の恩人、もう二度とウンスタ煽りできないねぇ。

……で、
周師匠の命の次に大切な大谷選手サイン入りボールはどうなるのん?


◆命拾い

~ 周師匠の丸太小屋 ~
静虎「龍星のおかげで命拾いしたな熹一」

なんとか龍星によって九死に一生を得た熹一は周師匠の丸太小屋の暖炉で毛布を羽織り身体を暖めていた。すでに辺りは暗くなり、熹一のも大分回復した模様。静虎から温かい飲み物(熱々のスピテンかな?)を受け取りながら、姿が見えない龍星と周師匠の所在を聞く。静虎は2人は別室で修行中と伝え、今度のは命がけではなく精神修行的なものだと語るが……。

両肋骨骨折(治療中)、低体温症……それでも生きていた。
現状、ネームド・キャラの中だとかなり重症なのに身体張ってるよね(次点は頸動脈を切った悪魔王子か)。タフって言葉はキー坊の為にある。

ふと思ったんだけど、ホワイト・ナイト・バトル編が始まってR国に熹一と龍星が到着→ムーシャ(象)騒動とパヴェルの監視を受けつつホテルから駄弁りながらお散歩している時は厚着していたのに、今は2人ともいつものTシャツだよね。静虎もスーツだし。
もう春で雪解けが始まっているから、ちょうど冬→春への季節の変わり目にホワイト・ナイト・バトルが開催されたんですかね?R国で白夜の時期が6月~7月で春も5~6月あたりだから大体作中の時期は6月前半あたりだと想定されるけど。それか単純に寒さに慣れたか?

余談
私も以前、出張で真冬にK国に行ったことがあって、朝方や夜は氷点下(K国はR国S地方から冷気が直接流れ込んでくる)で初日はクッソ寒かったんだけど、三日目くらいになると慣れてきた記憶があるんだよね。


裂帛れっぱくの気合

一方、別室では龍星が周師匠に声でワイングラスを割る修行をつけてもらっていた。しかし、500Hz~900Hzの高音による音響共振で割るのではなく、"裂帛れっぱくの気合"=丹田のから発した気で割る特殊なものだった。これをモノにすれば潜在的なパワーをさらに引き出し、運動能力を高めることができると周師匠は語るが、中々割ることができない龍星。

……気?
まぁ タフの世界では気をコントロールしたりエネルギー波として放つのがありふれているので至って普通の修行に感じる(感覚麻痺)。
丹田からエネルギーを練り出すことに関しては精髄破滅拳の会得でマスターしたと思っていたけど、そういうわけじゃなかったんですね。

武術…すげぇ、幻魔拳や精髄破滅拳を会得してもまだまだ奥深いし。


◆熹一の真意

翌日、再び凍結した池にやってきた一同。昨日に引き続き周師匠の命の次に大切な大谷選手のサイン入りボールを取りにいく龍星(昨日からずっと氷上に放置されたオオタニ・ボールに哀しき扱い)。しかし、その氷はさらに薄くなっており、ところどころ割れ目から水が漏れ出ていた。相変わらずへっぴり腰でゆっくり歩く龍星を見守る熹一だが、隣にいる静虎が突如、
静虎「お前ワザと池の中に落ちたやろ」
昨日、熹一が無謀にも氷上に突っ込んで溺れそうになったのはワザとじゃないかと指摘した。静虎曰く、熹一は灘神影流の"薄氷はくひょうの歩行法"を会得しているから難なくボールを取ってこられたはずらしい。

なんやねんその"薄氷はくひょうの歩行法"って?ワシは知らんで。

急に灘神影流のビックリ箱からまた新たな技が出てきよった。
文字通り薄い氷上を移動するための歩行法っぽいが、一体どういう場面で使う技なんだろ(てか日本で練習できる場所があるんですかね)?
一応、タフ外伝OTON2巻で静虎が龍空真拳の高弟"霍書文"と崩壊した氷上で闘っていたから、あの時にしれっと使っていただろうか。

何でもあるわァ~~~~灘神影流…。

あと前回の

↓キー坊
バシァ> ▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂<バシァ
「どわあっ」

これがワザとだったとは……ごめんよ熹一、散々笑ってしまったわ(草)。
病院で静虎が能面被って龍星を襲った時も「何者やこいつ」って迫真の演技かましてたし、これは未来のアクション・スター。
でも龍星が火事場の馬鹿力を発動しなかったら、あわや死んでいたところだったので結構危険な賭けでしたね。熹一めちゃくちゃ龍星信頼しとるやん。

師匠坊「"ちょっと"発破かけたるか」
→ 師匠坊「どわあっ」龍星次第で"溺死"か"凍死"の可能性大
恐らく熹一は昔から命がけの修行に慣れてるせいで感覚がバグっていると考えられるが……。


◆臆病な"怪物"

静虎に見抜かれて観念したのかその心中を語りだす熹一。
熹一「なんやろなあ あいつは"ガルシアの心臓"を持っとるくせにウサギのように繊細で臆病になっとる」←めちゃくちゃ優しい目をしとる。
熹一からすると昔の龍星は無謀というか自身の命に対して軽薄で危険な道ばかりを歩んできたが、今は武術という生きがいを見つけたことと、ガルシアの心臓=悪魔のチカラによる生命の危険に瀕したせいで臆病になっているらしい。
そんなザマでは地獄から這い上がり死を恐れていない悪魔王子に勝てないと危惧し、あえて危機を煽って龍星に発破をかけようとしたのだった。

龍星ちゃん、何をビビってるんや(その目は優しかった)。
↑もうさ……名実ともに師弟関係でええよな?

鬼龍もホワイト・ナイト・バトルでヨシフに龍星は「自己崩壊を恐れる繊細で臆病な"怪物"」て説明してたけど、やっぱり龍星は自滅を恐れて力をセーブしていたんですね。
これじゃあ悪魔王子に勝てませんわ。アイツはキラー・ジョウでも分かるとおり、死んでも生き返って相手に食らいつく悪魔を超えた悪魔スピリッツを持ってるから。


◆その先の可能性イメージ

熹一「このまま闘ったらむごたらしくぶちのめされるイメージしか湧かん」
一瞬の躊躇が命取りになる殺試合、熹一はこのままだと龍星は悪魔王子に一方的蹂躙にされると予想する。そして静虎も熹一の予想に同意するが、熹一と違い、さらにその先のイメージがあると言う。
静虎には悪魔王子に対して"何度倒れても不屈の精神で立ち上がる龍星の姿"が見えており、最後はどういう結末になるかは分からないが、(勝利の)可能性はゼロではないと希望を持っていた。

ふうん、最後は「も…もう闘いは お…終わりですか…?」合戦というわけか。これは肉体でなく心を抓む戦い!!
なんかキラー・ジョウ戦以上に血みどろの闘いになりそうっスね。
闘いの流れとしては

小競り合い→幻魔合戦→突然変異の心臓共鳴バトル

って感じを予想してるんだけど、悲しいことにもう幻魔拳出番なさそうな気がするんだ。お互いに活法を習得していて刷り込みの技量が同じなら幻魔拳は決定打にならんしな(ちょっと前まで2人のメイン・ウェポンだったのに…)。
あとは悪魔王子の◆哀しき過去…パートをシームレスに出すためにワンチャン精髄破滅拳に出番があったら嬉しい。結構好きなんだよね。

師匠×2がそんなことを考えているとは露知らず、龍星は無事ボールのところまでたどり着き回収に成功する。周師匠も池岸から拍手で称賛してくれるが、龍星が手に掴んだボールを確認すると……

シ ウ
ョ ソ
| タ
ヘ ニ
|  

案の定なんと大谷選手のサイン入りボールというのは真っ赤なウソだった。その瞬間龍星の足元の氷が割れ、池に落ちてしまう。
周師匠は悪びれもせずに自分が本物のボール持ってるわけないやんと(熱いマジレスをしながら)溺れそうになる龍星を見て笑っていた(ここでしれっと溺れる龍星に駆け寄る熹一…今週マジで優しすぎやろ)。

まっ なるわな…。
周師匠がぐう畜を超えたぐう畜。

絶妙に愚弄のようで愚弄ではない偽サイン入りボール展開(ウソタニはギリセーフか)だったんだ。でも周師匠が
「ワシ 実はあいつのことメチャクチャ嫌いやねん」
「通訳に金 何十億も盗み取られたアホやろ」

とか急に反転アンチ化した台詞を吐く可能性が0.001%くらいはあったからちょっと安心したんだよね。


◆いざ決戦へ

なんとか周師匠のオオタニ・ボール(偽物)を回収し、少しは肝のすわった龍星。最後は風邪をひきかけたのか、裂帛れっぱくの気合の修行中にくしゃみでワイングラスを割るオチ付き(もちろん風圧はダメ……てかワイングラスってくしゃみ程度で割れるものなのか?)。
そのような感じで短期間ではあるが周師匠に師事した龍星は悪魔王子との決戦に向けて準備を整えた。
果たして静虎が見ている先のイメージは実現するのか!?

時間が限られている中で新技の習得や新たな能力に目覚めるとかではなく、
メンタルと潜在能力の引き出し方がメインの修行回だったんですね。

この短期間で出来ることはこれぐらいが限界か……。

熹一も静虎も結果はどうなるか分からないって口ぶりだったけど、あとは龍星が潜在能力を引き出せるか次第っぽい。

今回で龍星サイドの話が一旦終わって次は悪魔王子サイドに場面が切り替わるけど、鬼龍関係でまたひと悶着ありそうなんだ(ヨシフとの密会の件もあるし)。
もしかして、ここで悪魔王子VS鬼龍の2戦目なパターン?

◆いざ、悪魔王子との決戦へ!! ←意外とあっさりでしたね。
次号、悪魔王子の動向は…!? ←龍星サイドはめちゃくちゃ爽やかだったのにこっちはすげードロドロしてそう。


◆まとめ

初期の龍星は恐れを知らないというか、死ぬかもしれないと思った途端に"生きる"こと実感できる"怖いもの知らず"の人間だったんですけど(実際に静虎にそれを指摘されてボコボコにされたし)、ガルシアの力を受け継いでからはその超パワーで死地を彷徨う目にあったことで知らず知らずのうちに臆病になっていたんですね。
静虎は"怖いもの知らず"は"臆病者"の数倍危険な人間って言っていたけど、臆病になりすぎてその潜在能力を引き出せないままでは悪魔王子に無惨にやられてしまうだろうし、龍星の修行を周師匠に任せたのはキー坊と静虎なりの荒療治だったのかぁ……しゃあけど えらい都合良くR国に周師匠いたな

エリア52の修行あたりで傍から見ればほぼ師弟と言っていい感じだけど、今回で完全に熹一は龍星を見守る側になったっスね。幻魔邀撃拳のトレモの的にしようとしたときはまだ険悪だったけど、一緒に修行している過程でなんやかんや情が湧いたのかもしれない。

でもキー坊はリカルド戦後に龍星を「早めにぶちのめしたほうがええんやろなあ」って言って白黒ハッキリつける気でいるみたいだから龍を継ぐ男の最終決戦はやっぱりキー坊VS龍星なんですかね?
個人的にはTOUGHがキー坊VS覚吾の親子対決でシメだったから龍星VS鬼龍(悪魔王子の心臓移植)だと思っているけど……どうなることやら。

次は悪魔王子パート、しかし盆前の合併号なので続きが気になるいい所で終わりそう感をひしひしと感じる。


◆余談

【キー坊のブチのめす予定】
・龍星
・悪魔王子
・スタンプ
……なんか多くない?

あと先週の感想でボール拾い修行の場所を「湖」って書いてたんですけど、今週の各キャラ台詞から「池」が正式みたいですね。意外と小さいのか。


◆次号予告

次のプレボNo.34-35は8月5日月曜日です。
合併号…糞。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第384話