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彼岸月によせて

3月の彼岸会を迎えるにあたり、墓参の供養のため、来し方をふり返り、行くべき道を思念する月としたく、そこでお勤に必ず唱える懺悔文(さんげもん)を改めて味読してみます。

<懺悔文>

懺悔の文

我昔所造諸悪業(がしゃく しょぞう しょあくごう)
我れ昔より造りし所の諸々の悪業は、

皆由無始貪瞋痴(かいゆう むし とんじんち)
みな無始の貧・瞋・痴に由る

従身口意之所生(じゅうしんくい ししょしょう)
身と口と意より生ずる所なり、

一切我今皆懺悔(いっさいが こんかいさんげ)
一切を我れ今皆懺悔したてまつる。

【解説】
私がかつて造ってきたさまざまな悪い行業は、すべて遠い過去からの貧(むさぼり)、瞋(いかり)、 痴(おろかさ) によって生じたものです。この身体と言葉と意(こころ)から生じたすべての罪業を、いまみ仏の前に一切懺悔いたします。

塩入良道『お経 天台宗』

仏教に親近(しんごん)するには日頃の“気づき”が大切です。

昔から僧侶の世界には“布薩”という日が設けられ、月の15日と30日の2回反省、懺悔する日が決められていました。在家では六齋日(ろくさいび)、八齋日(はっさいび)がこれにあたります。

お彼岸によく説かれる六波羅蜜(布施・自戒・忍辱・精進・禅定・智慧)は、さらに仏の教えを実践することに繋がっていくのです。

(住職 記)


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