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上面(うわべ)だけ綺麗に見せる課題解決はない[20240308]


私が、企業を訪問してコンサルティングサービスを売り込むと大体以下のようになる。

私:「御社の課題をお話しいただければ解決の方向性を示すことが出来ます」

  「気に入っていただければ弊社と一緒に課題解決に務めましょう」

クライアント(以下ク)「予算が無くてお客さまの急な要望にお応えすることが出来ないのです」

私:「その予算とは何ですか?」

ク:「システムサービスを開発する予算です」

私:「では、予算制度を止めましょう」

く:「え?」

私:「お客さまのビジネススピードの間尺に合わない制度を、後生守って何をしたいのですか?」

  「更に伺いますが、こういう現状を社長はご存知ですか?」

ク:「詳細までわかりませんが、多分知っていると…」

私:「はい、では、社長さんには退任していただきましょう。更に予算ベースではない経営計画の作り方についてのプロジェクトチームを作って少なくとも来期から予算制度を廃止しましょう」

ク:「え?そんな…」

会社組織の課題は、古臭い慣習とか従来の考え方を踏襲するのが大好きな経営職連中が起こしているのだ。

課題を生じさせている原因は目の前に見えていないことが多い。

そもそも構造的な問題が多いし、解決するためには今までとは全然違う考え方が必要だ。

先ほどの予算の問題は、ミンツバーグ教授の「創発戦略」を採用すべきだ。

ああ、創発戦略か!と思った方、本当にご存じだろうか?

では、創発戦略を実行に移すために如何なるケーパビリティが必要になるだろうか?

「創発戦略の教科書通りに業務手順を変えれば良いのでは?」

こんなことを言っていると、半年も経たないうちに予算制度管理に逆戻りになるのだ。

組織的な能力であるケーパビリティとしては「アジリティ」が必須になる。

小西は英語で誤魔化そうとしている…そんなことを言わないでほしい。

ケーパビリティもアジリティもあちらこちらで使われている。

皆さん「VUCAの時代に生き残る為には…」とか経営計画の最初のページに書いていませんか!?

私はVUCAという言葉を使うのが嫌いだ。

早い話、VUCAがバズワードで、時代について行けなくなっている会社構造の一部を改善したら画期的な会社になると思っているのではないだろうか?

そういう考え方だと何も変わらないどころか、変わらないことによる業績悪化が止まらなくなる。

そして、折角そういう話をしたに関わらず

「あの、お話は大変面白いし勉強になるのですが、根本的に会社を変えるご提案は…」

そう言われてお終いになる。

10年後なのか25年後なのか、会社が無くなるときに「あの時に話しを聞いていれば良かった」と言いませんね!?

合同会社タッチコア 小西一有

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