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社内情シスへの期待値が間違っている[20240221]


今週は社内の情シスがどのような仕事をすべきなのかについて話したい。

経営トップ(概ね社長)にお会いする際に尋ねることがある。

「情シスの正社員への期待は、ITデリバリー(開発、保守運用)とITマネジメント(調査・企画)とどちらに重きを置きますか?」

「ITマネジメントという領域があるのですか?」と、逆に尋ね返されることが殆どである。

また、IT財務管理やIT戦略、ITガバナンスの話をすると、

「その領域の仕事は以前からずっと誰もしていません」と回答されることが殆どである。

さらに、最悪だと思うのは情シスへの期待を尋ねてみると

「フロントラインの社員を楽にしてやって欲しいと頼んでいるのです」

そう何ら悪びれことも無く言う社長。

あなたが、普段からそういう考えだからITの価値が貶められるのです。

社員を楽にするのがITではありません。

社員が「しんどい思い」をしているのはITの問題なのだろうか?

会社の構造が歪んでいるから「しんどい思い」をしている社員が多いのではなかろうか。

では、会社の構造改革をIT部門に命じているのかと言うとそうでもない。

機械化による合理化・省力化に期待を寄せるだけである。

IT部門は、全社を見渡せる位置に存在している。

ただ、経営者ではないので各部署のどこに優先投資をしたら良いのかは決められない。

しかし、そういう情報を持ち得るし経営企画の素養を必要とするような部署なのである。

経営者が悪いのかと問われると、半分正解で半分は間違いだ。

経営者が正しく期待しないのも大きな問題だが、情シスサイドにデリバリにしか能が無いのも問題だ。

もっと悪く、デリバリ能力さえいい加減なこともある。

鶏と卵の話ではないが、私は両方が同時に「学ぶ」ように話をする。

でも、多くは学び方を知らないし「自分で出来るもん」と膨れっ面になる方も多い。

今まで全くやってないというより存在すら知らなかったITマネジメント領域がなぜ自分で出来るのだろうか?

「富○通とかI○MやN○Cは、そんなことが必要だと言わないし、当社に必要なのはS○Pだと説明された」

などと思っているのだろうか。

不思議で仕方無いのは私だけでは無いだろう。

国際デジタル競争力ランキング第32位の国がやることだから、このくらいは当たり前ということだろうか。

合同会社タッチコア 小西一有


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