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顧客に経験価値を下げている[20240717]


弊社にも、様々なセールス電話が掛かってくる。

一番多いのは、補助金・助成金コンサルと不動産売買だろうか。

お客さまからのお問合せの数から比べると2桁くらいこれらのセールス電話が多い。

変わり種だと、北海道の海産物(概ね蟹)を買いませんかという電話もある。

昨日の続きだが、経営コンサルティングとか業務改善とか言うキーワードが世間では検索回数が昨年対比で1.7倍になっているというが、補助金・助成金コンサルや不動産屋は何をキーワードにして弊社を探し出したのだろうか?

希望を言うと、怪しいセールス電話よりもお客さまからのお問合せの電話が欲しいのだが(どんな人もそうだと思う)、売り込み電話の方が圧倒的に多い。

セールス電話のとっかかり(リード・ジェネレーション)と、一次的に興味を持たせるくらいのところ(リード・ナーチャリング)までは外部業者に委託するのがトレンドになっているらしい。

しかし、外部業者を信用しきれないからか、顧客に向けて何回も何回も確認の電話を入れるという顧客経験価値を下げるようなことも日常茶飯事になっている。

顧客に経験価値を下げている実例は、世の中に極めて多く存在している。

そしてその基本的な原因は「ビジネス・プロセスの問題」なのである。
(またまたビジネス・プロセスなの?と思ったあなたは、弊社の投稿のファンでしょうか、有り難うございます)

プロセスの問題は、戦略の問題だと言っていたのに、今度は顧客経験価値を下げる原因だと言うのかと言われるかもしれないが、紛れもなく事実だから仕方が無い。

「縦割り組織で困ったことを掲げてください」と常日頃からビジネス・プロセス改革(改善)のワークショップで最初に問う。

多くの現象が報告されているのに、組織が縦割りで分断されると起きる問題はビジネス・プロセスの問題なのだということに気付いていない。

ビジネス・プロセスについての正しい知識が無いことも手伝っているのだろうが「縦割り組織の問題」を問われると多くの良く無い現象を揚げることが出来るのに、逆にそれら個々の事象の原因について問うと縦割り組織が問題になっているという認識がほぼ無い。

更に「ビジネス・プロセスの問題」だとは全く気付かないのである。

「ビジネス・プロセスを改善すれば良いのならば、ERPを入れれば解決するのですよね」

そういう問題ではない。

簡単に言うと「ビジネス・プロセス改善とERPは全く関係ない」ということだけが真実である。

縦割り組織の問題点は、組織毎に「価値観が全く違っていて」「自組織以外で何をしているのかが分からない」これが問題の真相なのである。

例えば
「営業」と「開発・設計」とは目指している価値観が全く違う。

「開発・設計」とサービス(運用、コールセンターなど)と仲が悪いのは、かなりの高確率で発生しているはずである。

これらは、違うこと無くビジネス・プロセスの問題なのだ。

リード・ジェネレーションや一次ナーチャリングを外部会社に委託することによって生じる「価値観の違い」を顧客に転嫁している企業が私のところに電話アプローチをしてきているということだ。

私が気持ち悪いと感じてしまうのは、組織間の溝を埋めないままに営業を開始し「売りたい、売りたい!」という声だけが聞こえる。

申し訳ないのだがこんな人達と如何なる商談をしていても時間の無駄と思えて「ガチャ切り」したくなってしまう。

更に言わせていただくと、そんな人達がマーケティングのプロな訳が無いというのが私の認識なのである。

リード・ジェネレーションをサービスとしている企業は増加傾向なのだと思うが、別の組織(企業)であるという認識が足りず、価値観共有が出来ないままお客さまにアプローチするのはお止めになった方が良い。

今後も多くの「売りたい人」たちから電話がかかってくるのかと思うと気が滅入る。

合同会社タッチコア 小西一有


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