情報という資源:パッケージ導入[20240806]
今週は「情報」という資源とコンサルティングについて考えてみたい。
コンサルティングという仕事は「情報提供」が主活動になる。
しかし、日本では「情報はタダ」と思っている方々が多く情報提供だけでは実際儲からない。
従って、多くのコンサルティング会社は、要不要に関わらずシステム開発・導入を勧める。
そして、システム導入後に結果が出せたかどうかは「Out of 眼中」になる。
結果を出せないのはクライアントの責任であるということだ。
IT開発・導入については、ITベンダーとスタンスは変わらない。
では、弊社はどうか?
結果を出せないことについて責任は取らないが「何故結果が出ないのか?」「結果を出す為に何をすべきか?」についてはクライアントと一緒に追求するというスタンスである。
「何故結果が出ないのか?」を調査すると、業務そのものを変化させていないことが多いし、変化させる為の努力を全くしていない事例が散見される。
業務を変革するようにコンサルは言っていませんでしたかと尋ねると、システム導入すれば全ての問題は解決されると言われたと言う。
提案書を見せて貰うと、星取り表が書いてあった。
星取り表とは、縦軸に機能一覧を書いて横軸に製品名を書いて、◎とか○とか×を書いて◎や○の数が多いモノが良いように見せる表のことを指す。
私も若い頃は、こういう星取り表を多く作らされた。
しかし随分と年齢を重ねて分かったことは、星取り表に何の意味も無いということだ。
「あなたの目指すこと」が当該ソフトウェアパッケージを導入したことにより達成できることが重要なのである。
たくさんの◎や○があると言うことは、そのソフトウェアが「何の特徴も無い」ということを示しているとも言える。
「何でも出来ます」は「何も出来ません」だと聞いた事が無いだろうか?
「何でも出来る方が良いではないか」とお叱りをいただくこともあるが、何でも出来ると言うことはソフトウェアの内部構造が何でも出来るようになっているので、複雑性が高いに違いないのである。
パッケージには業務ノウハウが詰まっている。
その業務ノウハウをいただく為にパッケージを導入するのである。
「何でも出来るノウハウ」って何だろうと疑問を持たないのだろうか?
さて話を戻すが、他所のコンサルが残していった資料を拝見すると、きちんと「業務改革の方向性」が示されていた。
しかし、どういう順番にやるのか、何がポイントなのかなど、実行する際に必要な情報は無い。
もう少し言うと、システム導入時にその情報は提供して貰って欲しいと匂わせている。実に複雑だ(笑)。
コンサル料金を棒引きにしているためなのか、こんなことが起きている。
ちなみに、コンサル会社のビジネスに関する提案(報告)内容は悪くない。
王道のことが書いてあった。
王道のことを実行しようとしたら何をすべきか書いていない…というか、システム投資が必要だと嘘が書いてあった。
情報は人の心を動かす資源である。
コンサルを依頼されているのだから、相当に信用されているはずだ。
そのポジショニングを活かして「騙す」訳だ。
罪深いと思わないのだろうか。
当社は、そういうポジショニングを利用しないことをお客さまに誓う為にも「後続のシステム開発・導入の提案をしないし承ることもしない」
もちろん、頼まれもしないのにご紹介することもない。
では正しいコンサルティング会社が提供すべき情報とは如何なるモノか?
明日は、それを考えてみたい。
合同会社タッチコア 小西一有
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