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ウィズコロナを乗り切るための切り札“ふれあいのメソッド”Vol.9 ゲートコントロールセオリー

 こんにちは、野口花琉実です。ご清覧ありがとうございます。
 前回は、メソッドのその、効果と手法、そして体内麻薬とまで呼ばれるβエンドルフィンの効能について記しました。
 さて今回は、ホメオスタシスの重要な機能と、ゲートコントロールセオリーを紹介したいと思います。

 人としてのホメオスタシスの促進は、生物に必須です。さまざまな外的・内的環境因子の変化にさらされていながらも、私たちが健康を維持できているのは、このホメオスタシス(生物の内部環境を一定の状態に保つ働きのこと、いわゆる恒常性)の働きが大きな要素となっています。この恒常性維持のためには、自律神経系と内分泌系、免疫系がそれぞれにバランス良く補完しあうことが重要となります。
 自律神経系は交換神経と副交感神経の二つの神経系からなり、その働きやバランスは、いろいろな日常生活に対してのアドバイスに出てきますよね。交感神経が優位だと安眠できないから、リラックスするために、夜の照度を下げましょうというような使われ方は、よく目にします。

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 ふれあうことの効果については、自律神経系における神経伝達物質、例えばβエンドルフィンなどの働きの他に、有名な研究成果があります。
今回ご紹介するエビデンスはゲートコントロールセオリー、いわゆる日本古来から習慣という形で親しまれてきた“手当”の効果について、です。

ゲートコントロールセオリー

 人が感じる痛みは、神経線維を通じて脳に信号として伝達し感知されます。触れることによる刺激も同様に神経線維を通じて脳に信号として伝わる訳ですが、痛覚信号より触覚信号の方が早く伝達される結果、触覚の信号が痛覚に信号伝達を疎外すること、この仕組みがゲートコントロールセオリーと言われています。太い繊維によって伝達細胞に入った触覚、圧覚などは、脊髄の後角にある抹消入力を調整するゲートの閉める働きも持っていて、痛みのインパルスが中枢に伝わるのを防ぐそうです。その結果ふれるという行為に、痛みを抑制する物理的効果が備わりました。
 しかし傷を負った場合についての実験結果では、自分の手で痛む部分に触れることによって、特に急性期的な痛みを大きく緩和する効果が期待できるに対し、他の人が傷に触れたとしても、痛みを減らす効果は少ないことが判明しました。その原因としては、イギリスで発表された研究成果では、脳における身体描写方法が、痛みを減らすために重要な決め手となっていることがわかりました。脳の中で身体と痛みの部位が、論理的に統合されて知覚された時、はじめて強い鎮痛効果が得られる。他人より自分でさわった方が鎮静効果が強くなるの理由が、身体の異なった部位から来る知覚情報の相関関係に関する強い証拠を脳に示すためだとすれば、脳の中で部位特定が容易になるさわりかたをしてあげればよい、と、こういうわけです。ですから花琉実メソッドふれあいは、自分とふれあうときも、パートナーとふれあうときも、両の手を使い立体的な位置で、ふれていくようメソッド化されています。

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 さて、次回は最近とみに脚光を浴びるようになった”幸せホルモン”として名高い、みなさまにも馴染みのある、ペプチドホルモン“オキシトシン”の登場です。


 野口花琉実でした。


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