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そうだ、奄美大島へ行こう(その6:私の好きな場所)

奄美の秘境? 宇検村。

ここではもうすっかり夏らしい太陽が照り続ける毎日。
どうやら台風一号も発生しそうな気配。

学生さんやカップルやご家族連れと思しき観光客の方々の姿が、連日数組見かけられるようになってきました。

いも~れ、奄美の奥座敷へ。

この表現が、合っているのかは分からないけれど、この場所に来るのは容易ではないことは確か。空港から、車でひた走ること2時間以上の距離です。

ここの神様に呼ばれた人しか来られない。そんなことを言う人もいます。

そもそも、空港からの直行バスがない。古仁屋には直行便があるのに。
バスを乗り継いで来られないこともないけれど。日によっては乗り継ぎ便が存在しない。
それでも実際、毎年のようにバスを乗り継ぎやって来られて、同じ宿に宿泊されている方もいらっしゃるらしい。

車に乗れない方のために、バスルートと参考になりそうな旅のプランを作らねばと思いながら、島時間に流され遅々として進まない日々が続いております。(許して)

だって、癒されにここに来たんだし。

ということで、車が無いと行けないところばかりで申し訳ないのだけれど、今回は、宇検村のこの場所が好き!というお話を書いてみようと思います。

やはり最初は、世界遺産エリアが含まれる湯湾岳から。
すっかり有名観光地となった大和村のマテリアの滝までレンタカーで来られたなら、そこから小一時間ほどで辿り着ける場所です。

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これは宇検村ではなく、大和村のマテリアの滝。
太陽が真上に来るときが一番輝きます。この時の撮影は夕方前のため深緑色。

このマテリアの滝から湯湾岳展望台まで、ナビを見るともう少し早くたどり着けそうな記載が出るのだけれど、これ、当てになりません。
というより昼でもアマミノクロウサギが飛び出しかねない、曲がりくねった山道なので、是非ゆっくりと運転していただきたいのです。

時速20Km以下で、窓を少し開けて、鳥の声や沢の音を聞きながらのんびりドライブを楽しんで欲しいです。(車を降りて外を歩く時は、ハブ注意)

時間に追われてあっちも見たい、こっちも見たい、早く巡りたいから速度を上げて運転、という観光は宇検村には似合いません。

さて、マテリアの滝から山側ルートの曲がり角ごとにある「湯湾岳」という掲示に従って車を走らせるとあら不思議、大和村側の湯湾岳ボードウォークの方へ行ってしまいます。ご用心。

大和村側の湯湾岳9合目からの登山道は、植物好きの方には楽しいエリアだけれど、頂上には展望デッキは無く、山頂からの視界は開けません。

なので、ここは是非、宇検村へと向かうべく、宇検村側の湯湾岳7合目、「湯湾岳展望台公園」を目指してみてください。

駐車場も広く、トイレもあって安心(ハブ注意)。でも自販機というものが無いので、是非飲み物は事前に準備しておかねばなりません。強い日差しの下でなくても、脱水は危険です。

展望台公園の駐車場のエリアだけでも快晴であれば十分綺麗な景色が見えるので満足されて帰る人が多いけれど、時間があれば是非、展望台まで登って欲しいところです。

展望台の上からは、晴れた日には360度のパノラマビューが楽しめます。

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(右下に見えているのが湯湾岳展望台駐車場です)

駐車場のある所までは車椅子でも観光できますが、さらに上にある展望台までの道のりがバリアフリーではないのが残念なところです。

駐車場から、海を正面に立って左手側の緩やかな階段状の散策路を登っていくと、途中二手に分かれるので、左側のスロープをそのまま左手へ登っていくと自然に溶け込まない感じのがっしりした展望台が見えてきます。

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晴れた日と雲の中にいる日では景色が全く違うので(どっちも好きだけど)
お天気次第で楽しんで欲しい場所です。

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(とある日、雲の中に立つ。早朝には山から雲が何本もの筋となって立ち昇っていくのが見えます)

ゆったり楽しむには30分は見て欲しいところ。遮るものが無いので、夏場は紫外線に要注意です。

ちなみに、駐車所から鳥居がある方向へ進むと、山頂への登山ルートとなります。村の皆さんが大切に守っているエリアで、神様が降り立ったと言われる場所。ひとり登山も悪くはありませんが、ハブもいる山、地元ガイドさんの説明付きで安全に共に登られるほうが、一層記憶に残るものになるかと思います。

尚、山頂まで1時間はかかるのと、山頂は木に囲われていて展望はありません。(大和村側ルートに繋がります)

もうひとつ、眺めのいい場所と言えば、峯田山公園があります。

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ここから見下ろす宇検村の集落と海の景色も素敵です。これからの季節は次々に色とりどりの種類の違うつつじが咲いていきます。
子供が遊べる遊具なんかもあって、お弁当を広げてゆっくりして欲しい場所でもあります。

湯湾岳、峯田山公園、いずれも宇検村中心の湯湾集落から車で山道40分程度の距離です。

何せ山の片側は崖、反対側は排水溝、道路修理の大きなトラックが行き交うカーブだらけの道での行き違いは、道によってはペーパードライバーさんには冷や汗ものなので、くれぐれもゆっくり運転でどうぞ。

次のおすすめは、やっぱり海。
この季節、もうすでに地元ガイドさんと楽しそうに潜っている人たちを見かけることがあります。
神聖なエリアや危険なエリアもあるので、地元のガイドさんと共に潜ることを強くお勧めします。何せ神様だらけの宇検村なので。

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一番好きなビーチは?と聞かれたら、タエンビーチ(タエン浜)でしょうか。透き通る海がとても美しい所です。
ここも宇検村の中心部湯湾から車でいくつか集落を超えてゆっくり山道を走ること30分から40分ほどで到着します。

晴れた日のここの夕焼けは、いつまでも眺めていたい景色です。
海水浴後に利用可能なシャワーもあって便利です。このビーチ前にはお店が1件ぽつんとあります。それが宇検村らしい雰囲気。
(なのでお店の名前とか忘れていても大丈夫)

道路沿いに旗がはためいていたら多分お店やっています。
(店主の方、いつもボランティアでビーチ清掃や草刈りやお掃除をされているので、時々お留守です)
名物《ほほえみ丼》、是非召し上がってみてください。

テントをはれる広い敷地もありますが、もちろん私有地なので、事前予約は必要(有料)です。美味しいご飯を頂きながら、店主の方に尋ねてみてください。空き地があったらどこでもテントはれると思っちゃだめですよ。
私有地だと不法占拠で通報されます。(冗談ですが、半分本気)

そこからさらに岬の先端側へ車を走らせると、屋鈍ビーチが見えてきます。
ここは、潮の流れが早く、海の色も濃い。私には、ホノホシ海岸を連想させる場所でもあります。外洋が目の前に広がるからでしょうか。

けれど、石のビーチではなく、砂のビーチです。満ち潮の時には砂浜は殆ど見えないのですが、潮が引くと広い砂浜が姿を現します。あっという間に潮が満ちるので、海に潜る時は安全のためにも専門ガイドさんを同行される方が安心です。

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ここにはカフェがあって、ヤギがお出迎えしてくれます。

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週末には開いているのだけれど、併設している宿もあり、事前予約をされる方が多いので、電話をしてから行かれる方が良いです。

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この海岸沿いにはケンムンの像があって、この海岸と向かい合った反対側のとある場所に、別のケンムンの像がいて互いに見つめ合っています。
興味がある方は両方訪れてみてください。ただし、両方の像を見るなら往復3、4時間程度は必要です。

それくらい、宇検村は湾を隔てて横に長く広いのです。
ワニが口を広げたような地形とでも言えばいいのでしょうか。
そしてアップダウンとカーブが多い道は、速度が出せず、ナビで表示されるような時間で辿り着けないので、ナビに表示される時間を信じないようにご注意を。

他にも海でのアクティビティは、SAPやカヌーも。釣り好きな方には、釣りイカダもあります。もう少し暖かくなってからの方が楽しめそうですが。

湯湾の港では、夜釣りをしている人の姿もよく見かけます。釣り好きな方が集う民宿もいくつかあります。一棟貸しの宿泊所もあります。

この村のひとつの特徴として言えることは、ここは北部と違って本当に人が少なくてゆったりしているということでしょうか。
そして、携帯の電波が飛んでいないエリアが意外に多いという事実。
(これは、奄美大島全体で言えることですが)

さて、宇検村の中心、もっとも人が多い湯湾エリアで、お酒好きな方に是非訪れて欲しいのが、宇検村が誇る「開運酒造」さんの工場。
(なんと無料で見学可能)
工場の見学ツアーは、時間と収容人数が決まっているので、必ずお電話を。

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入り口にある美味しそうな香りのする飲めそうな消毒液(中でも販売しています)を手に付けた瞬間から、既にツアー開始の気分。
試飲カウンターもありますので、日本一に輝いたラム酒のような黒糖焼酎「紅さんご」を是非テイスティングしてみてください。

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試飲カウンターで全種類飲んで行った強者もいるらしいけれど、もちろん「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」なので、その方は、タクシーで市内のホテルまで戻ったそう。
一体、タクシー代いくらなんだ……。

そんな心配をしたく無い方は、工場から徒歩5分のやけうちの宿へ宿泊を。
きゅらむん館は、団体の合宿などにも利用可能です。
コテージの方が、個人的には絶対おすすめです。

宇検村に宿泊してから山や海に行く際には、麓の湯湾集落のがじまる茶屋さんで、テイクアウトのお弁当を調達いくのも楽しいかと。
運が良ければ焼き立てパンにありつけます。

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(かじまる茶屋のカレー。現在はテイクアウトでお願いしてますとのこと)

宇検村全体で言えることですが、何度も言いますが、必ず事前に電話を一本お願いします。

突然、お休み。が日常なので。

さて私の好きな場所をいくつかピックアップしてきましたが、宇検村の小学校児童が投票で選んだ、宇検村で一番好きな場所もお伝えしておきます。

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アランガチの滝です。先日久しぶりに訪れた日に誰かが建てた不思議な石の行列があったので思わず写真を撮りました。

駐車スペースと道幅がとても狭いのと、集落の住宅前を通過しますので、
行かれる際にはくれぐれもご注意を。

最後にもうひとつ。
うけん市場改め、新たな市場兼観光施設《ケンムンの館》(旧 うけん市場)が、やけうちの宿の真向かいにできました! 

空港から近いケンムン村と間違えそうだけど、別ものです。

この宇検村で、なんと週7日も開いている場所。
営業は午前10時から18時まですが、ファーマーズマーケット色が強く、夕方には商品がかなり少なくなっています。

ケンムンの館

養生中の芝生が出来たて感満載です。

先月にお披露目を済ませたばかりで、これから少しずつお客様の意見を取り入れながら変貌していくらしいです。

地元の方が集う朝市の感が強いけれど、もちろん観光客でも購入可能。
お弁当やサンドイッチも並びます。(入ったそばから消えますが)
買ったものを座って中で食べることもできますよ。
観光案内のマップもここで手に入りますので諸々のご質問もここでどうぞ。
ガイドさんが必要な時にも、お問い合わせを。(遅くとも前日までに)
電話連絡先は、旧うけん市場の番号をそのまま引き継ぐとのこと。

ここにインバウンド旅行客がやって来るのはいつの日か。
その時に向け、ネタ帳を作り続ける私。
通訳案内士の皆さま、今の人の少ないうちにぜひ自己研鑽のための研修へもお越しください。

個人的に大好きなsmew farmのましゅレモンドレッシングや、地元の卵と紅さんごで作られた極上のプリン、ふわっふわっの黒糖シフォンケーキ、屋鈍カフェでしか買えなかった美味しいスイーツもここで買えます。
日持ちするものを是非お土産に。

2月にはタンカンで溢れていた旧うけん市場。新しくなったケンムンの館にはグリーンパパイヤが並んでいました。
これからも南国フルーツや地元のお野菜がきっと毎日並ぶはず。

因みに今は、出来立てのふちもち(ふてぃもち:ヨモギ餅)とビワなんかが出回っています。造りたてのふちもち、観光土産物屋さんで売っている真空パックのものとは味も香りも全然違います。地元の皆さんがあっという間に買って行かれる姿が見られました。作るの大変なんだろうなぁ。

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商品の回転も早く、数時間経って見に行くと違う商品が並んでいることも。

珍しいものはあっという間に売り切れるので、偶然見つけて手に入れられたあなた、すごくラッキーです。

空港で高値で売られている(往復4時間分のガソリン代が乗っているのか、場所代か)宇検村のカレーもかなりお得に買えます。
パパイヤの漬物(福神漬け替わりに)とセットで無敵のコンビネーション。

電気自動車向けの充電スタンドも稼働するらしいので、これからが楽しみな施設です。

以上、私の好きな宇検村の場所特集でした。

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FMうけん祭りに登場した宇検村のゆるきゃら《うーけん》。
頭に特産品を載せて、すっかり日焼けしてこんがりしてます。
(うーけんはいつもは市場にはいません。念のため)

ゴールデンウィークに奄美大島に、いえ、宇検村に足を延ばそうかなと考えていらっしゃる方へ、少しでもお役に立てればいいなと思いながら書いてみました。とりあえず今日はここまで。
バスの旅特集につきましては、しばしお待ちを……。

ゴールデンウィークが開けたら、奄美大島は梅雨入り間近となります。
それでなくても雨の多い島。
お越しの際には、雨具をお忘れなきように。

(つづく)



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