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ピエール・ボナールと東山魁夷。心と身体の内側の旅

禊セッションの前にミッドタウンで前髪カット、そして国立新美術館をハシゴ。

国立新美術館①-thumb-540xauto-270435


「視神経の冒険」というコピーに惹かれたピエール・ボナール。


過去を振り返った時、あぁ、あのとき自分は幸せだったんだな、と思う場面。
でも、あたりまえすぎて自分視点で絶対は気づけない日常にある幸せ。

「芸術作品とは時間の静止」というボナールの言葉の通り。

でも、人は記憶を上書き保存する。
上書きされ、推敲され、美しさだけが残る。

モノクロで収められたボナールの在りし日々の映像。
そこにあるはずのこの世の色と光の全て。それを全て映しとってある。
毎日がこんな色あいに見えていたら、どんなに幸せなことだろう。

国立新美術館②-thumb-540xauto-270437


東山魁夷は2度目。圧倒される。ボナールは「人間が周りにいる」ことが前提だったけど、東山魁夷は自然のなかに自分一人が佇んでいる、解脱の一歩手前のような。

光や気体の粒子を感じる絵。

異空間に迷い込んで、切り取られた場所と時間にテレポーテーションして、気づいたらその空間に取り囲まれるようなトリップ感。

溶けあってしまいそうな重ねられ方をした、柔らかい青緑。
とらえられない月の光、月の気配。
はらはらと落ちる雪、しんと積もった雪。
こんなに美しく描く森から立ち昇る霧、黄金色に輝く山の木々。

とてつもなく静かなのに、ものすごく動きを感じる。水や葉がうねっている。

葉の擦れ合い、雪の沢を流れる水、ごうごう落ちる滝、全ての音が聞こえる。

国立新美術館③-thumb-540xauto-270439

すばらしく良い旅をしました。

これからひとモミ。

心と身体の内側の旅へ誘います。

■ 小松ゆり子 official web site
http://yurikokomatsu.com

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