見出し画像

トルマリンの魅力

トルマリンとは鉱物の名前である
熱を加えると帯電する性質から電気石とも呼ばれている
今回はトルマリンの魅力を紹介したいと思う

1.色のバリエーションが豊富

”ない色は存在しない”とも言われるカラーバリエーションの豊富さ
透明なものや漆黒、さらには虹色のものもありそれらは含まれる不純物に
よって色が異なりそれぞれ通称がついている
エルバイト(Elbaite):一番カラーバリエーションが豊富で特に高品質の
 ものは以下の名称が付く
 インディコライト(Indicolite):藍色
 アクロアイト(Achroite):透明
 ルベライト(Rubellite):濃い赤
 パライバ(キュプリアン)(Paraiba Cuprian):ネオンブルー
・ショール(Schorl):黒色で不透明
・ドラバイト(Dravite):マグネシウムを多く含み茶色が中心
 (クロムが混ざっているものは緑色になる)
・リディコータイト(Liddicoatite):赤、黄、暗めの緑で構成する成分のうち       
 ナトリウムの部分がカルシウムになっている

色とりどりなトルマリン
完全に透明なものは希少である
小さいながらも虹色に近い色合い

2.産地によって違う特徴

トルマリンの産地は世界各地に存在し、それぞれの産地ならではの個性が
あるのも魅力の一つと言える
ここではよく見かける産地及び鉱山を挙げていこうと思う
SNS上で探す際に役立つことを願う
アメリカ カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)
Tourmaline Queen MESA Himalaya
くすんだ黄緑とオレンジ色や赤の組み合わせが多い印象

・ブラジル ミナスジェライス州(Minas Gerais)
Sapo Paraiba Santa Rosa Golconda Aricanga Cruzeiro Pederneira Baixão Barra do Salinas Xanda Ouro Fino Chia
SapoとParaibaはそれぞれレインボータイプとネオンブルーが有名
Aricanga Cruzeiroは現在多く流通していて色も鮮やかなものが多い
Pederneira、Baixão、Barra do Salinas、Chiaは蝕像、セプタータイプ
をよく見かける
Pederneiraは青色でキャッツアイタイプをよく見かける
Baixãoは濃いオレンジ色と黄色の組み合わせのものが人気である
Barra do Salinasはセプター(杖を意味)のものが多い
Chiaもセプターを見かけるがクラックが縞模様になっているものが多い
Xandaはあまり見かけない色の組み合わせのものがある

・コンゴ Kivu
Rubaya
全産地でも抜群の透明度が特徴、色は薄い黄色や緑が多い

・アフガニスタン ヌリスタン(Nuristan)
Paprok Parun Pachigram
Paprokはピンクに緑の組み合わせが有名だが色のバリエーションは多い
Parun、Pachigramは淡い水色とピンクのものが多い
透明度を問わずその色の組み合わせをCotton Candyと呼び人気がある
クナール(Kunar)
Dara-e-Pech
ブラジルのPederneira同様キャッツアイタイプも見かけるが濃い青色が多い
ラグマン(Laghman)
透明度が高くパステルカラーのもので群晶になっているものをよく見かけるが種類としては満遍なく見かける
パキスタン ギルギット・バルティスタン( Gilgit-Baltistan)
Stak Nala
下部が濃いグリーンに上部が薄く黄色や透明になっているものが多い
ミャンマー
Mogok
赤色のものが多く結晶がきのこのような形になっていることからMashroomと呼ばれるものが人気である
ナミビア エロンゴ(Erongo)

フローライトとの共生でショールが多い
しかし造形が美しいものが多く見られる
ここ最近濃い青色のものが流通し始めた
Otjua
透明度が高く色が濃い目で鮮やかなものが多い
ロシア
Malkhan
濃い赤色で美しいルベライトが多い
マダガスカル
Anjanabonoina Betafo
有数のリディコータイトの産地で色が複雑になっているものはTiger Stripeと呼ばれ、また薄くスライスされてその模様がベンツのロゴのような図形に
色が分かれているもの(Benz Mark)が人気である
通常のトルマリンは淡い水色の透明度が高いものを見かける
ナイジェリア Oyo
透明でカラフルなものが流通している
一般的によく見かける形状のものが多い
ネパール
黄色に茶色の線が入ったかのようなものが多い

以上が私がSNSのディーラー等で見かけた範囲の産地一覧である
これらはMindatという鉱物の産地を網羅したサイトを参照したもの
抜けている部分も多々あるため参考程度にしていただきたい

アフガニスタン産エルバイト
マダガスカル産リディコータイト

3.多色性と造形で楽しむ

トルマリンには多色性(Pleochromic)という光によって色が変わる性質を
持つものがありソフトによるホワイトバランスの調整や偏光フィルター
でも再現が可能である(実際に肉眼で見たほうが楽しめる)
個人的には一見するとグレーに見えるがわずかに色が混ざっているほうが
思わぬ色の変化を楽しめると思っている
次に造形である
通常は柱や細長い棒のような形をしているがまれに表面がカクカクしていたり溶けたような蝕像(Etched)や上半分が太くて下が細くなっているような
セプター(Scepter)という名称のものがある
これらは酸性の液体やガスによって結晶が溶けて作り出されるもので何かに例えられるような造形のものは人気があり高額になることがある
また光の反射が猫の目のように細い線になるキャッツアイタイプ(Chatoyancy)もある

セプタータイプのトルマリン
下部が透明なものほどサイズに関わらず高価

4.終わりに
以上がトルマリンの魅力の紹介である
現在上記の産地以外でも殆どがその産地特有のおおまかな特徴を調べることが出来るが、必ずしも全てが明らかになっているわけではない
よってこれまでにない個性をもったものやわざと時間を置いてから売り出したものも出てくるかもしれないので今後も情報収集は続けていくつもりだ
この記事によって収集を始めるきっかけとなれば幸いである

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?