アセスメントができていないってどういうこと?

来週の月曜日は2021年度のソーシャルワークアカデミー 第1シリーズの1回目になります。https://www.kokuchpro.com/event/6d186af5d17809d9de826c0aecd96ce3/

今年も第1シリーズの主なテーマは、アセスメントです。

アセスメントについては昨年もとりあげていて、それについて、簡単に紹介もしています。

そこでは、目的と手段が混乱してしまっていることや、直接援助(たとえば、ケア)のためのアセスメントとソーシャルワークのアセスメントの違いが意識されてないこと、そして、動的であるはずのアセスメントが静的、固定的に語られていることを指摘させていただいています。

論理的には、それほど難しいことではないのですが、現場の人間としては、どうしても「うまく」支援をしようとして、テクニカルに走りがちなのがアセスメントだったりするように思います。

しかし、そもそも、アセスメントはなぜ、「アセスメントができている」「アセスメントができていない」と評価の対象になってしまうのでしょうか。

おそらく、それはいま私たちが日常的に「福祉サービス」の中にあたりまえのように浸かっているからでもあるからだと思います。そのことに、自覚的であるべきだと思っています。
(ちなみに今度の障害福祉の常識を問い直す講座のテーマは「福祉サービスってなんなのよ」です。。。が。。。)

福祉にサービスがついている福祉サービスはつまりは「サービス」です。
サービスとは

サービス(英: service)あるいは用役(ようえき)、役務(えきむ)とは、経済用語において、売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供する、形のない財のことである。第三次産業が取り扱う商品である。https://ja.wikipedia.org/wiki/サービス

購入した側が、「効用や満足」を得る、効用や満足はどこまでも主観的な部分が残りますから、サービスの受け手側が感じる効用や満足に対して、提供側は、できるだけその効用や満足を向上させるために、サービスの質をあげていくことを求められると言われています。
しかし、福祉については実は他の要素があると言われています。
近似性のある医療サービスと比較してみてはどうでしょうか。
医療の場合は、診断です。昔のケースワークの本をみると、福祉もむかしはアセスメントではなく診断(Diagnosis)ということば、コンセプトをつかっていました。それが、アセスメントに変化してきています。なぜでしょうか。そんなことをかんがえてみても、福祉のアセスメントについてかんがえることができますね。

私は、福祉分野でいわれるソーシャルワークとケアワークが、実践としては連続しているが、方法としては使い分けられられる必要があると思っています。つまり、アセスメントで言えば、ソーシャルワークのアセスメントとケアワークのアセスメントは、実践としては連続していて、方法としては使い分けられるものだと思っています。使い分けるとはここでは、方法(内容)が違うと思っています。

福祉の分野も方法論やToolの開発が盛んです。アセスメントツールについていえば、特にケアワーク(直接援助)のツール開発が盛んです。一方で、ソーシャルワークのアセスメントについては低調にみえます。それは、効果効用や満足にそもそもソーシャルワークがなじみにくいともいえるように思います。

人の人生にかかわる仕事をさせていただいている私たちが、アセスメントの本質を無視して、介入的に行うことは、特に暴力的であることは昨年の文章でも指摘させていただきました。ということは、

アセスメントができていないって?

どういうことなのでしょうか。そんなお話になると思います。また、では、アセスメントをどうしていくのか?をみんなでかんがえることができるように事例を活用しながら、学んでいく予定です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?