プロセス・マネジメントとコミュニティワーク

ビジネスやシステム開発の分野では「プロセス・マネジメント」はあたりまえのように使われている。

「プロセスマネジメント」とは、プロセスを管理することで、結果を最大化するマネジメント手法のことです。

「結果」を出すということが最大限に尊重される世界の中では、結果を出すためのプロセスを管理(マネジメント)しなければ結果は出てこないというロジックに基づいているといえるだろう。

特に、数字であらわれる結果の場合、このアプローチは大きな成果をあげることができると言われている。

福祉の分野、特に日本で言う地域福祉の分野で、実は「プロセス・ゴール」という考え方がある。
実は福祉分野のなかでも、教科書的に学ぶ内容であるが、実践として般化されている方法論とは必ずしも言えない。もともとはコミュニティ・オーガニゼーションや地域開発分野で使われてきた方法論であるらしい。

あまり、いい手軽な資料を見つけることができなかったが

地域福祉教育のあり方研究プロジェクト報告書「協同による社会資源開発のアプローチ 」

この44ページに、3つのゴールの記載があり

・タスク・ゴール(地域の生存権・生活権保障を目指す指標)
・プロセス・ゴール(地域組織化、福祉コミュニティの形成を目指す指標)
・リレーションシップ・ゴール(行政や関係機関・団体等の協働関係、民主的な地方自治体形成を目指す目標)

という紹介がある。

ここでいう「プロセス・ゴール」は先の「プロセス・マネジメント」でいう【プロセス】とは違っている。

この20年、社会福祉の世界もいわゆる市場化の波にさらわれ、ゆがんだ【結果主義】が横行するようになった。ひとつは過度な問題解決主義と、もう一つは成果主義である。

そしてそれは、介護保険や障害者総合支援法のいわゆる「福祉サービス」とカテゴライズされる分野だけではなく、俗にいう「地域をつくる」活動にも影をおとしている。
引用した3つのゴールの事例には、地域の民主化という目標がみてとれる。しかし、そのようなロングゴール達成のためには、まさにはじめに引用したようなプロセスをロジカルに考える思考性も必要になる。

地域活動が「楽しさ」というキーワードで語られることもそれのみで語られることには危険性が伴う。「楽しさ」は主観である。しかし、日本の場合、「楽しさ」も社会的に【つくられて】(構築されて)いるので、そのことすら社会的同調要素が少なくない。

さまざまな指標や方法論を複雑に組み合わせていくそんな

プロセスマネジメント

がまさにいま必要になってきているように思う

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