モビリティ問題への取り組みの視点

今朝の新聞で目についたのがこの記事
・大手コンビニ3社の店舗配送における共同配送の実証実験を実施します
物流における社会課題解決に向けて(経産省)
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200722004/20200722004.html
・東京新聞「大手コンビニ3社が共同配送 8月実証実験 運転手不足解消を目指す」2020年7月23日 12時10分

経産省主導でコンビニの共同配送の実証実験をするという記事。新聞タイトルの最後は「運転手不足解消」である。おもしろいことに経産省のプレスリリースにはその文言はない。

私が学生時代から過疎地にかかわっていたからかいまからすでに30年以上前から「ローカル・モビリティ」の問題は顕在化していた。「ローカル・モビリティ」とは、岡山県西粟倉村で活動している @猪田有弥 さんが使われていることばだ。

問題意識としては日本中で共有されているのに実際の課題解決になかなか結びついていかない問題の一つだが、それにはかなり多くの視点からアプローチすることが必要なのに、特効薬的な施策がでてきていない。いまや高齢者免許返納の問題と相まって待ったなしになっているのにもかかわらずである。
先日、過疎地域の福祉関係の方たちとの議論をしているときに、私はこの問題を「大動脈」×「毛細血管」「微細血管」の3つに分けて考えようと提案させていただいた。つまり、トップに紹介したコンビニ配送の共同化と視点は同じだ。自治体の中を見回したときに、バスやバンのような大きな人数を運ぶことができる車両は、コミュニティバス以外にもけっこう存在する。たとえば、学校のスクールバスや福祉施設の送迎車両などである。しかし、それを目的外で活用する発想はほとんどない。定時複数コースで、モビリティ視点でニーズ調査を自治体で行い集約するのだ。まさに分野を横断的に行う共同運行である。これが「大動脈」。その「大動脈」のバスストップまで集落の入り口から距離がある場合、その集落にある福祉や介護施設が5分から10分の送り迎えをするこれが「毛細血管」。どうしても、自治会や集落からの要望は、家から病院とか公共施設とかになってしまうがそれだと負担が大きい。それを2つにわけて考えるのだ。もちろん、これまで行われてきた住民相互の乗り合いの取り組みやスペシャルトランスポートサービスと組み合わせながらになる。
話をしている中で地域の集会所や自治会館のサロンまでいけない人の話もでた。それが「微細血管」。これは個人的にはミニ電動車に期待しているのだが。。。これはまた改めて書きたいと思っている。

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