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パイセン制度を立ち上げた〜Product Designer新卒向け長期メンター制度について〜

こんにちは。freeeカードUnlimitedを担当しているProduct Designerのtottsu(とっつー)と申します。この記事はfreee Designers Advent Calendarの12日目です。なんと去年も12日目でしたw
今回はfreeeでパイセン制度を立ち上げたよって話をします。

パイセン制度って何?

いや突然何?って感じですよね。
パイセン制度とはProduct Design事業部で今年4月から始めた、新卒1年目の方に1年間スキル、メンタル、 その他あれこれサポートをする人(メンター)をつける制度 です。

こんな人におすすめ

  • 新卒育成について考えている

  • メンター制度を作りたい

  • 組織で新しい企画をする方法を知りたい

なぜ作ったのか

現在Product Design事業部にはJM(freee内でマネージャーのことを指す)と、Design Leadという役割の人が各セクションにいます。
JM:ピープルマネジメントや事業部の方向性を考える
Design
 Lead:プロダクトの品質管理をする
※ちなみにfreeeでは役割と捉えていて、上下関係ではありません。

Designerのメンバーは困りごとの相談や目標についてはJM  、デザインレビューはDesign Leadとコミュニケーションをとります。月に何度か人によって出社していますが、現在もfreeeはリモートで働くメンバーが多いです。オンラインでも他のメンバーと雑談をする機会ももちろんあります。私自身1年前コロナ渦で入社していますが、少し意識すれば個性豊かなメンバーが様々なアイデアをくれるし、times(それぞれがつぶやくslackの部屋)文化も盛んです。ですがリモートメインの働く環境というのは、「意識」をしないと人と関わることが以前より難しいことは皆さま経験の通りかと思います。

freeeは私が入社する前(今から1〜2年前)はデザイナーは10人前後程度だったと聞いています。それが今では約30人にまで組織が拡大しました。
人数が少ないうちは、新卒は配属された場所に教えてくれる先輩がいて、自然にOJTが起こり、成長していくと思います。しかし人が増えてくれば、それだけ一人一人へのケアは薄くなります。
そこにコロナをきっかけとしたリモートワークへの移行が、新卒の入社環境に大きく影響したと思っています。

パイセン制度ができた後の話ですが、全社でリモートワークに対するアンケートが行われました。その結果、20代の若手はリモートワークに対して一番希望が低かったということがわかりました。他にもネットの記事で、若手ほどリモートワークに対する不安が強いというものも目にしました。
ここからは私の推測ですが、

  • 仕事に対する経験値が少ない(新卒なので当たり前)ので自信がなく、会社への貢献度が感じづらい

  • 一人暮らしが初めて・・など大きな環境の変化

  • 引っ越したばかりで、コロナ渦で知り合いも増やしづらく、孤独を感じてしまう

など様々なネガティブ要因がリモート下の新卒には起きているのかもしれません。新卒1年目の状態で様々なレイヤー、バックグラウドのメンバーとコミュニケーションをとっていくことは個々の特性に委ねられていくのではないかと思います。もちろん得意な人というのもいるとは思いますが、中途入社と比較して遠慮や緊張が強くなる気がしています。

ピンポイントの意見ではありますが、freeeでも当時1年目だったメンバーは、コミュニケーションや仕事の進め方に大小それなりに悩みもあったようです。下記の記事は当事者としてリモート入社に奮闘した、20新卒のtomominの記事です。合わせて読んでみてください。



余談ですが、私は30代・ミドル層に当たりますが、ぶっちゃけリモート働きやすいぜ・・という気持ちはありますwですが前職も含めて新卒の方の話を聞いていると、自分とはずいぶんメンタルの状態が違いそうだなと感じました。

ということで私はメンター制度を作ることにしました!

作り方

私がメンター制度を作る旗振りになったのは、前職でも長年新卒のトレーナーや若手のスキルアップを考える組織に所属していたからです。その経験を活かしつつ、freeeナイズドしていく必要があったのですが、ラッキーなことにもともとfreee Product Design事業部にはスキルアップ分科会というものがあり、メンバーの成長やスキルアップ施策を考えていました。そこでも以前から新卒向けのメンター制度があったらよいのでは?と話されていたので「やる」となったらスピーディーに進めることができました。
スケジュールや施策の仮説を立てて、資料作って、JMに話してレッツゴーです。

ポイント


以下は施策の抑えるべき箇所になります。もしご自身でも作ってみたい方がいらっしゃったらポイントは抑えつつ、各社に最適化していくと良いと思います。

  1. メンター選定が大事&半年交代制にした

  2. パイセンのアクションを明確にした

  3. パイセン同士の定例でやっていることや、悩みを共有できるようにした

  4. パイセンとコウハイのJMとのMTGを設けた

  5. 半年ごとに定性アンケートでパイセン/コウハイの意見を聞けるようにした

1.メンター選定が大事&半年交代制にした

メンバー選定はJMとの相談の上行われており、新卒に期待する成長をサポートできそうなメンバーで組み合わせを考えています。例えば「今はUIのパターンを増やして欲しい」という考えがマネージャーにあれば、それに強いメンバーを組み合わせる、といった感じで個別で考えていきます。一方、人同士の組み合わせになるので、どうしても読みきれない性格や事情があり、心理的安全性を考えてあえて交代を前提にしました。新卒から「何かあわない・・」をカウンセラーでもない現場のメンバーが聞き出すことは難しいです。定期的にフィードバックを拾う(5番目を参照)ようにしたので、同じ人が良いという意見があれば継続するし、交代をすることで関わるメンバーが増えることもメリットだと思いました。

2.パイセンのアクションを明確にした

とりあえず制度の枠だけ作って、パイセンメンバーに渡しても何をしていいかわからない、となってダレるからです。日々の1on1をメインに、JMとの連携などいくつかTODOが決まっています。

3.パイセン同士の定例でやっていることや、悩みを共有できるようにした

パイセン側の相互互助体制を作りたかったからです。今回パイセンのイメージ象は「身近な先輩」でした。マネージャ業務などには当たっていないが、現場でそれぞれプロジェクトを回しているちょい上のバリバリプレイヤー。そのため、マネジメントの経験はあまりないメンバーです。
以前の私の経験値として、メンターとしての役割をもらうだけでは、何をして良いかわからず困ったことがあったのです。しかしその後メンター同士の定例が設けられてから自分自身も安心感を得られたし、メンティーに対する対応の基本的な部分が均一化された気がするので、取り入れようと考えていました。

4.パイセンとコウハイのJMとのMTGを設けた

パイセンは目標設定やグレードには関与せず、会社からの成長期待はJMが持っているので、ある程度意見を同期する必要がありました。またパイセンをサポートするという意味でもJMとの連携は不可欠です。

5.半年ごとに定性アンケートでパイセン/コウハイの意見を聞けるようにした

パイセン/コウハイ双方の意見をアンケートし、オブザーバーメンバーのヒアリングで聞き出すようにしました。この結果で課題の解決やメンバーからネガティブな意見があった場合は制度自体を見直そうと思っていました。また追加で考えるべきアクションや改善ポイントを吸い上げることもできます。

結果

初回半年のターンを4-9月で終了し、現在は10-3月のターンに入っております。コウハイ/パイセンからのフィードバックをまとめてみました。

改善点

  • パイセン側のサポートがもう少し必要

  • 1on1時間の有効活用

  • パイセンとJM,Design Lead以外の人との関係性拡充にはまだ足りない

よかったところ

  • JM、Design Leadとは別の関係性を作れた

  • 身近な先輩で話しやすい

  • 悩んで時間が経ってしまうことを減らせた

  • 雑談できた

  • 直接の作業以外のキャリアの話などを聞けた

  • パイセンがちょっとしたマネジメント視点を体験することができた

最後に

新卒メンバーの相談ラインを一つ増やすことができ、客観的な立場の人とコミュニケーションできる体制になったと言えると思います。
適宜ブラッシュアップをし、今後もfreee Product Design事業部に新卒の方が入りやすい状態を作っていきたいと思います。

新卒でfreeeのProduct Designerになりたいと思っている方へ

freeeのProduct Design事業部は毎年フレキシブルに組織の成長に合わせて、多様な施策を考え、作って、運用しています。様々な技術を持つ個性的なメンバーがサポートしていきますので、ぜひ入社を悩んでいる方はこの記事も参考にしてみてください!またアイデアさえあればなんでも試せる環境です。私がfreeeを良くしてやるぜ、という方大歓迎です。


明日、12月13日の記事は金融チームで入社当時からお世話になっている、96さんの企業ロゴリニューアルのプレスリリースのお話です。ブランドを考えるプロの視点、気になりますね!


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