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『あけましておめでとうございます』 社福)鳥取こども学園 理事長・統括施設長 藤野興一

愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。愛はいつまでも絶えることがない。

新約聖書 コリントの信徒への手紙Ⅰ第13章4節~8節

この「愛はいつまでも絶えることがない」が鳥取こども学園の創立の精神であり、運営理念です。

 神様に守られ生かされて、2022年の新年を迎えられますことに感謝し、皆様の格別のご支援に心からお礼申し上げます。昨年4月14日、石井十次生誕の地宮崎県高鍋町にて鳥取こども学園が第30回記念石井十次賞を受賞しました。石井十次賞は私たち施設現場で働く者にとってノーベル賞のようなものです。創立以来117年目を迎える鳥取こども学園、1951(昭和26)年創立から71周年を迎える鳥取みどり園の歩みと歴代の役職員、子どもたち、OB.OGの皆さん、支援くださった本当に多くの方々への神様からの賜物と感謝したいと思います。

 様々な死線を潜り抜けてたどり着く子ども達もけなげに生きています。歴史の未来である子どもたちに真っ赤に燃える太陽のように輝いて歩んでほしいと祈ります。誰にも受け止めてもらえず、孤立し絶望した人たちによる「無差別殺人事件」が繰り返されています。何としても事前に食い止めねばなりません。常に「人間の尊厳と人権」は守られねばならないのです。

 日本の社会的養護は慈善事業の時代から、制度があろうが無かろうが目の前の小さくされた生身の人間の命に寄り添い続けてきました。今一度民間社会事業の原点に立ち帰りたい。欧米の破たんした制度ではなく、民間社会事業の献身性と専門性を活かした「日本型社会的養護」の構築が急がれます。現場実践の積み上げの上に、当事者に寄り添い、当事者と共に「日本独自の社会的養護」を創り上げたいと思います。

 「子どもアドボカシー」や子ども庁創設などが議論されていますが、「守ってあげる」ではなく、子どもと一緒に議論すべきです。子どもが声を出して、何か変化が起こっていくことが子どもアドボカシーで、その先の「権利ベースの文化」を目指すべきです。


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