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思いを込めて

警部補、部下の愛妻弁当に「ゴミみたい」…留置人の予備弁当を許可なく食べる(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース


「自分の悪口を言われるのはいい。ただし家族の悪口を言われるのは耐えられない」という人は多いのではないだろうか。家族その人に向けての悪口はもちろん、その人が作ってくれた「モノ」には様々な想いが詰まっているから、粗末にされようものなら、それもまた腸の煮えくり返るものだ。
だから、奥さんがせっかく作ってくれたお弁当をゴミだと言われた巡査の気持ちを思うと、こちらまで辛くなる。

同様の話で、アンガールズの田中卓志さんが、とあるテレビ番組に出演した際に、田中さんのお母さんが作ったお弁当を共演者に「冷凍食品が入っていて愛情を感じられない」と評された。すると田中さんは
「おい! お母さん落ち込んでるだろ! 冷凍食品がダメとか言うけどな、うちのお母さんは共働きで看護師をやっていて忙しかったんだよ! 3交代で忙しい中、弁当も作ったから、冷凍食品くらい入るんだよ! でもな、身長を一番伸ばしたのはこの弁当だ!」
と言ってお母さんを庇った話は非常に有名である。

僕が高校生のある日、昼休みにお弁当箱を開けると、四角形のお弁当箱の対角線上に置かれるようにオムライスがどんっと入っていた。その隙間にちょっとしたオカズが少し。僕はなぜかこれが、幼稚園児のお弁当にみたいに思えて、恥ずかしくなった。すると、近くに座っていた友達が

「すごい!キレイなオムライスじゃん!おいしそう!」と言ってくれた瞬間、母を誇らしく思ったものだ。家族を良く言われれば自分のこと以上に嬉しく、悪く言われれば自分のこと以上に許せないのだ。

小学生の時、体操着を入れる体操着入れ(巾着のような)、家庭科で使用する裁縫セット入れ、リコーダーを入れる布製のケースなど、母は色々と作ってくれた。ある下校時、下駄箱のところで靴を履いていたら、K君がいて、僕の裁縫セットが入った布袋のクマの刺繍を見て笑った。
「もう小学生なのに、クマの絵だ!」と。
K君は遅刻の常習犯だった。「せっかくお母さんが作ってくれたのに、なぜこんな毎日遅刻するような、だらしのないK君にそんなことを言われなければならないのだ」と非常に腹が立った。内心でそんなことを思いつつ、無視して横を通り過ぎた記憶がある。
僕は足を火傷したことがあって、その治療のために病院に行ってから、遅れて登校したことがあった。すると、K君は「遅刻だ~遅刻だ~」と騒ぎ始めた。「いつも遅刻しているお前に言われたくないんだよ!こちとら正当な理由があって遅刻しているんだ」という言葉を飲み込んだ。

結局、K君の思い出はこの2つだけだ。全く、嫌なことを思い出してしまったぜ(笑)

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