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富士山に登ってきた

人生でやりたかったことリストの1つを達成したので記録🗻
先日のnoteにもちらっと書いたが、8月下旬に富士山に登ってきた。
※例によって序章が長いため、富士山登山の感想だけを知りたいんや!という方に向けて目次置いておくので、そちらからジャンプしてください。



登ろうと思った経緯

元々富士山登山には興味があり、死ぬまでにやりたいことリストに入れていたし、これまでにも行こうかと計画立てたことが2回あった。
1回目は富士山登山経験者の会社の先輩たちとだったが、先輩が急に海外出張入ったか何とかで延期し、その後私も音頭を取らなかったためポシャった。
2回目はコロナ禍の外国人いない隙を狙って夫とだったが、予定していた出発当日の朝、当時仕事が鬼のように忙しかった夫がコンディション悪くなり、断念。
そんな訳で、満を持して今回を迎えた。

とはいっても、前もって決まっていた計画ではなく、今回私と同じく休職している同期からの誘いを受けて2週間くらい前に急遽決まったのだった。そのため、慣らしで軽めの山に登ることもできず。同期の知り合いのガイドさんに同行頂けるとはいえ、自身の体力的にいけるのかだいぶビビっていた。
"富士山 持ち物"でググりまくったり、富士山について書いているnoteを読み漁ったりした。それでも高山病にならないか、膝痛めて歩けなくなるのでは、と不安は尽きなかった。

事前準備

登山自体は初めてではなく、大学卒業時に屋久島に縄文杉を見に行ったり、塔ノ岳に2回登ったりしたことはあるが、2,000m超える山に登るのも山小屋に泊まるのも今回が初めて。
しかし、最後の登山はおそらくコロナ禍の塔ノ岳と高尾山(登山というよりハイキング?)。しかも塔ノ岳の下りで腸脛靭帯炎(いわゆるランナー膝)を発症し、一旦治ったように見せかけて未だにめちゃくちゃ歩いたり無理すると膝の外側がズキズキする。階段の下りとかやばい。

なので、初めから今回の登山は、山頂でご来光を見ることでも、登りきることでもなく、無事に下りてこれること、チャレンジすること、と目標のハードルをだいぶ低くして臨んだ。

膝の痛みは、足を酷使することの他おしりの筋肉が弱っていることも原因としてあるので、登山が決まったタイミングからヨガとピラティスはなるべく詰めて通い、家でもストレッチをして体を調整するように心がけた。

あと、ネットで"腸脛靭帯炎 登山"で調べまくって、初めてサポーターを買った。中高運動部で体も固かったけど奇跡的に捻挫や怪我がなかったのでご縁がなかったけど、中学生時代の私は「つけてる人なんかかっこええなぁ」(実際にバスケ上手い人がつけてた記憶)と謎の羨望の眼差しを送っていたZAMST。サポーターといえば、ZAMST。まさかミドサーになってつける日が来るとは。

ありがとう、ZAMST



登山当日、朝都内発の便で行こうとしていたが、色々調べたら高度に適応するため1-2時間は五合目で過ごした方が良いとあった。
現地集合だったが20分前につくバスを予約しており、こりゃマズイと調べたところちょうど良いバスはもう空席無し。
そこで思い立って前入りし、富士山駅近辺のホステルに泊まることにした。ホステルに泊まるのは6年前の山口一人旅以来。場所柄、宿泊しているのも外国人が多かったので、留学時代の旅を思い出した。

ホステルは綺麗だしオーナーさんがすごく親切で色々話しかけてくれて概ね良かった。

早めに床についたはいいが、どこからか入り込んだ大きめの蚊みたいなのがプーンと耳元に飛んできて、コイツを倒すまでは寝れん!!!と息巻いて、椅子によじ登ったり、置いてあったアルコールスプレーを噴射したりするも、総じて、私の手の勢い<ヤツの察知能力という構図の戦いであった。(虫の存在に気づいた時点で既にオーナーさんは不在になっており、フロントにも虫除けスプレーの類が見つけられなかった)
イヤホンをして寝るという手もあったが、ヤツの存在を消すまでは安心して眠れないため、格闘しては見失い→横になってスマホいじる→現れて格闘を繰り返すこと3時間以上(どんだけー!)。
アルコールスプレーが効いたのか飛ぶ力も弱まり、おそらく床に落ちたと思われ(床が茶色で判断できず)ようやく安堵してベッドに横たわる。
が、今度はやたら沈み込むマットレスや枕の高さ、分厚すぎる布団(冷房をかけても暑い)が気になって一向におやすみモードになれず。眠りについたのは2時を回ってからだった…
結局その後も5時頃に目が覚めたりして、睡眠時間は小刻みでトータル5時間ほどしか取れなかった…なんのために近場に泊まったのか悲しみと怒りとやるせなさで起床。
ちなみに起きたら、私の持ち物のスーパーの袋から虫が飛び出てきた。おま、生きとったんかい!富士山下界の虫はしぶとい。


富士山五合目まで

当日は富士山駅の近くの昔ながらの喫茶店でモーニングを食べてから路線バスを利用して富士山五合目まで向かった。
本当は河口湖周辺に泊まろうかとしたのだが、バスが富士山駅→河口湖駅→富士山五合目というルートで、事前にXでリサーチしたところ河口湖駅からだと立ち乗りになる可能性がありそうだと判明し、そういう理由で富士山駅近辺で宿泊したのだった。

この決断は結果として非常に正しかった。
絶対に座りたかったので出発20分前にバス停に行った(誰もいなかったので、普通に5分前到着でよかった)。富士山駅では私含め6名ほどが乗車したが、その次河口湖駅は長蛇の列で立ち乗り客も多数。河口湖駅からは臨時増便もされていてバス2台体制だった。ちなみに、乗客の9割以上が海外勢だった。

12時に五合目集合だったため、9:30に富士山駅出発のバスに乗り、10:30に五合目到着し1時間半ほど余裕を見て高地順応する予定を組んでいたが、河口湖駅の混雑や道中の渋滞もあり、15分ほど遅れての到着となった。

到着してゆっくりストレッチや深呼吸をし、準備。既に五合目でも気温は20℃くらいで半袖だとかなり涼しい。
同期の到着を待つ間、ガイドツアーと思われる10〜20名程度の組を多数見かけた。どこのガイドさんも「○○組〜!富士山頂上目指してがんばるぞ〜!」「「オ〜ッ!!」」みたいな掛け声をやっていて、なんか見ているこっちが恥ずかしくなった。まぁ自分がその場にいたらなんだかんだやってるんだろうけどさ。


今回は定番の吉田ルートでの登山だったが、吉田ルートは毎年のように報道される外国人の弾丸登山を防止するための策として、今年から入山料2,000円が必要になっている。前日までにサイトから支払いも可能。私は忘れていて当日窓口で支払ったが、お盆すぎの平日だったからか数名程度並んでいるだけで待ち時間はほとんどなかった。
ちなみに、ガイドさんから聞いた話では、4つあるルートのうち吉田ルートだけが山梨県に属しており、2024年から登山規制(目安4,000人/日、16時までに入山、通行料2,000円)を開始した。その他須走、富士宮、御殿場ルートは静岡県に属しているが、入山料は取らないことにしたそう。そのため、今年は吉田ルートは比較的混雑しておらず、規制のない静岡県側のルートが混乱していたとのこと。


いざ、出発!

同期やガイドさんと合流し、12:40いよいよ出発!天気は曇り。

ちなみに、今回、かかった費用はこんな感じ。
宿代(トモエ館本八合目)3人分:34,500円
ガイド代:53,000円
→同期二人と折半し、43,750円/人
これプラス交通費。私の場合は、都内~富士山駅のバスチケットと富士山駅~富士山五合目までのバスチケットを足して8,000円ほど。
普通のバスツアーで行かれる方はもっと安く済むと思われる。


5-6合目は割と平坦な道が多くウォームアップ的な感じ、休憩挟んで6合目まで1時間程度だったかな。

6合目でタンクトップ+ビチピチブルマみたいなインナー+スニーカー+小さいボディバッグという、どこぞの海外のジムでしょうか?的な出で立ちでガンガン登っていく外国のお姉さんいて、ボランティアのおじさんに「そんな装備で大丈夫か?」的なこと聞かれてたが「後ろに私の友人がいて、荷物も持ってくれている」と答えてスタスタ去っていった。ストックもなしでめちゃくちゃ大股で歩いてったわ。本当に持たされている友人がいたのかは不明だが、ツッコミどころ多かったな。ピチピチブルマはまじで軽装すぎて目を疑ったわ。

6-7合目はゆるやかな坂道で写真みたいにずっとつづら折りの道が続く。
このあたりで急に大粒の雨が降ってきたため雨具を装着。10分ぐらい降られたあと、止んでくれた。山の天気が変わりやすいのはフジロックでも慣れっこよ。さっきの外国人のお姉さんは大丈夫だったのだろうか?と余計な心配を心の中でした。

6〜7合目に向かうつづら折りの道

雨が止んでも水滴を乾かす&防寒の意味もあり、雨具は着たまま登っていく。聞いてはいたが本当に単調で、あと何回折り返すんだ…と途方に暮れそうになった。そうは言ってられないのでひたすら小股で歩みを進めていく。
休職してヨガやピラティスくらいしかやってない運動不足の我々にガイドさんがペースを合わせてくれ、ゆっくり小股で進みながら休憩も多めに取ったので、7合目までは1時間少し程かかった。

7合目に到着すると山小屋がたくさん登場するので、次はあそこまで、と目標を立てやすい。小屋1つおきくらいで休憩を挟み、8合目を目指す。

7合目の山小屋、ここからまだまだ登る

7合目まではずっと砂と石ころが混じった斜面を登ってきたけど、8合目に向かうあたりから岩場が出てくる。
以前富士山を登る時に備えてLEKIのストックを買っており、今回持参したのだが、まじであってよかった。初心者はない方がいいというコメントもよく見かけるが、4本足で歩けるので私のように足に爆弾抱えた人間は足への負担がかなり減らせる。岩場で不要であれば畳めばいいだけだし、そんなに重くもない。私は少し長さを短くし、グリップも短めに持って体を支えながら登った。
これは完全に人によるところだと思うが、手で支えて体を持ち上げるより、ストックで支えたほうが、体を起こして持ち上げる距離が少しでも小さくなるので体力を温存できるのでは、と私個人は思った。

ちょっとボルダリングみたいでワクワクした
急に天気がよくなった 宿はまだ右上の端の方…
有名なヤッホーポイントらしく、皆でやっほーと叫ぶとやまびこが返ってきていた

我々の宿は8合目からさらに先の本八合目。何度上の方を見上げてまだめっちゃ遠い〜!と絶望しかけたか分からない。

このあたりから同期は頭痛を訴えていたので、各小屋で休憩を多めに挟みながら小屋を目指した。当方は膝も頭痛も体力も全く問題なく、やはり、早めに五合目に到着し、高地に体を慣らしておいてよかったと痛感した。


登山時に気をつけていたこと

登山中、私はとにかく膝を痛めることと高山病が怖かったので、ガイドさんからのアドバイスも含めて下記を徹底的に実行した。そのおかげで高山病にもならず、足もなんとか下山まで持ってくれた。

  • 歩幅は小さく尻を使って歩く

  • ドシンと着地せずかかとから歩く

  • 足を上げる=体力使うため、段差は遠回りしてでも低いところを選ぶ

  • 鼻から吸って口から息を吐く、なるべく深呼吸する
    (頭の中でヨガの先生がひたすら「はい吐いて〜」と唱えていた)

  • 休憩時にのどが渇いてなくても、一口だけでも水を飲む



山小屋の様子(本八合目トモエ館)

本日のお宿、本八合目トモエ館(標高3,400m)

登山開始から6時間、18時半にようやく我々の宿泊する山小屋に到着。
スタッフの方が温かく出迎えてくれた。
トモエ館は全部屋個室タイプで布団と枕が用意されている(各寝床が壁で区切られ入口はカーテンになっている)。他の宿では隣の人と激近の距離で寝袋で寝るケースもあるのだから、これだけでも非常にありがたい。
ちなみに、Wi-Fiやコンセントも完備。現金しか使えないと聞いていたが、小屋にはPaypayマークのステッカーも貼ってあった。文明の利器ありがてぇ〜!トイレは宿泊者は100円でよいとのことで、これまた有り難かった。

先に到着したグループから順次夕食となっていたため、寝床で30分ほど荷物の整理をしたり着替えたりしていると、我々の順番が来た。
夕食と同時に、明日の朝食(500mlのペットボトル水とパン3つ)が配られた。

夕飯はハンバーグカレー、あっという間に完食

高山病を防ぐため、食べてから1時間は寝ないよう、宿の人から注意が言い渡される。(事前にブログなどで予習済)

ちなみに一応下着とTシャツの替えは持ってきていたが、普段キャンプで着の身着のまま寝るスタイルに慣れているのと荷物を少しでも減らしたかったため、汗ふきシートで汗と日焼け止めを拭って、そのままの格好で寝たが、同期は全部がっつり着替えていた。


ご来光を見るため仮眠。
20時半時頃には床に入ったが、他の人のいびきが気になり全く眠れず。たまらずイヤホンを取り出し、川のせせらぎ音を流して、深呼吸をしながら瞼を閉じる。ようやく眠りに落ちたが、23時頃に目が覚めてしまい、暑さといびきでまた眠れなくなる。スマホを弄って、今度は雨の音をBGMにしてなんとか0時頃に入眠。
前日のホステルといい、今回は本当に眠りに恵まれない旅だった。


寝たか寝てないか分からないまま、2時に起床し、身支度を整えて2:45、山小屋を出発。既に七合目宿泊者のヘッドライトの明かりが続々と頂上を目指して列をなしていた。
我々は本八合目のため、比較的頂上に近い宿だったが、ガイドさんいわく7合目の宿だと23時頃出発という場合もあるようで、人によってはほとんど仮眠もできないらしい。上りはつらかったが、頑張ってよかったし、山小屋を手配してくれた同期のチョイスに改めて感謝した。
トモエ館では、ご来光時に不要な荷物を一時預かりしてくれるサービスもあった。これは、本八合目という立地ならではで、七合目だと上りと下りのルートがちがうため、荷物は全て背負わなければいけない。


拝めるか、ご来光

山小屋から頂上まではご来光を見る人々で渋滞しており、岩場も多いため休憩を挟みながらゆっくりと進むことができた。

寒いと思い、山小屋からロンT+Tシャツの上にフリースとウルトラライトダウン、GORE-TEXに加えニット帽とネックウォーマーを着込んだが完全に失敗で、歩き始めて早々、汗っかきの私はすぐに汗が噴出してしまった。
途中、九合目の御来光館ですぐさまフリースとウルトラライトダウンは脱いだ。結局、上はロンT+TシャツにGORE-TEX、下は登山パンツ+GORE-TEXのみだったが、この日は風もそんなになかったので意外と耐えれた。
ちなみに、半パンとかジーパンの外国人はやはり一定数いたが、思ったより少なかった。

休憩も挟みながら、1時間半程して4:10にようやく頂上に到着。既にうっすらと空が明るみ始めていた。気温は手元の温度計で5℃程。当日の日の出予定は5時。あと1時間程もあるため、ガイドさんおすすめのご来光が見える人の少ない場所に陣取り、さっき脱ぎ捨てた防寒着たちを着込んだ。

4時半頃 山小屋の前のベンチ付近は人でいっぱい


山頂にも山小屋がいくつかあり、冷えた体を温めてエネルギーをチャージしようと、1杯1,000円のうどんを注文したが、まじで1,000円の価値があると思えるくらい全身に温かさが染み渡った。

また、富士山山頂には神社があるため、お参りと自分と家族へのお守りも購入した。富士山頂ということもありお守りのお値段もそれなりに覚悟したが、1つ1,000円と地上の神社と同じ値段設定であった。

久須志神社


そうこうしているとあっという間に時間が経ち、ご来光の時間が迫ってきた。
みんな一様にして日の出の方向を見つめる。この日は生憎、曇りで雲海が立ち込めていた。
日の出時刻を数分回って、数人の「おおーっ」という歓声とともに、太陽がお目見えし、無事、ご来光を拝むことができた。

目標をめちゃくちゃ低くしておいただけに、無事に念願だった富士山登頂も果たせ、ご来光まで見れて、本当に自分はついていると思った。

見事に雲海模様。隙間から奇跡的にご来光を拝めた。


お鉢巡り

その後、体力も時間もまだ余裕があったためお鉢めぐりもしたが、地層がどーんと現れていて、自然の雄大さへの敵わなさというか、その圧倒的な光景に感動した。

バスツアーで来ている団体の方たちはバスの時間もあるので、日の出を拝んだらすぐに下山しないといけないようだったので、時間がたっぷりある我々は恵まれていることに感謝しながら、余韻に浸りながらゆっくりとお鉢の周囲を歩いた。
最初はお鉢めぐりなんてできる体力があるかと思っていたが、正直めちゃくちゃよかったし、来年以降登頂を考えられている方は時間が許すのであればぜひ周囲も散歩することを激しくおすすめしたい。

まだ朝6時くらい。左上に月も見えてる。
左の方に見えてる建物のところが剣ヶ峰。
ご来光の際にお参りしたのが、久須志神社
こちらは浅間神社の奥宮でお鉢めぐりしないと参拝できない


お鉢めぐりはだいたい1周2時間くらいと言われているが、周囲を歩くだけならそんなに時間はかからない。ではどこに時間がかかるかというと、ここ↓

体固すぎてY字バランスはできましぇん


富士山頂、といっても実際の3,776mの地点である剣ヶ峰には、お鉢巡りをしないとたどり着けない。
この日本最高峰という石像のところで写真を撮りたいがために、皆並ぶのである。我々は15分程の待ち時間だったが、どんどん列が長くなっており写真を撮り終えて降りる頃には30分以上待ちの列になっていた。時間を気にされる方は、ご来光を見てしばし余韻に浸ったら早々にお鉢巡りに出発したほうが吉。
とはいっても、富士山は独立峰なので、風が強い日にはお鉢巡りは危険なので、くれぐれもお気をつけて。

ちなみに、ガイドさんいわく、整備されていない冬の間に登山をし、思わず足を滑らせてしまった方が夏の山開き前に毎年数人はお鉢の中から見つかるらしい。恐怖。


ご来光が見れただけでもありがたいのに、この日はなんとブロッケン現象にも出くわせた。富士山のブロッケン現象は眼下に雲が広がっており、自身の後ろから太陽が差し込む(ちょうど朝あたり)タイミングでないと見ることができないらしく、ガイドさんからもかなりレアだから急いで写真を撮って!!と急かされたくらい。笑

どれくらいの確率なのかはわからないが、ネットとかで見ていると10回以上登頂経験があっても1回しか見れなかった人もいるようで、私達は初めての登山で奇跡的に見れてよかった。本当に、ついている。

よく見ると二重の虹になっている🌈


退屈な下山道

一通り満足したら、いよいよ下山。

従来のわたしは下山時にスピードの規制が効かず大股でガッシガッシ足にダメージを与えまくっており、それが故の腸脛靭帯炎を発症したわけなので、今回はことさらに気をつけて下りるようにした。
ガイドさんからは落ちている石を避け、できるだけ小股で、でもある程度勢いに乗ってササーッと走るようにするのが楽だと教わった。が、これがなかなか難しい。
サポーターも山小屋出発時に装着し、ストックも使いながら足に負担をかけすぎないように気をつけていたが、下山し始めて少し経って右膝が徐々に痛みが出始めていた。腸脛靭帯炎は膝を曲げるときに痛みが生じるが、どんなに気をつけても足を真っ直ぐにして下ることはできないため、ただただ、ゆっくり小股で、尻に力を入れて下りるしかなかった。

また、所々石に砂が乗っかっているようなところは滑るので気をつけて、と言われていたにもかかわらず、その直後くらいに、見本のようにキレイに滑って尻を石で強打したのはこのワタクシです。どこまで芸人やんねん。(MBTIエンターテイナー)

そんなこんなで、登りは当方が快調だったが、下りは当方がスローペースすぎて所々、ガイドさんと同期に待ってもらうことになった。

すんごい斜面


下りは本当に単調で、ひたすらゴロゴロした石混じりの砂地を何ターンもこなしていく。景色もそこまで代わり映えしない。自身の膝のこともあり、個人的に下りが本当に辛かった。

途中あまり行動食も口にしなかったためかHPも削がれていき、口数も減り、ひたすら頭の中で「尻に力をいれる。着地気をつける」ということだけを呪文のように唱えながら歩いていた。

6合目休憩所付近

ちなみに、6合目か7合目くらいから馬に乗って5合目まで行けるというチート技もある。ただし、7合目からの場合は4万円、6合目からでも1.5万円ほどするようなので、どうしてもむりぽとなった方は課金するのも手だ。
登りも同様のサービスがある。馬に乗っている人は登りも下りも5組くらいは見かけた。

我々も最終手段は「うまにのる」と決めていたが、なんとかかんとか、自分の足で最初から最後までやり切ることができた。

フジロッカーには分かるーと言ってもらえそうな、
なんとなく、苗場の会場近くの車道を思わせる道


そして、我々が5合目に再び戻ってきたのは、12時半。
ちょうど、24時間かけて山道を往復した。やりきった。。。

その後は当方が富士山駅まで下りるバスがちょうど15分後発車予定だったため、レストハウスで同期と昼ご飯食べる暇もなく、早々に撤退したw


ちなみに、だいたいの目安はこんな感じになっているらしい。
我々の場合はそれぞれ休憩や渋滞の時間込みで、五合目〜本八合目:6時間、本八合目〜吉田口頂上:1時間半、吉田口頂上〜五合目:4時間半という感じだった。

アップオンHPより引用(クリックすると飛べます)


持ち物

当日の持ち物はこんな感じ。28Lのリュック+ボディバッグという装備。
これプラス前泊した際の持ち物もあるが、宿泊したホステルで不要なものを預かってくれたので、登山時の荷物はこれだけ。

かれこれ10年以上の付き合いのノースフェイスのザック

持ち物やウェアはこちらのYoutubeを参考にしました。

  • ストック

  • 雨具(GORE-TEX上下、GORE-TEXのハット、ザックカバー)

  • 登山用グローブ(中がフリースみたいになっていて防寒も兼ねているもの)
    軍手でもよいが、濡れると寒いのでスノボのグローブで代用の方が◎

  • 防寒具(薄手のフリース、ネックウォーマー、ニット帽、ウルトラライトダウン、ダウンパンツ、カイロ)
    御来光を待つ際にすごく寒いと聞いていたが、結局ダウンパンツとカイロは使わなかった。

  • ヘッドライト

  • ゲイター(下山時に使用)

  • 水1L+ポカリ0.5L(水はナルゲンボトル、ポカリは折り畳める袋に入れて持参)宿泊した山小屋でも0.5Lのペットボトルがもらえたし、道中に500〜600円とかで売ってるので、荷物を軽くするなら女性なら1L程度でよいと思います。
    amazonリンク貼ろうと思って探したら、自分が買った同じブランドのものより半額くらいのお値段でショック・・・

  • 着替え(靴下、下着、Tシャツのみ)、タオル
    濡れたくないものはドライバッグやジップロックに入れて持参。
    私はSea to summitの空気抜けるEvacタイプを持ってます。

  • ゴミ袋、ジップロック

  • 100円玉×20枚程(小屋のトイレはだいたい200円かかります)
    水も飲むが汗として結構排出されたため、こんなにいらんかった

  • トイレットペーパー(使用して小さくなったものを芯を潰して持参)
    結局、どのトイレもトイレットペーパーは完備されており不要だった。

  • モバイルバッテリー

  • 行動食(アミノバイタルGOLDのゼリー×2、朝バナナゼリー、コンビニおにぎり、井村屋スポーツようかん×2、SOYJOY×2、せんべい数枚、ベイク、バウムクーヘン)
    行動食は余るくらいがいいと聞いていたが、朝食のパン×3が山小屋からもらえるのを知らなかったので、ちょっと持って行き過ぎた。ゼリー系は動きながらでも手軽に飲めてめちゃくちゃ便利だった。ガイドさんに頂いたローソンのドライフルーツのいちごが美味しかった。

  • ウェットティッシュ

  • 汗ふきシート、化粧落としシート
    シート類はYoutubeを参考に、ジップロックに使用する数枚程度だけ入れて持参。軽くなってすごく良かった。

  • 日焼け止め

  • 化粧品(なるべくコンパクトに最小限にとどめた)、コンタクト

  • 絆創膏、湿布

  • サポーター

  • 常備薬(登山前と山頂出発前にアミノ酸のBCAAカプセルでブーストした)

  • イヤホンor耳栓


まとめ

思わぬタイミングで、今回人生のやりたいことリストの1つにチェックを入れることができたのだが、本当にあのときためらわずに行ってよかった。
誘ってくれた同期と、素人2人に同行してくれたガイドさんに感謝。そして、背中を押してくれた夫にも大感謝。
ご来光も、ブロッケン現象も、ニホンカモシカまで見れると思わなかった。

気をつけて歩いていたことやガイドさんの見事なペース配分もあって、その後膝は悪化することなく、翌日も階段の上り下りもまったく問題なかった。もちろん、筋肉痛は多少あったが、運動したあとの筋肉の痛みは頑張った勲章で快感すら覚える(ドM)。


以前のわたしはあまり深く考えることなく、何でも好奇心だけで飛び込みがちだったのだが、色々と環境が変わって、近年の私は良くも悪くも大人になり、やりたいことに挑戦すること自体を諦めてしまうことが多かった。
私といえばフッ軽人間というイメージが、昔から付き合っている友人や同僚の中にはあるようだし、私自身も受け身人間(お誘いするのが大の苦手)だからこそ、誘われたら「はい、喜んで〜」とどこかの居酒屋ばりのテンションで馳せ参じていた人間だったと自覚している。

今の営業部に配属されたことだけを悪とするのではないが、この頃からワークライフバランスの中の「ワーク」がどんどん重くなってきてしまい、私の生活の判断を左右する要素になってしまっていて、かつての自由な私を縛り付けているようで、それが自分でもとても嫌だった。

仕事を休んでいる期間だからこそ、「せっかくなら」ということで富士山登頂を果たせたが、富士山の山自体が御神体ということもあるからなのか、清々しい気持ちが私の心を満たしていて、少しだけ嫌な自分の殻を破れた気がしている。


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