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はじめに(西川勝エッセイ『動くためにとまる。』)

豊平豪(文化人類学・torindo)

 マガジンを始めようと思ったのは、砂連尾理さんと「<とつとつ>関連のワークショップの記録(というか記憶)」を残していこうと話したからだった。ただそうなると、それに加えて、僕としては、ぜひ西川勝さんにも何か連載してもらいたかった。

 西川さんはこれまで、とつとつダンスの舞台であるグレイスヴィルまいづるのフリーペーパー『ぐれいす村だより』でずっと<とつとつダンス>について連載してきた(2020年4月で終了)。だけど、なんせ文字数が400文字だったし、特養のフリーペーパーということで認知症介護の文脈への縛りもあったように思う。

 400字で、なにやっているのかわからない砂連尾さんのワークショップの機微まで踏み込む西川さんは、まるで自由律俳句の達人みたいで大好きだったけれど、ぼくとしてはもっとボリュームのあるケアすらからも自由な「西川勝哲学」も読んでみたいという思いをずっと持っていた。

 フリーペーパーでの連載がひと段落して、2020年年末、オンラインでの飲み会の最中、西川さんがぽろっと「最近、何か書きたくなってきた」と言ったとき、「しめたっ」と思った。そこから話が進み今回の連載へとつながった。

 テーマを決めたのは砂連尾さん。「西川さんに何書いてもらいたいですか?」と尋ねると、砂連尾さんは食い気味に(こういうときの砂連尾さんはいつも食い気味だ)、
「『動くためにとまる』で!!」とこたえた。
なにやら最近ずっとこのことを考えているそうで。

 さてさて、どうなることか。ワクワクしている。
 

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