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20220523ワークショップ①砂連尾

開催日時:2022年5月23日 13:30~15:30
場所:グレイスヴィルまいづる-東京(Zoomオンライン)
内容
1.ストレッチ
2.歌を唄う→動物と動物語で話す(浦岡さんがギター)
 2-1『七つの子』(カラス、なぜ鳴くの~)
   唄った後、カラスマスクの砂連尾さんとカラス語(かあかあ)で会話。
 2-2『かえるの合唱』(かえるのうたがきこえてくるよ~)
   唄った後、カエルマスクの砂連尾さんとカエル語(げろげろ)で会話。
 2-3『お馬』(おうまのおやこはなかよしこよし~)
   唄った後、ウマの鳴き声がどんなのかみんなに聞く
   ウマのマスクの砂連尾さんとウマ語(ひひぃーん)で会話。  
   ウマ語で「お馬の親子」歌う。 
 2-4『ぞうさん』(ぞうさん、ぞうさん、おはながながいのね~)
   ゾウの鳴き声を動画で確認→ぱおーん
   ゾウのマスクの砂連尾さんとゾウ語(ぱおーん)で会話。
   『ぞうさん』をゾウ語で歌う
   ゾウさんのことばを一人一人聞き取ってみる。
 2-5 『はと』(ぽっぽっぽー、はと、ぽっぽー)
   ハトの鳴き声を動画で確認→ぽ、ぽっぽー
   ハトのマスクの砂連尾さんとハト語(ぽ)で合唱
3.砂連尾さんがいろいろなマスクを変えながら、それぞれ動物語で話しながら踊る。みんなそれに合わせて身体を動かす。時折、個人に話しかけたり(ex,「Yさん、ぱおーん」「Kさん、ひひぃーん」)。   
4.感想をきく

***
砂連尾理(ダンサー・振付師)

 先月は「踊りがいつ生まれるのか」という問いをめぐって、歌うという切り口から、詩を思いを込めながら読み、歌ってもらうことから生まれてくる身振りについて、入居者の方と色々試しました。

 今回のワークはその続編で、歌うといった何か意味のあるものを伝えることで起こる身振りではなく、意味の手前の声又は音を発しようとすることから生まれてくる身体に着目してみることにしました。

 とはいえ、意味のない声、例えば、“あ”とか“ギ”のような短音を発してもらったとしても、そこに動機がなければ身体の変化は恐らくないように感じたので、元々は意味のある言葉の、その意味性を剥ぎ取って声に出してもらおうと考えました。

 今回試してみたのは、『カエルの合唱』、『はと』、『七つの子』など、動物にまつわる童謡を、それぞれの動物の鳴き声を真似て歌ってみるということでした。例えば、『カエルの合唱』なら、カエルの鳴き真似をしながら、クワクワクワクワクワクワクワァ〜♪(カエルの歌が〜♪)、また「七つの子」なら、カラスの声で、カァ〜カァ〜カァ〜、カァカァカァカァカァ〜♫(からす、なぜ泣くの〜♫)といった具合に。

 まあ大分解像度の粗い音の選択ではありますが、元々の歌詞を動物語に変えて歌うことで、それまでの歌い方との違いから、そこで発生する何かしらの不自由感というか違和感から新たな身振り、ダンスがグレイスの老人たちから何か生まれてくると素敵だなと考えました。

 さて、ワークの内容も決まり、さあ残すは本番とワクワクしたところで、当日画面上でいきなり動物語で歌ってみましょうというのも、ちょっと無茶振りというか、それだけでは芸がないなぁと感じたので、少し面白おかしく私だけでも動物マスクを被って一緒に歌うと、老人たちも楽しんでやってくれるのではと思いマスクを用意することにしました。

 浦岡さん、豊平さんと相談し、カエル、ハト、カラスは面白そうなのでということになり、『カエルの合唱』、『はと』、『七つの子』の三曲でいこうと打ち合わせていたのですが、ネットでパーティグッズ用の画面を見ていたらついつい調子に乗ってしまい、結局、そこにゾウとウマも加え、当初の三曲から『ぞうさん』、『お馬』も加え、最終的には五つのマスク、五つの楽曲でワークに臨むことになりました。

 そんな準備を経たワークの結果は、私の心配をよそに(本心では「なんや、これ?」とか「あんなマスク被って馬鹿にして」と思った方もいたかもしれませんが)、思いのほか多くの方々がそれぞれの歌を動物語で歌ってくれました。それには現場の浦岡さんの好リードがあったことは言うまでもありませんが、その姿はこちらが拍子抜けするほど自然な歌い方でした(いや、変わらぬように私からは見えていただけで、実際は戸惑いを抱えていたのかもしれませんが)。

 グレイスの老人たちが、最早、ロゴスもカオスもこだわりなく、その両者を自由に行き来しているように感じるというのは、もちろん早計に過ぎるのでしょうが、毎回、訳が分からないであろう、とつとつダンスワークショップを前にした彼らの柔軟さには本当に驚かされます。

 いやいや、そんな風に感じているのもこちらの勝手な解釈で、入居者の側からすると、毎回変なレクリエーションやなぁ〜と思いながらも、しょうがなく付き合ってくれているだけかもしれません。そう思うと、こんなワークに毎回付き合ってくださるグレイスの皆さんの存在は本当に有難いなと思います。


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