20211125ワークショップ①砂連尾
開催日時:2021年11月25日 13:30~15:30
場所:グレイスヴィルまいづる-東京(Zoomオンライン)
内容:
1.なんとなく粘土をいじる(音楽あり)。砂連尾さんは音楽に合わせて粘土をいじる。職員さんが参加者にどんどん粘土を渡していく。参加者が増える。でも、抜ける人もいる。最終的に6人くらい残ったか。
2.参加者に感想をきく。
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砂連尾理(ダンサー・振付家)
今回のとつとつダンスワークショップは“粘土を捏ねる”でした。
ワークの進め方は8月、9月に取り組んだ絵を描くワークと基本的には同じ方法でです。私が粘土を捏ねる手作業を画面越しに入居者に見てもらい、それを真似るように入居者が捏ねるとどんな物が生まれるか?
予想はしていましたが、ワークを進めながら、絵の時と同様、入居者は私の手を真似て捏ねるというよりは、目の前の粘土を捏ねる作業に一生懸命になり、私の捏ねている画面にはほとんど反応していないように感じられました。
けれど“絵を描く”ワークの時の「双方向的なやり取りがちょっと難しいかな」といった感覚には陥りませんでした。たぶん、入居者たちの粘土を捏ねる姿があまりに素敵だったので、ワークのやり取りを成立させようとするより、この姿をずっと見ていたいと思ったからだと思います。私はいつの間にか彼らの粘土を捏ねる姿にじっと見入ってしまっていました。
イギリスの伝説的な登山家ジョージ・マロニーの「なぜ、山に登るのか?そこに山があるからだ」という有名な言葉がありますが、今回はさながら「なぜ、粘土をこねるのか?そこに粘土があるからだ」という言葉が入居者の身体から発せられているように私には感じられたのです。
とつとつダンスワークショップは基本的に私から投げかけるお題を職員、入居者の方と身体を通して取り組む身体ワークショップですが、ワークを取り組む入居者の方の身振り、佇まいが素晴らしく時に今回のようなワークショップなのかパフォーマンスなのか、そして誰が講師なのかが分からなくなることが度々起こります。今回は正にそんな会でした。
それにしても粘土を捏ねるという動きはとても面白い動作だなと改めて思いました。粘土という素材は可塑性があるので押したり伸ばしたり、時に打ち付けたりと、捏ねる動作からはその人に宿っている様々な感覚、記憶を呼び起こされるのかもしれません。そして今回の皆さんの捏ねる動作からはそれぞれの歩んできた人生がポロッポロッと垣間見えるかのようで、それは本当に素敵なダンスでした。
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